鎮圧された宮崎の山火事、なぜ熊本の防災ヘリが出動?

宮崎空港の近くなのに

25日正午前に宮崎市で発生した山火事は、幸いにも26日中に鎮圧宣言が出て、本日(27日)の雨で完全鎮火の見込みです。午前中の発生なら、当日のうちにヘリを派遣してそこそこの初期対応が可能です。日没後はヘリの消火活動ができませんから、焚き火するなら朝に限ります。

夕方に通報されてヘリを出しても、どこから水を運べるのかという問題があります。いくら非常事態といえども勝手にダムやため池から汲んでいいという話にはならないはずです。ヘリが接近することの安全上の問題もありますから管理者への連絡は不可欠です。

宮崎市鏡洲
宮崎市鏡洲(地理院タイルを加工)

山林火災が発生した宮崎市鏡洲は、宮崎空港(アメダス赤江)から至近距離です。私が接した範囲の報道では、消火に携わったヘリは熊本県の防災ヘリ自衛隊ヘリのようです。肝心の宮崎の防災ヘリはどうしたのでしょう?

宮崎県防災救急航空センター

別件で出動していたのかもしれません。自治体の防災ヘリは各県の空港に拠点があるはずです。宮崎のヘリが出払っていたのなら、次に近いのは鹿児島空港です

【2025/03/29追記】離島の関係でしょうが鹿児島の拠点は枕崎にあり、霧島市の鹿児島空港ではありませんでした。わずかながら熊本より距離的に近いことに変わりはありませんけど…。

熊本空港と鹿児島空港
熊本空港(地理院タイルを加工)

ひょっとすると、鹿児島の防災ヘリも出動済みだったのかもしれません。あるいは整備中ということも可能性としてはなくもありません。

京都市消防航空隊

韓国の山火事では消防ヘリの墜落も起きて、死者20人を超えているそうですが、そこまで至っていないのは幸運なことなのかもしれません。さて、空港がない自治体はどこに拠点があるのか気になります。京都は京都府ではなく京都市に消防航空隊があり2機の防災ヘリを持っているようです。

京都
京都(地理院タイルを加工)

ヘリポートは京阪本線沿いの京都競馬場の近くです。

京都市消防航空隊ヘリポート

機名は「ひえい」と「あたご」だそうです。

川崎市消防航空隊

横浜市消防局航空隊のヘリは「はまちどり1」と「はまちどり2」です。川崎市消防航空隊は「そよかぜ1」と「そよかぜ2」ということです。ヘリコプターに「そよかぜ」はおよそ結びつかないような気もしなくはありません。

東京ヘリポート
東京ヘリポート(地理院タイルを加工)

しかも、ヘリポートは川崎市内ではなく千葉県のほうがはるかに近い新木場の東京ヘリポートです。

東京ヘリポート

埼玉県防災航空隊

埼玉県は「あらかわ3」と「あらかわ4」の2機体制です(「あらかわ2」は2023年退役)。

ホンダエアポート
本田空港(地理院タイルを加工)

荒川中流の比企郡川島町に埼玉県防災航空センターがあります。

埼玉県の防災ヘリ

格納庫の屋根に「HONDA」のロゴが見えます。

埼玉県防災航空センター

ヘリポート東の河川敷には700m滑走路のホンダエアポートがあります。かつての陸軍桶川飛行学校の滑走路と思われます。1960年代から1970年代にかけてのHONDAには航空業界進出の野望があったようです。

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