光本圭佑・尼崎市議
尼崎でも百条委員会が開かれていたようです。

光本圭佑氏の選挙公報の学歴記載は「武庫北小出身。甲南大学法学部卒業」です。地方議員選挙の公報に出身小が記載されるのは珍しいことではありません。尼崎市議会の議員定数は42で、偶然にも市内の小学校も42校です。

武庫北小学校付近は一般的な尼崎のイメージとは明らかに毛色が異なる住宅地です。「維新塾1期生」の光本氏は2013年初当選です。
年 | 順位/定数 | 得票 | 最下位 |
2013 | 当 6/42 | 4,711 | 2,088 |
2017 | 当 2/42 | 4,770 | 2,083 |
2021 | 当 2/42 | 5,857 | 1,913 |
前回2021年の市議選で3選を果たした光本市議は維新会派の幹事長でした。
辞職勧告決議を3回スルー
着服案件は業務上横領と有印私文書偽造などで2023年に起訴されています。それほど複雑な事案とは思えませんが、まだ判決は出ていないようです。百条委員会ではそれ以外を調査していたということです。
- 2019/9~2021/9 偽造領収書などで政治活動費約200万を着服
- 2021/06/06 光本市議が2位で3選、維新は2.5倍増の10議席獲得
- 2021/06/29 PC購入代金として会派の政治活動費から現金75万円を出金(A)
- 2021/08/22 光本市議が76万0330円分でPC6台&ルーター5台を購入
- 2021/09/24 光本市議が領収証と納品書を提出し、76万0330円を受領
- 2021/11/02 会派広報紙の印刷及びポスティング費用として204万8265円を出金(B)
- 2022/03/23 現金75万円が光本市議から返金(A)
- 2022/03/31 現金204万8265円が光本市議から返金(B)
- 2022/04/20 会派内政務活動費250万円の出金(C)、図書代6万円の出金(D)
- 2022/05/31 会派広報紙の印刷費用として81万4400円を出金(E)
- 2022/06/06 会派団長の安浪市議から250万円が返金(C)
- 2022/06/07 維新市議が現金81万4400円を口座に返金(E)
- 2022/06/09 現金6万円が光本市議から返金(D)
- 2022/06/14 光本市議が離党届を提出、維新は受理
- 2022/06/17 兵庫維新の会が光本市議の離党届受理を取り消して除名)
- 2022/06/28 全会一致で議員辞職勧告決議、政務活動費制度検証委員会設置
- 2022/08/05 議会事務局長が光本市議を告発
- 2023/04/13 神戸地裁尼崎支部が光本市議の自己破産開始を決定
- 2023/06/30 全会一致で議員辞職勧告決議(2度目)
- 2023/10/12 光本市議が書類送検(12/06在宅起訴)
- 2023/11/10 政治倫理審査会が議員辞職勧告相当との審査結果
- 2023/11/29 全会一致で議員辞職勧告決議(3度目)
- 2024/05/27 光本市議を除く全議員で神戸地検に実刑判決を求める嘆願書提出
- 2024/05/28 政務活動費制度検証特別委員会
- 2024/10/08 尼崎市議会に百条委員会設置
- 2025/03/17 百条委員会が議員辞職を求める報告書をまとめる(21日の本会議で了承予定)
Aの75万円は年度末に返金されていますが、9か月間「二重取り」の状態です。Bの約205万は使わなかっただけと言えなくもありません。CとEは本人からの返済ではありませんので、維新内部で処理した結果の「代位弁済」的なものかもしれません。
自己破産していることから資金繰りの関係で自分の口座に移していたような印象を受けますが、刑事訴追の恐れがあるとしてクリアな証言は得られなかったということです。除名から3年、任期を全うしようとしています。次期選挙は6月15日投開票の予定です。
【2025/03/21追記】市議会最終日の本日、光本市議は議員辞職しました。次期選挙には出ないようです。
「政治家女子48党」の源流
維新とN党の親和性を示すのが埼玉県上尾市議の佐藤恵理子(えりい)氏です。佐藤氏は2019年参院選に埼玉選挙区からN党公認で出馬し、半年後の市議選で初当選しています。
年 | 順位/定数 | 得票 | 最下位 | 党 | |
参・埼玉 | 2019 | 落 7/4 | 80,741 | 359,297 | N |
上尾市議 | 2019 | 当 28/30 | 1,383 | 1,217 | N |
上尾市議 | 2023 | 当 30/30 | 1,182 | 1,182 | 無 |
市議選の直前に講談社から写真集「グラビア界をぶっ壊す!」を出版していますが、個人的なルートでN党は噛んでいないものと思われます。佐藤氏は2022年の参院選を機にN党を離党します。直接のきっかけは現職の地方議員に対して参議院選挙出馬を指示されたことのようです。
「辞書して参院選出馬」とは「辞職して参院選出馬」の誤字です。立花氏が求めているのは参院選の得票率です。佐藤氏は参院選出馬を拒んで市議を続け、離党の翌年に維新に入ります。元N党を受け入れるとすれば維新ぐらいでしょう。
佐藤氏は別垢で「露出高め」の写真を販売しており、これを文春が報じて維新が「非公認」処分としたのは改選の半年前です。結局、佐藤氏は無所属で最下位当選でした。N党の「政治家女子48党」への党名変更はその年の3月ですので、佐藤氏の成功例をモデルにしたものと思われます。
なお、尼崎市議会では2017年にN党公認の武原正二氏が2780票で当選しています(2021年は不出馬)。選挙ドットコムではN党扱いされていませんけど…。

1人暮らしの多い都市部近郊がN党の主戦場です。
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