撤去された看板
コロナ全盛期にユニークな動画投稿で一定の支持があったノースサファリサッポロが閉園の危機を迎えています。直接的には市街化調整区域への無許可建築が問われたものです。

札幌から中山峠方面に車で30分ほど、定山渓温泉の手前にノースサファリサッポロがあります。国道沿いに設置されていた5枚の案内看板も撤去されたようです。

いわゆる野立て看板は屋外広告業登録済みの専門業者が設置するのが一般的で、骨組み剥き出しで設置されるケースは少ないはずです。

そもそも設置されている場所が歩道脇です。積雪地域では余白を持たせて道路買収します。私がこの看板を見たのは2021年頃だったはずですが、雑草の奥に擁壁があります。たぶんアウトな奴だろうとは感じていました。
札幌方面からノースサファリサッポロに行くには国道230号の豊滝小学校交差点(小学校は2014年廃校)を左折することになります。

交差点の電柱には熊出没注意の赤いポスターが貼ってあります。主柱の青い看板はステカンに近いタイプですが、これは中山峠方面からの右折を促すノースサファリサッポロの看板です。電力会社は原則として許可を与えませんので、同様に撤去されたものと思われます。
2005年開業
最新2024年6月の航空写真です。マーカーのピンクが誓約書への署名が求められる「デンジャラスの森」、黄色が犬ぞりや雪上バナナボートの「アドベンチャー」、緑がコロナ助成金不正受給の疑いが指摘されている「ワーケーション」、水色が動物とともに宿泊できる「グランピング」です。

開業は2005年7月ということです。開業前の2005年4月の時点では中心施設のみでした。

ほぼ10年後となる2014年10月撮影の航空写真です。デンジャラスの森とアドベンチャーは運営中です。

15年後の2020年6月です。グランピングがオープンしています。

カンガルーバーガー
入場ゲートをくぐるとこの看板があります。チケットには記載があるのでしょうが、入る前に言えと突っ込みたくなるはずです。

施設内のフードコートにはチャレンジメニューがあって、タガメやカエルやサソリといった比較的ポピュラーなメニューだけでなく、カンガルーやクロコダイルやダチョウのバーガーやカレーもあります。
個人的にはカンガルー肉などおすすめだったりもしますが、国内では通常食用とされない肉をその展示飼育施設内で食べるのは、マザー牧場でジンギスカンを食べたり、生け簀のタイを選ぶのと同一視できないような気がします。
亡くなった飼育個体を捌いて提供しているように思われたら、イメージを毀損することになりかねません。そこを突き抜けてしまうのが「日本一危険な動物園」の所以ではあるのでしょう。
札幌市の態度が意外に強硬なのは、移転(増園)予定先が住宅地に隣接しているため当然のように歓迎されず、住民にねじ込まれた結果なのかもしれません。閉園するにせよしないにせよ、162種502頭の引受先はそう簡単に決まるものではないでしょう。
ノースサファリサッポロは日本動物園水族館協会にも加盟していません。各地の動物園・水族館との接点は薄いはずです。市としても今さら腰砕けの対応はできないでしょうから、動物は民間業者への預託か売却になるのではないかというのが私の見立てです。
【2025/02/20追記】18日夕刻に提出された計画書では2029年末までに完全撤去すると報じられています。期限を切るならせめて年内が折り合える線だと思われます。
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