上西小百合氏の除名
上西小百合氏は2012年と2014年の総選挙で比例復活当選しています。2015年3月13日の衆議院本会議を病欠して翌日から私的旅行に出かけていたとの文春砲は4月2日発売号です。4月3日に橋下氏が上西氏とともに大阪で記者会見を開き、4日には維新として上西氏の除名処分を決めます。
期待値の範囲内でスピード感のある処分を断行するのが維新の伝統芸です。
見方によってはこの会見は公開処刑です。疑惑を持たれている議員を会見に引きずり出し、橋下氏がときおり横から口を挟み、会見が終わると頭を下げている上西氏と秘書を残して橋下氏はさっさと離席しています。
来月リコール投票が実施される大木町の町議にしても、現行犯逮捕されたその日のうちに除名を決めています。接見の機会がなかったとは言い切れませんが、逮捕即日の除名は本人の言い分を聞いているのか疑問です。
「なりすまし」の中傷ビラを撒いた福岡市議が離党・議員辞職したのは2022年夏でした。当時は党勢拡大中でしたが、早期決着したことで水を差すことなく、翌2023年の統一地方選では維新の新人候補が上位当選しています。
組織を守るために個人を切り捨てることはあり得る話で、それ自体は批判されることではありません。ところが、今回はちょっと事情が違います。
民間人A氏
地方組織が開いた党紀委員会では増山氏が除名で岸口氏が離党勧告だったのを党本部がひっくり返したようです。岸口氏は肝心なことを明かしていませんので、民事裁判で反論しないのと同じことです。したがって、岸口氏が厳しい評価を下されても仕方のない話です。
だからと言って増山氏が「減刑」される理由はありません。これまで世間相場の期待値に添って素早い処分を下すことで「魔法」が成立していました。今回の「減刑」ではガス抜きにならず、ガスは充満することになります。
事前のリークで相場感を作っておいて、それより重い処分を下すことで党への支持を繋ぎ止める魂胆だろうと私は思っていました。岸口氏の除名はそれほど意外ではありませんが、増山氏の「減刑」が妥当だとは受け止められていないはずです。
それに、岸口氏は立花氏との面会で誰と同席していたのか、渡した文書を書いたのが誰なのか語っていません。そこまで隠したいどんな事情があるのか逆に勘ぐられてしまっているのが実情です。火種が残っていてガス抜き失敗では沈静化することはありません。
岸口氏が立花氏とホテルオークラ神戸で面会したのは11月1日午後6時ということです。ホテルオークラはポートタワーの近くです(青)。神戸元町商店街のアーケードにあった斎藤氏の選挙事務所から徒歩10~15分です。

朝比奈氏の会社は明石です(赤)。同日、斎藤氏は姫路駅(紫)から姫路城方面に向かう「みゆき通り」で街宣しています。私が見た動画では朝比奈氏の姿を確認できませんでしたが、時間帯次第では朝比奈氏のアリバイが成立するかもしれません。
朝比奈氏説はほぼ消えて、中国人説が浮上し、中国系資産家というところまで絞り込まれています。今週中に名前が出てくるのではないかと思われます。

岸口文書は誰が書いたのか?
片山氏の代理人弁護士は、片山氏が立花氏と「面談したこと及び話をしたことは一切ありません」との書面を11月5日に報道機関に送っているとのことです。「話をした」に電話が含まれるのかどうかが判然としません。
(A)本当に片山氏側から立花氏に接触があった
(B)立花氏が偽りで片山氏の名前を挙げた
(C)片山氏を名乗る誰かが立花氏に接触した
Aだとすると、岸口氏が渡した文書は片山氏が書いたものと考えるのが自然です。Bの線は薄いと思われます。ここで得意の嘘を言っても否定されれば終わりです。
Cは大いにあり得る話です。立花氏にコンタクトを取った際は片山氏が会う予定だった→本当に風邪が原因なのか逡巡があったのか片山氏がドタキャンした→岸口氏が代打に起用された、このストーリーが有力ではないかと私は思っています。
そうすると、文書を書いたのは岸口氏または岸口氏の関係者ということになりそうです。謎の民間人が書ける内容でもありません。10月27日、衆議院選挙の開票と同時並行でJC主催の立候補予定者討論会が開かれており、立花氏は公用PC内の「倫理的に問題がある文書」に言及しています。
立花氏が興味を持っていることを知った謎の民間人A氏が汚れ役を立花氏に委ねるために、片山氏や岸口氏を利用したと考えるとすんなり落ちます。そこまで義理のない片山氏は風邪を理由にドタキャンして、断れない岸口氏に代役が回ってきたのでしょう。
ひょっとすると岸口氏は維新の聴き取りで固有名詞を語っているかもしれません。維新としても表に出したくない名前なら、語らなかったことにするしかありません。
中国つながりはあるのか?
中国なら、気になるのは祖品氏です。祖品氏は総選挙期間の10月14日、党員資格停止中で無所属立候補していた西村康稔氏と握手しているシーンをX投稿しています。
相変わらず平日の昼間に自由行動できるようです。
【外部リンク】
■note>祖品 今日の斎藤さん in 元町(2024年10月20日)
■note>弁護士 徳永信一 【拡散希望】兵庫県の斎藤前知事は冤罪で辞めさせられました(2024年11月2日)
徳永氏のnoteに掲載されているチラシめいたものは「28 October」が最終更新とされています。知事選告示前から出回っており、立花氏のよる音声データ流出後に一層拡散が進んでいます。

竹内氏が黒幕だとする言説は岸口文書が発端ではありませんが、岸口氏(あるいは片山氏)が関与したことで一定の信頼性を付与したことには変わりありません。
なお、元県民局長の「不同意」については、岸口文書以前は見つかりませんでした。岸口文書にある「強力な人事権」の文言が立花氏に示唆を与えた蓋然性はかなり高いようです。
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