ほぼ解決、敦賀測候所の移転は1940年の1度だけ?

アメダス敦賀の移転前

敦賀測候所の移転前の所在地が(漠然と)わかりました。

験震時報
「験震時報 第65巻別冊」 地震観測業務履歴 東京管内(中部・三重県) 258ページ

1897年創立時は敦賀町川崎区(1937年の市制施行で敦賀市川崎)、1940年に松島に移転しています。松島の緯度経度は現在地と同一であることから、どうやら移転はこの1回だけのようです。

もちろん庁舎は建て替えられていますので、敷地内での露場移転はあったでしょうが、観測値に影響を与えるほどの移転距離ではないわけです。むしろ周囲の市街化のほうが深刻です。

あいにく移転前の「敦賀町川崎区211番地」あるいは「敦賀市川崎201番地」をピンポイントで特定することはできませんが、川崎町が現存します。

川崎町
川崎町(地理院タイルを加工)

次の地図のピンクの線が川崎町と結城町あるいは松栄町との町域境です。水色の線より北側は戦後の埋立地です。

1940年移転前の測候所
移転前(地理院タイルを加工)

推定標高7.5mということは、切土か盛土によって現状が7.5mでないことを意味しているはずです。そうすると、自動的に赤マーカー付近に限定されます。

須崎の高灯籠

移転前?

1940年までこの石垣上に測候所があったものと思われます。海のすぐ近くだったことになります。敦賀観光ホテル前庭の高灯籠は、1802年に建てられた日本海側では最古の現存する石積灯台だそうです。このホテルの裏側に当時の測候所があったようです。

須崎の高灯籠

敦賀測候所は1897年10月創立ですが、嶺北の福井測候所(→現・福井地方気象台)は同年1月です。福井県の測候所は県議会で2度否決されており、100名を超える死者・行方不明者を出した1895年の水害を契機に予算が認められたようです。

敦賀
敦賀(地理院タイルを加工)

敦賀測候所の無人化は2005年です。

9勝94敗→22勝2敗

敦賀の最高気温は1917年と1918年に観測された37.6℃です。去年は37.5℃まで迫りましたが、100年以上前の記録を更新するには至りませんでした。このため、移転前の所在地を知りたかったわけです。私の予想に反して海岸寄りでした。

熱帯夜の日数が冬日の日数を上回るようになったのは1990年代です。2000年以前は熱帯夜の9勝94敗で、21世紀は22勝2敗です。

敦賀の冬日と熱帯夜
気象庁>敦賀(福井県) 年ごとの値 詳細(気温・蒸気圧・湿度)

2024年の観測値は次のとおりです(2021~2023年)。

年降水量2364.0ミリ347位/1285地点
年平均気温17.1℃250位/916地点
年最高気温37.5℃211位/916地点
年最低気温-1.1℃115位/916地点
年較差38.6℃749位/916地点
年平均風速4.2m/s71位/915地点
年日照時間1723.2時間616位/843地点
▲敦賀の2024年観測値

年平均湿度をグラフ化してみました。これはこれで面白そうです。

敦賀の平均湿度

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