地方紙の社説
地方紙の社説をざっくり覗いてみました。ローカル紙が社説で他県の出来事に言及することはあまりありません。一般的にはせいぜい隣県止まりです。そもそも読者の関心が薄く、執筆側もあえて踏み込もうとはしないものですが、このところ兵庫県が大人気です。
もちろん、1995年の阪神・淡路大震災や1997年の小学生連続殺害事件、2015年以降の山口組分裂に伴う諸抗争など他県の地方紙が兵庫県を扱ったことはあったはずです。これらに匹敵する「事件」になりつつあるようです。
【外部リンク】
■北海道新聞>兵庫百条委報告 疑惑認定の結論は重い(3/6)
■東奥日報>斎藤知事は丁寧な説明を/兵庫百条委報告書(3/5)
■山形新聞>兵庫百条委報告書 知事は再度説明尽くせ(3/5)
■信濃毎日新聞>兵庫百条委報告 知事は指摘を直視すべきだ(3/6)
■中国新聞>兵庫百条委報告書 知事の開き直り、目に余る(3/7)
■山陰中央新報>鳥取県の「2馬力」対策 選挙の「抜け穴」ふさげ(3/5)
■熊本日日新聞>維新県議の不祥事 民主主義の土台ゆがめた(3/4)
ほかにも、京都新聞「兵庫百条委報告 知事の告発つぶし指摘」(3/6)、愛媛新聞「兵庫百条委最終報告 知事は言動省み説明尽くさねば」(3/7)、佐賀新聞「兵庫百条委報告書 報告尊重し説明尽くせ」(3/5)などがあります。
直接の利害関係や思惑が絡まない地方紙の視点は、ある意味「第三者」です。トーンは一致しており、とりわけ会見後の6日付以降の論調が斎藤氏に対してより厳しいものになっています。結局、5日の会見でさらに追い詰められたことになります。
【外部リンク】
■読売新聞>兵庫百条委報告 知事は責任の重大さ自覚せよ(3/6)
■朝日新聞>百条委報告書 斎藤氏は責任を免れぬ(3/5)、斎藤氏の会見 知事の資質 改めて問う(3/7)
■日本経済新聞>斎藤知事は百条委報告に向き合え(3/8)
■産経新聞>兵庫の百条委報告 知事は責任をどう考える(3/6)
■神戸新聞>百条委報告書/県政の混乱収拾につなげねば(3/6)
中日新聞(東京新聞)や河北新報、西日本新聞がスルーするのはエリア外の話ですから不思議ではありませんが、なぜか毎日新聞もノータッチです。もちろん、全国紙だからといって触れねばならない義務はありませんけど…。
【2025/03/13追記】3月12日付で毎日新聞は「兵庫知事の疑惑認定 反省の色も見せぬ無責任」、西日本新聞は「議会の百条委 調査権の重み受け止めよ」と題する社説を掲げました。
3/8信教の自由を考える千葉集会
昨日、千葉市文化センター3Fアートホールで「オールドメディアが取り上げない真実」をテーマとする「信教の自由と人権を考える千葉大会」が開催され、徳永信一弁護士の講演に続いて立花氏が登壇しています。その後、両者を含めた4人で「対談」が行われています。

司会者は立花氏を次のように紹介しています。
続きまして、NHKから国民を守る党・立花孝志党首にご登壇いただきます。立花党首は昨年兵庫県議会で不信任決議を受けた斎藤元彦知事の出直し選挙である兵庫県知事選に出馬し、オールドメディアが伝えない様々な情報を兵庫県民にSNSや街頭演説で提供しました。その結果、当初の結果を覆して、斎藤元彦知事が当選したのは記憶に新しいところです。本日はオールドメディアと戦う立花党首にお話をいただきます。
「当初の結果」では意味が取れませんので、原稿は「当初の予想」あるいは「当初の情勢」になっていたものと思われます。この集会は15時終わりです。千葉県知事選候補の立花氏はこのあと大阪に移動して梅田で演説しています。
この両者のジョイントは双方にとって必ずしもプラスに働くとは限りません。とりわけN党側では一定の離反を引き起こしかねません。全国比例で固い数万票を得てもそれ以上の離反が生じたら差し引きはマイナスです。
もともとあまり失うものがなさそうな旧・統一教会(統一協会)側にしても、刑法犯はいないという拠り所を失うことになりかねません。それ以前に、岸口氏の名前さえゲロった立花氏と組もうというセンスが理解できません。
エイト氏の「敗訴」とは
立花氏の前に登壇した徳永氏の話の多くは鈴木エイト氏の「敗訴」についてです。法曹資格を持たないのに「法律のプロ」を自称する立花氏もそこから話を始めています。
旧・統一教会(統一協会)の信者で「拉致監禁」被害を主張している後藤徹氏が、鈴木エイト氏に1100万円の損害賠償を求めて名誉毀損で東京地裁に提訴したのは2023年秋です。この裁判は今年1月31日に一審判決が出されました。
判決は一部でエイト氏の名誉毀損を認めて、エイト氏に11万円の支払いを命じています(双方控訴)。一部とはいえ原告側からすれば「勝訴」に違いありませんが、金額的には1%の「勝訴」です。
福岡や富山や大阪の裁判では教団サイドが負け続けています。内輪の集会ですから連敗脱出を誇りたいのもわからなくはありませんが、夏か秋には結審する係争中の案件をことさらに取り上げると、「1%勝訴」に満足しているのかという話にはなりそうです。
なお、集会の主催は「信教の自由と人権を考える宗教者連絡会」及び「信教の自由と人権を守る千葉県民の会」ということです。同様の名称の「◯◯県民の会」は他県にもあります。
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