【2025/05/24追記】続報がありましたので、「飯山線、100回の発進・停止に耐えた列車の屋根の遺体」を公開しました。謎が解けたわけではありませんけど…。
黒ずくめの男
事件なのか事故なのか、わけのわからないことが起きています。最初の報道は5月15日でした。
●15日16時半頃、JR十日町駅で2両編成の列車の屋根の上に人が倒れているのを利用客が発見
●発見者→駅員→警察のルートで通報、発車待ち列車の屋根の上で40代ぐらいの男性の遺体が発見
●男性はうつ伏せ、後頭部から出血、身長175センチほど、40代ぐらい
●黒のスニーカー、黒の長袖シャツ、黒のズボンで身元は確認されず
●列車は12時33分長野駅発、15時06分十日町駅着

続報が衝撃的です。
●発見前日の14日長野駅発の段階で屋根の上に男性は乗っていた(1.5往復した)
このほか、わかっていること(わかっていないこと)は次のとおりです。
●飯山線は全線が非電化、線路上に架線があるのは長野駅から豊野駅まで
●戸狩野沢温泉駅から越後鹿渡駅の区間はMAX65キロ走行、それ以外は85キロ
●死因は公表されていないが「事件・事故の両面で捜査」ということから、後頭部の外傷に起因?
●後頭部の出血はそれほど多量ではなかったようで、車体側面まで流れていない
●屋根にへこみがあるとの報道はされていない、所持品なども報道されていない
事故死? 自殺? 他殺?
(1)事故死
何らかの理由で(たとえば興味本位で)列車の屋根に登ってみたものの、感電などの予期せぬ出来事が起きたために屋根の上で倒れたというノーマルな事故説が消滅しそうです。1週間経っても身元が割れないからです。
遺体から身元が割れないということは、指紋照合できない(犯歴がない)ということでもあります。それよりも今の時代にスマホを持たずに外出することはあまり考えられません。アクシデントなら身元が分かる所持品を持っていてもよさそうです。
(2)自殺
自殺なら、身元が特定されそうなものは何も持たないということが考えられなくもありません。意図して特定されたくない心境に至ったのかもしれません。

長野市豊野町蟹沢付近の転落防止用フェンスのない陸橋です。こうしたところから転落して、後頭部を打ち絶命につながったとしても、うつぶせになることがあり得るのだろうかという疑問は残ります。
それに目的が自殺なら、この程度の高さから落ちるより轢かれたほうが確実です。線路内に侵入することは容易ですし、もっとひっそりした場所も少なくありません。第一、何も鉄道自殺にこだわる必要もありません。

(3)他殺
となると、相対的に浮上するのが他殺説です。(1)や(2)では屋根の上に偶然倒れたことになりますが、他殺説ではただ単にそこに置かれただけです。それに、後頭部の出血がそれほど多量ではなかったこととの整合性が取れます。
ただ、いくら遺体の処分に困ったとしても列車の屋根に置くという発想にはなかなかなりません。オーソドックスに山中に捨てたり埋めたりすればいいだけのことです。被害者を晒したい目的がない限り、駅や線路まで遺体を運ぶのはリスクを伴います。
なぜ落ちない
飯山線は長野駅の標高が360.5m、戸狩野沢温泉駅が313.5m、森宮野原駅が289.9mで、新潟県に入った足滝駅が251.2m、十日町駅が81.6mです。全便が普通列車で快速等の設定はないようです。特別な信号待ちがなければ28回停車することになります。
屋根の上の遺体は停車あるいは発進時に動かないものなのか、カーブのときに左右にズレたりしないのか疑問です。雨を溜めて走ることはしませんので、屋根の上はゆるやかな傾斜がついています。

しがみついているならともかく、遺体が乗っかったままで1.5往復というのはにわかには信じられません。仮に何かに引っかかっていたとしても、2点以上で引っかかっていなければズレ落ちそうなものです。

なんにせよ、想像が及ばないレベルの偶然が重なったものと思われます。常識的には事故ですし、死因が感電なら握りしめて離さない(→死後硬直)ということもあり得るのかもしれません。
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