兵庫県は「人口減少ワーストクラス」だったのか?

斎藤元彦氏初当選時の選挙公報

2021年7月知事選で斎藤氏が初当選したときの選挙公報です。

斎藤元彦2021年選挙公報

「2未来を創る」を拡大します。

人口減少ワーストクラス

兵庫県が「人口減少ワーストクラス」だという認識が私にはありません、ほら。

2021年都道府県別人口増減率
総務省統計局>人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)

兵庫県の2020年人口増減は47都道府県中10位、2021年が14位です。けっしてワースト組ではありません。おそらく人口減少に着目して「人口減少ワーストクラス」と言っているのだと思われます。

ワーストから一転した?

そこで、2020年国勢調査人口と2015年国勢調査人口の増減を求めてみました。

2020年国調2015年国調増減数
8北海道5,224,6145,381,733-157,119
15新潟県2,201,2722,304,264-102,992
21福島県1,833,1521,914,039-80,887
31青森県1,237,9841,308,265-70,281
7兵庫県5,465,0025,534,800-69,798
32岩手県1,210,5341,279,594-69,060
10静岡県3,633,2023,700,305-67,103
30長崎県1,312,3171,377,187-64,870
38秋田県959,5021,023,119-63,617
27山口県1,342,0591,404,729-62,670
24鹿児島県1,588,2561,648,177-59,921
36山形県1,068,0271,123,891-55,864
17岐阜県1,978,7422,031,903-53,161
16長野県2,048,0112,098,804-50,793
28愛媛県1,334,8411,385,262-50,421
11茨城県2,867,0092,916,976-49,967
23熊本県1,738,3011,786,170-47,869
22三重県1,770,2541,815,865-45,611
12広島県2,799,7022,843,990-44,288
34大分県1,123,8521,166,338-42,486
19栃木県1,933,1461,974,255-41,109
40和歌山県922,584963,579-40,995
29奈良県1,324,4731,364,316-39,843
45高知県691,527728,276-36,749
44徳島県719,559755,733-36,174
35宮崎県1,069,5761,104,069-34,493
18群馬県1,939,1101,973,115-34,005
20岡山県1,888,4321,921,525-33,093
13京都府2,578,0872,610,353-32,266
14宮城県2,301,9962,333,899-31,903
37富山県1,034,8141,066,328-31,514
39香川県950,244976,263-26,019
42山梨県809,974834,930-24,956
46島根県671,126694,352-23,226
33石川県1,132,5261,154,008-21,482
41佐賀県811,442832,832-21,390
47鳥取県553,407573,441-20,034
43福井県766,863786,740-19,877
3大阪府8,837,6858,839,469-1,784
26滋賀県1,413,6101,412,916694
9福岡県5,135,2145,101,55633,658
25沖縄県1,467,4801,433,56633,914
4愛知県7,542,4157,483,12859,287
6千葉県6,284,4806,222,66661,814
5埼玉県7,344,7657,266,53478,231
2神奈川県9,237,3379,126,214111,123
1東京都14,047,59413,515,271532,323
▲2020年と2015年の国勢調査人口

人口順位7位の兵庫県は人口減少としては全国5位ですので、「人口減少ワーストクラス」と言えないわけではありません。5年間で7万人減り続けると2412年にゼロになってしまいます。

兵庫県推計人口の推移
Tableau Public>兵庫県統計課作成の推計人口と世帯数の推移

赤の縦線は斎藤氏の就任時です。「一転」どころかカーブは急になっているように私には見えます。「公約達成率98.8%」で着手できなかったのは、女性副知事の登用と30人学級の2項目だったはずです。どうやら「一転」は公約としてカウントされていないようです。

パレード協賛金疑惑

第三者委員会の調査報告書が発表されました。私がもっとも関心を持っていたのは優勝パレード疑惑です。報告書記載の時系列は次のようになります。

  • 9/22 パレード実務を担う兵庫県のプロジェクトチームが発足
  • 11/9 産業労働部が財政課に対して補助金1億円の予算要求
  • 11/10 (パレード担当の総務課長が不眠を訴える)
  • 11/14 財政課長査定後、片山氏が4億円程度で事業設計するよう課長に口頭で指示
  • 11/16 産業労働部が補助金を4億円に増額して予算要求
  • 11/17 補助金3億7500万円で財政部長査定
  • 同日 15時過ぎに大阪府から兵庫県に2000万円不足との連絡があり片山氏にも伝えられる
  • 11/21 知事査定で補助金は4億円に増額決定
  • 同日 片山氏が丹陽信金を訪問し同信金の理事長が協賛金を応諾。この際、片山氏は補助金に言及せず
  • 11/23 優勝パレード開催、開催後11信金から1950万の協賛金
  • 12/8 (総務課長がプロジェクトチームから外れる)
  • 12/13 補助金4億円を盛り込んだ補正予算案が県議会で可決・成立
  • 24/1/26 (総務課長が病気休暇に)
  • 4/20 (総務課長が自殺)

第三者委員会の報告書は、片山氏が補助金増額を支持したのが14日で、大阪府から2000万ショートの連絡が来たのが17日であるという先後関係に着目して背任についてシロ判定しています。

片山元副知事が本件補助金の予算額の増額を支持した際には、各信用金庫に対して本件パレードの協賛金として2000万円の拠出を依頼する意思をまだ有していなかったことが認められた。したがって、本件パレードの協賛金と本件補助金との間に「キックバック」や「見返り」の関係は認められなかった。

「発注者A、元請B、下請C」の関係が恒常的であるとき、Aの担当者がBに、Bの担当者がCに、過分に儲けさせることがないわけではありません。「困ったときには無理を言うけどよろしく」の含みを持たせたものです。

補助金増額を決めたばかりの信金なら協賛金の追加拠出に応じてくれるに違いないと、ある程度の勝算を持って片山氏は信金を訪問したはずです。そういう関係にあるなら、見返りの約束があったにしてもその旨の証言は期待できるはずがありません。

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