議会も裁判も拍手は原則禁止
私は学生時代に法学部の公開科目を3科目履修して単位を取得しました。講座名は忘れましたが、前期も後期も試験では必ず議会または裁判を傍聴したときの感想を求める教授がいました。3回以上傍聴すればA、2回でB、1回でCという真偽不明の噂もありました。
年度初めの授業はもちろん、その後もたびたび傍聴の際の注意を授けられました。「音楽会や映画上映会ではないので拍手は不要、感動しようが立腹しようが静粛に」というものだったはずです。むしろ「そのときに堪えた思いを書いてくれ」でした。
私はノルマの年3回(議会、刑事、民事)行っただけでしたが、念のため都合4回行ったかのように仄めかせてAをもらった記憶があります。
傍聴に際しての裁判所の注意事項は次のとおりです(松江地裁)。

全国都道府県議会議長会の「標準都道府県議会傍聴規則」では、拍手が明示的に禁止されていますが、あくまでも「言論に対して」です。兵庫県議会の傍聴規則には拍手の文言はありません。登壇&降壇時の拍手については許容されているものと思われます。
(i)議場における言論に対し、公然とその可否を表明しないこと
(ii)談論し、放歌し、高笑し、その他騒ぎ立てないこと
(iii)はち巻きをする等示威的行為をしないこと
(iv)帽子、コートの類を着用しないこと
(v)飲食又は喫煙をしないこと
(vi)みだりに席を離れ、又は不体裁な行為をしないこと
(vii)その他議場の秩序を乱し、又は議事の妨害となるような行為をしないこと
とくに国会では登壇時の同僚議員からの拍手はありふれた日常ですので、これに乗っかったとしても直ちにアウトにはならないはずです。これに対して会派が存在しないことも多い市町村議会ではひたすら静寂だったりします。
反対討論した増山県議に対する拍手は白井県議プラス傍聴席によるものです。兵庫県議会やニコニコニュースの本会議動画では傍聴席を映していませんので面食らってしまいますが、MBSの動画は退席させられた傍聴人も映っています。
冒頭の先生から服装についても指導されていたのを思い出しました。「傍聴はスーツである必要はないけれども、カジュアルフォーマルで行くように」だったはずです。なるほどと納得した次第です。
やっぱり類友、往生際の悪さ選手権
さて、百条委員会の最終報告書を「可能性が高」の文字列で検索すると3箇所ヒットします。
元県民局長の文書は公益通報者保護法上の外部公益通報に当たる可能性が高い。(26ページ)
一連の県の対応は、公益通報者保護法に違反している可能性が高いと考えられる(30ページ)
元県民局長の文書は公益通報者保護法上の外部公益通報に当たる可能性が高く(31ページ)
斎藤氏は5日の記者会見で、これらを「可能性というからには他の可能性もある」として断固退ける姿勢を貫きました。まるで第二審での逆転判決を期待しているかのような口ぶりでした。
第三者委員会も月内に結論を出すことになっています。今度は「一定の見解が示された」ですり抜けられそうにはありませんが、何を言い出すのか私はとても楽しみにしています。
可能性で思い出すのは、増山氏の「(不同意の)可能性があると言っているだけ。可能性が高いとは言ってない」との発言です。増山氏には「可能性がある」と「可能性が高い」とはレベルが違うという認識はあるようです。
「可能性が高い」とする根拠を示せないので「可能性はある」に逃げ込むのが増山氏、「可能性が高い」と言われても「別の可能性がある」と言い張るのが斎藤氏、類は友を呼ぶもののようです。
白陵OBの片山安孝元副知事
そう言えば、増山氏が語っていた「信頼される情報源」とは、片山氏か井ノ本氏のいずれかであろうと思われます。Wikiによれば片山氏は「高砂市出身。地元の進学校白陵高校を卒業」ということです。白陵高は兵庫県内の私学としてはNo.2の進学校です。

校舎や校庭は高砂市ですが、隣接する寮は姫路市にまたがっています。兵庫県関係の主なOBは次のとおりです。
片山安孝 | 元副知事 | 1960年生まれ(中央大) |
北口寛人 | 県議、元明石市長 | 1965年生まれ(慶応大) |
岡田康裕 | 加古川市長 | 1975年生まれ(東京大) |
住吉寛紀 | 前衆院議員 | 1985年生まれ(名古屋大) |
北口氏は自民県議、岡田氏は22市長の1人です。維新の住吉氏は兵庫県議(姫路)を経て2021年総選挙で兵庫11区に立候補、比例復活で初当選しました。去年は小選挙区で2万票減らして復活できませんでした。
ほかにも千葉県知事の熊谷俊人氏、福岡2区選出の稲富修二代議士(立憲)、福岡選出の秋野公造参議院議員(公明)などが白陵の卒業生です。
岸口氏サイドから立花氏に手渡された怪文書には、亡くなった元県民局長と竹内県議が姫路西高OBとの記述があります。白陵高OBには片山氏の敵のほうが多そうです。同窓であるという理由で2人がつるんでいたとは書きにくい立場です。
片山氏も5日に「公用パソコン内の文書の必要部分について自主的な開示を知事に求めたい」とのコメントを出して、往生際の悪さ選手権にエントリーしています。
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