その後の社説
社説リンクの第2弾です(→第1弾)。
【外部リンク】
■読売新聞>兵庫第三者委 知事の資質欠如は明らかだ(3/20)
■神戸新聞>第三者委報告書/知事は非を認めるべきだ(3/20)
■沖縄タイムス>兵庫第三者委「違法」認定 責任回避は許されない(3/21)
■朝日新聞>斎藤兵庫知事 自らの非と責任 認めよ(3/22)
■信濃毎日新聞>兵庫の第三者委 知事は違法性を認めよ(3/22)
■山形新聞>兵庫知事の疑惑、第三者委調査 自身の責任明確にせよ(3/22)
■高知新聞>【公益通報制度】告発者守られる見直しを(3/23)
■山陰中央新報>兵庫知事の疑惑調査 自身の責任明確にせよ(3/23)
■大分合同新聞>兵庫知事の疑惑調査 自身の責任明確にせよ(3/23)
■北海道新聞>兵庫県第三者委 知事は責任認め謝罪を(3/24)
■静岡新聞>兵庫知事調査報告 自らの非 認めないのか(3/26)
■読売新聞>改正公職選挙法 ポスター規制で終わらせるな(3/27)
■しんぶん赤旗>兵庫県知事の会見/法律違反認め謝罪し職を辞せ(3/27)
■新潟日報>兵庫第三者委報告 現実直視し適切な対応を(3/28)
■京都新聞>公益通報の処分 兵庫知事は違法認めよ(3/28)
■神戸新聞>知事の見解/責任認めて自らの処分を(3/28)
■朝日新聞>斎藤兵庫知事 組織の長として失格だ(3/29)
■毎日新聞>「違法」認めぬ兵庫知事 トップの任に値するのか(3/29)
■産経新聞>兵庫県知事 「違法」の責任を直視せよ(3/29)
■高知新聞>【ポスター規制】選挙の自由と公正守れ(3/29)
■中日新聞>斎藤兵庫県知事 自ら進退決するべきだ(4/3、東京も同一)
3/23の山陰中央新報と大分合同新聞の社説が(ログインなしで読める範囲では)同一です。知らなかったわけではありませんが、どうやら共同の配信記事を社説として掲げているようです。今回はログインしないと読めないページへのリンクを避けました。
東京新聞は中日新聞東京本社が発行していますので、両者の社説は同一です。同社の社説が兵庫県政に言及するのは3月以降では初めてのことです。
辞職しない人たち
国会議員にせよ、非議員の閣僚にせよ、首長や地方議員にせよ、逮捕されたからといって辞職しなければならないルールはありません。強制捜査の着手や逮捕や起訴を契機に辞職するのが一般的ですが、そうでないケースもないわけではありません。
裏金事件の池田佳隆氏は逮捕日に離党届を提出、自民党はこれを受理せず同日付で除名しましたが、起訴されても議員辞職していませんし、公の場では何の説明もしていません。昨年10月の総選挙まで議員を続けました。
2023/12/27 | 東京地検特捜部が強制捜査 |
2024/01/07 | 池田氏を政策秘書が逮捕 |
〃 | 自民党が池田氏を除名 |
2024/01/26 | 東京地検特捜部が起訴 |
2024/02/06 | 東京拘置所から保釈 |
同じ裏金事件の大野泰正氏は在宅起訴の段階で自民党を離党しましたが、参議院議員はまだ続けています。今夏の選挙で改選です。
2023/12/28 | 議員会館や議員宿舎を強制捜査 |
2023/12/29 | 地元事務所と自宅を急性捜査 |
2024/01/19 | 在宅起訴 |
2024/01/19 | 自民党を離党 |
これに対して、菅原一秀氏は意外にあっさり大臣を辞任しました。議員は続けていましたので不起訴処分で衆院厚労委筆頭理事として「復権」しましたが、検察審査会が起訴相当を議決したことで情勢が変わりました。
下手に裁判で争うより3年の公民権停止を受け入れたほうが賢明という判断だったのでしょう。通常の公民権停止期間は5年です。略式ですから検察から議員辞職すれば3年に短縮するとの言質があったものと思われます。
2019/10/25 | 文春砲で経産大臣を辞任 |
2020/06/25 | 東京地検特捜部が不起訴処分 |
2021/02/24 | 検察審査会が「起訴相当」の議決 |
2021/06/01 | 自民党を離党、議員辞職 |
2021/06/08 | 東京地検特捜部が略式起訴 |
2021/06/21 | 罰金40万円・公民権停止3年の略式命令 |
菅原氏は公民権停止3年の期間を満了して昨年の総選挙に再出馬しましたが次点に終わりました。
美濃加茂市長の前例
今後、斎藤氏が逮捕・起訴されることがあっても、知事を辞職するという展開は訪れないのではないかと思われます。現・美濃加茂市長の藤井浩人氏は1984年7月生まれです(藤井氏の弁護人は郷原信郎氏が務めています)。
- 2010/10 藤井氏が1602票で市議選トップ当選
- 2013/05 現職市長が病気療養を理由に辞職
- 2013/06 自民推薦の副議長を破って当時の全国最年少市長に(1万1394票vs9138票)、当選後自民党に入党
- 2014/06 市議時代の事前収賄容疑で逮捕、自民党から除名処分
- 2014/07 名古屋地検が起訴
- 2014/08 9月定例会で問責決議案可決、名古屋拘置所から保釈
- 2015/01 名古屋地裁で贈賄側に別件の詐欺と合わせて懲役4年の実刑判決
- 2015/03 藤井氏の1審判決は無罪
- 2016/11 2審は懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金30万円の逆転有罪判決
- 2016/12 藤井氏が市長を辞職
- 2017/01 出直し市長選で再選(1万9088票vs4105票)
- 2017/05 本来の任期満了で市長選告示、無投票当選
- 2017/12 最高裁が藤井氏の上告を棄却して有罪確定、藤井氏は市長を辞職
- 2018/01 市長選では藤井氏の後継指名を受けた元副市長の伊藤氏が当選
- 2020/12 藤井氏の執行猶予が満了
- 2021/11 藤井氏が名古屋高裁に再審請求
- 2022/01 市長選、藤井氏が自公推薦の伊藤氏との直接対決(1万6307票vs8325票)を制して返り咲き
このように逮捕・起訴されても市長を続けることは可能です。藤井氏が辞職したのは残り任期1年で逆転有罪判決を受けたときと有罪確定の際です。当選無効とならない限り、辞職は任意です。斎藤氏が公選法違反で逮捕・起訴されても最高裁まで争えば任期一杯引っ張れるわけです。

現役知事の逮捕は2002年の徳島と2006年の和歌山ですが、徳島では逮捕から11日後、和歌山は17日後の辞職でした。知事が逮捕されて長らく座ったというケースは前例がありません。和歌山の場合は年末選挙を避けたいという事情もありそうです。
勾留中は定休日の道の駅で蕎麦を食すことはできませんが、起訴されても勾留が解ければ刑事被告人になるだけですので、公務に支障が出るわけではありません。もはや居座ることを前提とすべきでしょう。
本人の判断で辞めることがない以上、リコールか不信任という話になります。リコールは現実味がなく、もはや再度の不信任しかありません。次回定例会は6月開催ですが、議員4分の1以上の請求で臨時会を開くことができます。招集義務者は知事です。
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