維新3県議の会見、わかったこと&わかっていないこと

思いがあるのはわかる

兵庫維新の会

時間無制限の記者会見を開くことを発表した際の吉村代表の発言(21日府庁)が漏洩擁護だとして批判を浴びています。

本人たちの思いがあるのはわかりますが、これはやっぱりルール違反ですから、してはならないことだと思います。しかも相手方は他党の党首ですから。これはやっぱりルール違反です。思いはわかるけどルール違反です。

私は「思いがあるのはわかる」と「思いはわかる」は同一ではないと理解しています。トップの発言としての「思いがあるのはわかる」なら許容範囲内です。吉村氏は「思いがあるのはわかる」と言ったあと、最後に「思いはわかるけどルール違反」と短縮しています。

「思いがあるのはわかる」を「思いはわかる」に言い直したと解するなら私の中でもアウトです。吉村氏のケースは「思いがあるのはわかる」が真意で、それを繰り返すうちに「思い(があるの)はわかるけどルール違反」と省略してしまったように思えます。

【2025/02/25追記】先刻の会見では、吉村氏は「思いはわかる」と「思いがあるのはわかる」をとくに区別していないようです。

維新の不祥事やスキャンダルは、浪速のエリカ様やN党の丸山穂高副代表など飛び抜けて多いはずですが、組織防衛の危機対応能力はすぐれています。早めに強めの処分を下すことでダメージの蓄積を回避してきました。

斎藤氏は維新の党員ではなく、維新が党として処分できる対象ではありません。百条委員会の設置が決まった際は、維新と公明が反対(プラス自民造反1人)でした。真っ先に不信任に転じたのは、総選挙と想定された県議会解散に伴う県議選で斎藤氏と心中できない思惑があったはずです。

維新除名は不可避

増山氏の離党届を受理せずに預かったということは、維新内部では除名が視野に入っていることになります。除名で足りるとは思えませんが、党としては除名以上の処分がありません。県議会の対応も求められるわけです。

【2025/02/25追記】増山氏に対しては除名、岸口氏に対しては離党勧告の処分になるようです。こうしたトラブルの多い維新では除名なら辞職との誓約書がありますが、拘束力が及ぶとは思えず、増山氏が居座ることは可能なはずです。2012年の桐生市議会など議会が議員を除名(失職)したケースは数例あります。
【2025/02/26追記】処分は岸口氏が除名で、増山氏は離党勧告でした(24日のMBSで橋下氏がこれを匂わせるトーンの発言をしていました)。この情報コントロールの失敗は維新の伝統芸の崩壊を意味します。ラスボス万博まで尾を引くはずです。

他党派が言い出す前に辞職勧告以上を打ち出さないと、イメージダウンの払拭には至らないかもしれません。その際、岸口氏は会派の方針に従うのでしょうが、白井孝明(たかひろ)県議は踏み絵を踏まされることになります。

丸山氏のケースでは、まず維新が立憲に辞職勧告決議案の共同提出を呼びかけ、野党は辞職勧告決議案、自公は緩やかな問責決議案を提出、最終的には「糾弾決議案」(どのみち拘束力なし)が可決されました。冷淡にも見える対応で最小限のダメージで済ますのが維新です。

もし増山氏がラブコールを受けてN党から参院比例区に出ることになれば、地味な役回りで立花氏の兵庫県知事選出馬をプッシュした浜田氏は自分のライバルを育てたことになりかねません。そう考えれば面白い展開ではあります。

増山氏は2019年の統一地方選が県議初当選です。同年6月の堺市長選に立花氏は立候補しており、県議1年生の増山氏は維新候補の応援に入ったはずですが、そこは他陣営です。片山氏の証人尋問の時点ではまだ接点はなかったものと思われます。

知事選より前に接点があったような痕跡も見つかりません。立花氏のほうから接点を求めるほどの認知度はありませんので、増山氏側からの働きかけであることは間違いないようです。

25日は証言の最初から録音しており、そに日以外に録音したことはなく、片山氏とも打ち合わせしていないとのことでした。偽証罪に問われない会見ですから、すべて真に受けることもないとしても、疑う根拠もなさそうです。

一方の岸口氏は困惑の末、もう明鏡止水で腹を括った印象を受けます。岸口氏は清水氏支援でしたので、斎藤氏支持の増山氏や白井氏のように積極的に立花氏に関わる理由がありません。

政治責任を問われるならそれはそれで受け入れるという姿勢のようです。同行した「民間人」のことは決して自分からは語らないという固い意志が感じられます。

立花氏の発言を信じるなら、
(A)誰かが片山氏の名前を語って立花氏を呼び出し、岸口氏と引き合わせた
(B)片山氏本人が立花氏とコンタクトをとり、直前で危険を察知した
の2通りが考えられます。

森健人氏は井戸支持派だった?

昨日の会見はいきなり質問から始まりました。会見を開く側が後攻という段取りは主催者としてどうなのかと思わなくもありません。会見は言いたい(見せたい)ことがあるから開くものだと私は理解しています。

記者に対して「聞きたいことがあるならご自由にどうぞ、何を引き出すかはそっちの腕次第」と言っているようにも思えてしまいます。党として取り繕う気はなく、世論の動向を踏まえて切り捨てにかかるのが維新の伝統芸です。冷たく晒し者にすることがあります。

長い会見でしたが、まったく場違いな23馬力質問を岩谷幹事長は「少し事案が異なるのかな」と優しくあしらいました。オールフリーはもう通用しないものかもしれません。

ところで、増山氏側近で離党済みの森健人氏のインスタに「井戸さんが来られる」との記述があるのに気づきました。反語的表現とも思えず理解に苦しむところです。

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