信濃毎日新聞と京都新聞の社説が斎藤氏辞職を主張

責任論から進退論へ

社説リンクの第3弾です(→3/9第1弾、4/4第2弾)。

【外部リンク】
■中日新聞>取材源の調査 知る権利脅かす暴挙だ(4/17、東京も同一)
■日本経済新聞>兵庫県は告発者の処分撤回を(4/18)
■山梨日日新聞>兵庫知事改めないなら辞職を(4/29)
■信濃毎日新聞>兵庫の刑事告発 「知る権利」が損なわれる(5/16)
■毎日新聞>兵庫知事が「漏えい指示」 もう言い逃れは許されぬ(5/28)
信濃毎日新聞>斎藤兵庫県知事 過ちを認め辞職すべきだ(5/28)
■読売新聞>兵庫漏えい問題 告発者の人格を貶める卑劣さ(5/29)
■朝日新聞>斎藤氏の責任 進退が問われている(5/29)
■産経新聞>兵庫県の情報漏洩 斎藤知事は進退の判断を(5/29)
■北海道新聞>兵庫県知事 「漏えい指示」責任重大だ(5/29)
■中国新聞>兵庫知事「漏えい指示」 自ら進退を決するべきだ(5/29)
■神戸新聞>私的情報漏えい/知事は自らの責任直視を(5/29)
京都新聞>兵庫知事「漏えい」 責任認め職を辞すべき(5/30)
●山形新聞>兵庫知事と情報漏えい 県政率いる資格あるか(5/30)
●佐賀新聞>兵庫の情報漏えい 県政率いる資格はない(5/30)
●大分合同新聞>兵庫の情報漏えい 県政率いる資格を疑う(5/30)

第1弾は3月9日付の集約です。県議会百条委員会の最終報告を受けたものでした。第2弾は3月県議会が終わり、第三者委員会が最終報告書を発表した後の4月4日付で集約しました。3月前半は丁寧な説明を尽くせという責任論が主流でした。

3月中の社説には、まだ「進退」を問う見出しが踊ることはありません。3/27の赤旗が一般紙の社説に相当する「主張」欄でダイレクトに「職を辞せ」との見出しを掲げましたが、赤旗は日本共産党中央委員会が発行する政党機関紙です。

ついに辞職論が台頭

一般紙は「資質欠如」(3/20読売)、「失格」(3/29朝日)という見出しが並び始めましたが、直接に「自ら進退決するべき」としたのは4/3の中日新聞が最初です。そして、4/29の山梨日日新聞がストレートに「辞職を」の見出しを社説に掲げます。

ただ、「改めないなら」の前提付きです。山梨日日新聞の社説は会員登録しないと見出ししか閲覧できません。5/28の信濃毎日新聞は「辞職すべき」としており、本文を読んでももう前提がありません。辞職を迫ることに何の迷いもありません。

不正をただそうと声を上げた職員を、法に従って守るどころか、おとしめていた。漏えいを指示した可能性が、県政トップに浮上している。行政組織を率いる資質に欠けることは、今回の報告書で決定的である。斎藤氏は自ら辞職を決断すべきだ。

5月30日付の京都新聞も、人材流出を指摘してもはや立て直しの余地はないという立場です。

独善的で無反省な姿勢を改める気配がない斎藤氏に、知事の資質も判断力も欠くと言わざるを得ない。知事部局職員の自己都合退職が増えるなど、県政の停滞は明らかである。斎藤氏は現状を直視し、辞職を決断すべきだ。

京都は兵庫の隣県ですが、よその県の地方紙にここまで書かれて、残る3年半の任期を全うできるとは思えません。茨城新聞以外の地方紙は茨城県知事の問題を取り上げることさえしないのです。

本人から辞めるとは言わないでしょうから、不信任かリコールしかありません。県知事のリコールは現実的でないことから、県議会の対応が求められるわけです。6月定例会で元総務部長の告発と躍動2議員の処分を決めて、9月議会で不信任という段取りでしょうか。

不信任2度可決なら史上初

こうなることは去年の知事選のときから予想できたと思われます。知事選は維新・清水氏が伸びず、斎藤氏と稲村氏の事実上の一騎討ちになりました。知事選でどちらが勝つか、百条委員会や第三者委員会でどういう結論が出るか、不確定要素2つで4パターンが考えられました。

(A)斎藤氏が勝って、百条委や第三者委員会で(一部)クロ判定
今の状況で、これが最悪パターンになります。

(B)斎藤氏が勝って、百条委や第三者委員会でシロ判定
(C)稲村氏が勝って、百条委や第三者委員会で(一部)クロ判定
この2パターンはほぼ無問題です。

(D)稲村氏が勝って、百条委や第三者委員会でシロ判定
辞めさせられた形の斎藤氏は無実だったというパターンです。この場合は混乱はするでしょうが、斎藤氏には次期知事選あるいは国政転身という形でチャンスが残されることになります。

結局は(A)か(D)かという選択ですから、リスクの少ない(D)が賢明な選択だと思われますが、そうはなりませんでした。議会構成が変わらない以上、誰が知事であろうとそれほど大きな変化はありません。次で落とせばいいだけだと有権者が割り切れなかったのでしょう。

百条委員会や第三者委員会の結論が出る前に不信任に走った議会に問題はあるのでしょうが、斎藤氏支援のままでは衆院選が戦えないという判断が自民と維新を覆った結果です。6月議会で不信任を出すと、同じことになりかねません。

湊川神社

石丸氏は人口2万人台の安芸高田市に2人目の副市長を置こうとして市議会に否決されました。人口500万人台の兵庫県は副知事1人になって、もうすぐ1年になります。副知事の提案さえできない知事なのです。

知事に対する不信任案が可決されたのは、前回の斎藤氏が5例目でした。出直し選挙で当選したのは2000年の田中康夫氏以来2人目です。不信任を2度可決されるなら初めてのケースとなります。6月を見送って9月不信任のほうが人心はより離れます。

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