「風が強い」のレベル
今年はすっかり山火事の当たり年になってしまったようです。児島半島・岡山市南区飽浦(あくら)の山林火災は昨日(24日)夕刻に避難指示が解除されています。下火に転じたかどうかは定かではありませんが、小康状態ではあるようです。

対岸の工場とは児島湾で隔てられており、強風注意報レベルでなければ500mの距離を飛び火することはないはずです。所詮は瀬戸内海ですから、そこまでの強風は簡単には吹きません。最悪の事態は回避されるものと思われます。
どうせ近くにダムや湖はありませんので、ヘリで海水をジャバジャバ散水するだけのことです。大船渡のケースでは、2度目の発災当日は強風でヘリが飛べませんでした。初日に延焼を許してしまったことで後手に回りました。

今回の火災発生は岡山が午後3時、今治が午後4時頃とされていますが、両地点とも当日のうちにヘリが出動しています。消火栓もなければ道もなくホースも届かない山林では消防車による消火は期待できません。
どちらも地元局のレポーターは強風を強調しますが、この地域では強いというだけのことで、ヘリが飛べないほどの強風ではなかったようです。
4地点の風速
3月の非平均風速・最大風速(10分)・最大瞬間風速(3秒)をグラフ化しました。岡山地方気象台は風速計の高さが地上70mですので、ほかの3地点より数値が高くなります。4地点ともこの1週間ほど風が強い日が続いています。




ヘリが出動できるかどうかは15~20m/s辺りがボーダーラインになるはずです。
3か月雨量
もともと雨が少ないのが瀬戸内地方ですが、この冬はとりわけ少雨です。去年12月、岡山地方気象台の月降水量は1971年11月以来54年ぶりの0ミリでした。玉野も0ミリです。12月から2月までの3か月降水量を平年値と比較してみます。

この冬の雨量は平年のおおむね3割程度です。昨日今日の短期的な湿度の問題ではなく、一定期間に渡って雨が少なかったことで地表付近の水分量が不足している状態にあります。
ざっくり調べてみると関東や九州は今月に入ってそこそこ雨が降っていますが、東海から四国にかけてと東北の太平洋側では少雨が継続しているようです。山火事の連鎖はまだ止まらないかもしれません。
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