稲村和美氏のリハック発言は「県庁の立て直しが急務」

ReHacQ討論会

姫路市政治倫理審査会への出席を拒む高見千咲市議は、調査事項に対してメールで次のように回答しています(「審査結果報告書」8ページ)

後段の稲村氏の件については、リハック討論会のURLが示されているだけです。「何分何秒でこう発言しているでしょ、ほら」という指摘ではありません。

おそらくこれを勘違いしたに違いないという場面がないわけではありません。「有権者にもっとも訴えたいこと」の問いに対して、稲村氏は次のように発言しました。25分49秒の場面です。

やはり県庁の立て直しがまず第一、急務だと思っています。先ほど、前知事・井戸県政のときもちょっとこの忖度というか、長く続いていた中での風通しが課題だったんじゃないかなとお話しました。ところが、斎藤県政になってもう1つ風通しが悪くなってしまった、これ本当に残念だと思っています。私は職員がしっかりと安心して物が言える、風通しの良い県政で力が発揮できる組織にしていきたいというふうに思っています。具体的には知事や議員も対象としたハラスメント防止条例の制定、また知事の顔色じゃなくて、県民そして地元のほうをしっかりと向いて仕事をする、そんな職員こそが評価をされる新しい人事制度の導入にも取り組みたいというふうに思っています。

長々と引用しましたが、最初の1行が肝心です。

✕「庁舎の建て直し」、○「県庁組織の立て直し」

キーワードは「県庁のタテナオシ」です。この場合の「県庁」とは県庁舎ではなく県庁組織(あるいは県政)です。ということは、「タテナオシ」は「建て直し」ではなく「立て直し」に変換しなければなりません。

西脇良輔弁護士も指摘しているように、この早トチリしか考えられません。この討論会で稲村氏が庁舎の立て直しに言及する場面はありませんから…。

冒頭のワンセンテンスだけ聞けば、稲村氏が庁舎建て替え推進派であるかのように誤解することは可能です。もちろん全員ではありませんが、斎藤氏や立花氏の支持者たちにとってはXの140字でも長すぎるのです。おそらく悪意はないのだろうと私は思っています。

あとに続く発言では庁舎の話はしていませんが、斎藤氏支持者としては県庁組織の風通しが悪いと認めたくはありません。都合の悪いことには耳を閉ざす習慣があるなら、何も入って来ないという状況に陥ってもそれほど不思議ではありません。

察するに、一応は偏差値50以上の高校に合格して卒業もしている高見氏は、今では自分の誤解に気づいているはずです。それなら訂正するなり削除するなりして一件落着にすればいいわけですが、それができないのは単に社会人としての未熟さでしかありません。

先日の記者会見では高見氏は次のように語っています。

●稲村候補側からの削除要請があった場合は削除しようと思いますが…。(28:05)
●事実でないと認定されているのを今知りました。報告書には記載されていないことなので。ただ、それに対しても私は弁護士に相談してますけれども、合理的な推論であったというふうに弁護士からはアドバイスを受けていますので…。(31:01)

「合理的な推論」であるとアドバイスしてくれた弁護士の名前は秘匿されなければならないのでしょうか。

「通達」が文書とは限らない

発端となった「通達」投稿は(A)でしたが、私はたぶん(B)の意味だと思っていました。
(A)県警の内部では…通達されていたと聞いた
(B)県警の一部では…指示されていたと聞いた

一般的には「通達」と言えば文書を想起します。警察関係では「訓令」と言うようですが、口頭なら「通達」とは呼ばないはずです。高見氏の国語能力では口頭での「通達」もあり得るのかもしれません。高見氏は「議決」を「判決」と言い間違っています。

もし兵庫県警に組織ぐるみで候補者の1人を支援する習慣があったとしても、わざわざ文書として残すはずがありません。あり得ない話です。巡査長が部下の巡査に特定候補への投票を「お願い」することは考えられます。プライベートな場なら必ずしも否定し切れません。

●警察と仕事というか活動で関わりがある方というのはちゃんとはっきりしている、身元のはっきりしている方からのお話でした。私自身、信憑性があると判断しまして、その内容が市議になると県の管轄の警察のことについては手出しができないというところもありまして、何かこれを世間の皆様にも知ってほしいなと、自分1人で抱えている情報ではないなと思ったので発信したというところがあります。(9:05)
●私が発信したのはあくまでもこういうふうな話を聞いたんだがという、断定的な口調では書いていないものになるんですね。また、本部長のほうが否定されてましたけれども、私の発信は本部長のから通達があったとも言っていないですし、県警の中の一部の人だったかもしれないし、一部の部署だったかもしれないですね。それは私自身もわからない部分になるんですけれども、それを警察内で調査も何もせずに本部長のほうが否定されたことに対しても疑問を抱いていますし、それを削除するというのは警察からの言論弾圧になるのではないかと思いまして、それで削除する意味はないのかなと判断しました。(10:33)
●事実としてそういう動きがあったということを考えると、県警内で今後もそういった動きがあったら問題だと思うので、そういうところの注意喚起になったかなと思うので、はい。(17:18)
●私が聞いたのは1名なんですけれども、その方は複数名に確認されたと言ってました。(29:54)
●私のソース元自身は現役の警察官ではないですけど、その方が聞いたのは現役の警察官です。(30:26)

身元のはっきりしている方

斎藤氏や立花氏やその支持者には日本語が通じないと実感することが多いはずです。高見氏の場合も彼女が使っている「通達」や「身元のはっきりしている方」が何を示すのか、いちいち確認する必要がありそうです。

高見氏がたとえば立花孝志氏や二代目竹中組の組長を「身元のはっきりしている方」として認識するのかどうか質問してほしかった気がします。ちなみに、私は「身元はっきりしている」という理解です。

二代目竹中組

●削除要請は私には来ていないんです。抗議はあったそうなんですけど、それ自体私には直接届いていないものになるんです。いろんなところを介してなので、どこでどうなったのかわからないんですけれども、私は削除しろと言われたことは記憶にないですね。(9:54)
●県連から私に直接はまったくなくてですね、県連から姫路市支部の支部長に連絡があり、支部長から私の母に連絡があったんですけれども、少なくとも支部長から母に対しては口頭での説明なので、文書として何があったのかわかりませんし、どういうニュアンスで具体的にどういう内容だったのか聞いておらず、ただ抗議があったとだけ私は聞いているんです。(18:01)

兵庫県警の削除要請(あるいは苦情)について、県警→県連→姫路市支部→(後援会の会計責任者?)実母という流れで連絡が入ったようです。

通常のビジネスシーンで、たとえば取引先から本社の取締役に連絡があり、それが所属部署なり営業所なりに降りて来たとして、その電話を事情をよく知らない者が受けた場合、折り返して内容を確認するのが一般的社会人の対応です。

何を求められているのか確認せずに放置するのが不思議でなりません。削除要請として報道されているのに、直接聞いていないから対処していないという言い訳が通用するものではありません。所詮、1期目の市議は玉石混交です。

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