寒候年降雪量の最多は1994年の幌加内で25.33m

寒候年降雪量20m以上

寒候年降雪量(降雪の深さ寒候年合計)20m以上は18例あるようです。

2533cm上川)幌加内 1/11994年
2376cm青森)酸ケ湯 3/51996年
2168cm青森)酸ケ湯 5/52006年
2159cm新潟)十日町 1/11987年
2149cm山形)肘折 2/31986年
2113cm長野)野沢温泉 1/11986年
2106cm青森)酸ケ湯 1/51984年
2095cm青森)酸ケ湯 4/51999年
2089cm福島)只見 1/11983年
2088cm山形)肘折 1/31984年
2063cm新潟)湯沢 1/11984年
2037cm新潟)守門 1/11981年
2046cm新潟)安塚 1/11984年
2035cm山形)肘折 3/31996年
2035cm福島)桧枝岐 1/11996年
2029cm新潟)津南 1/12006年
2022cm青森)酸ケ湯 2/51987年
2019cm後志)倶知安 1/11970年
▲年降雪量20m以上

上位3例と今年の酸ケ湯について月別の降雪量をグラフ化しました(2025年2月の酸ケ湯は17日時点)。

寒候年降雪量TOP3の月別降雪量
気象庁>幌加内(上川地方)1994年(月ごとの値)詳細(雪)など

今年の酸ケ湯はまだかすかに20mの可能性を残しています。

積雪計で降雪量を計測できる?

雨量計は0.5ミリ単位の計測です。雨量計に溜まった0.5ミリの計測済みの雨は排出され、リセットした状態で次の0.5ミリが計測されます。これに対して、積雪計は地上からの雪面の高さを赤外線またはレーザーで測っているだけです。

時間(期間)降雪を計測するための雪板や降雪カウンターなどの機器はありますが、アメダスに設置されているのはあくまでも積雪計です。毎回リセットされるわけではない積雪計では、厳密な時間(期間)単位の降雪量は計測できません。

積雪計の観測は毎正時の1日24回です。前回の観測値から積雪量が増加していれば、その増加分を降雪量としてカウントしているようです。

気象庁>酸ケ湯(青森県)2025年1月1日(1時間ごとの値)

12月31日24時の積雪は340センチでした。1月1日の積雪は350センチですから24時間で10センチ増えています。降雪としてのカウントは1時間単位のため、この日の「降雪の深さの合計」は18センチということのようです。

で、この積算値が月降雪量、さらにその総和が(寒候)年降雪量という話になるものと思われます。

寒候年降雪量の推移

幌加内の寒候年降雪量は次のように推移しています(酸ケ湯と朱鞠内も加えました)。減少傾向があるようですので、幌加内の25mはアンタッチャブル・レコードなのかもしれません。幌加内が酸ケ湯を上回ったのは1994寒候年とその前年だけです。

幌加内、酸ケ湯、朱鞠内の寒候年降雪量

幌加内の標高は159m、隣接アメダスの朱鞠内は255mです。標高の高い朱鞠内のほうが雪は多いはずで、ほぼそういう関係性ですが、1991寒候年から1995寒候年までの5年間は幌加内が多くなっています。逆転するだけでなく、10mもの大差がつくのはちょっと解せません。

なお、アメダス幌加内は2005年に移転していますが、標高は変わりません。1994年当時は雨竜川に近いところに設置されていたようです(当時の航空写真がなく座標しかわかりませんので、画像に置いたマーカーは50m程度のズレがあるはずです)。

アメダス幌加内

25m降ったのに最大積雪深は2.47m

3地点の年最大積雪深は次のとおりです。幌加内の1994年(暦年)の最大積雪深は247センチです。

幌加内、酸ケ湯、朱鞠内の年最大積雪深

観測機器ですから積雪計もヘタれることはあるでしょう。もしそうだとすれば、常に高く(低く)測定してしまうという症状ではなく、短時間で正常に戻り再び異常となる症状を繰り返していたことになりそうです。

降水量0ミリで降雪18センチ
気象庁>幌加内(上川地方)1994年1月(日ごとの値)主な要素

降水量0ミリで降雪18センチという日もあります。ただ、この現象は他の地点でも見られていて、1994年前後の幌加内に限ったことではありません。とはいえ、「一冬で25m降ったのに最大積雪はその10分の1以下」を素直に受け入れていいものかどうか疑問は残ります。

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