アメダス女川は2021年移転、臨時観測所から1キロ強

臨時観測所

このサイトでは2019年から日最大瞬間風速1位地点をフォローしています。アメダス女川が全国1位だったのは、去年まで4回しかなかったのに今年は5月26日で5回目です。

2021/5/3020.2m/s2025/1/1320.5m/s
2023/3/0419.6m/s2025/1/3126.5m/s
2023/4/1925.3m/s2025/3/2637.5m/s
2024/6/2619.2m/s2025/4/3029.5m/s
2025/5/2621.7m/s
▲アメダス女川の日最大瞬間風速1位

女川の最大瞬間風速30m/s台は過去6回あり、そのうち2回が今年です。これは風速計の高さが変わったからではないかと思って調べてみましたが、最新の公表値は3月13日現在で10mです。去年から変わっていません(その後高くなった可能性はあります)。

アメダス女川はややこしい歴史があります。「2021年の年平均風速、最大と最小の30地点」のページで示したように、女川の2021年平均風速の対前年比は147%です。年平均風速がそんなに変わるのは、移転か機器交換のどちらかです。この場合は移転ですが、この移転がやっかいです。

コード地点名所在備考
A34361江ノ島女川町江島2021/3/09で廃止
B34296女川女川町女川浜2021/3/22まで
C34296女川女川町宮ケ崎2021/3/22から
▲アメダス女川の移転

A もともと牡鹿半島沖の江島(えのしま)にアメダス江ノ島がありましたが、東日本大震災で本土から江島への海底送電ケーブルが被災しました。全島避難となり、復旧した11月に島民は帰島しています。アメダス江ノ島の再開も同年11月です。

B 気象庁は本土・女川浜の町民第二多目的運動場付近に臨時観測所を設置します。2011年5月です。これによりアメダス江ノ島が観測を再開した後は、臨時のアメダス女川と併存することになりました。

C 現在地の宮ケ崎には2021年3月に移設されています。この移転は形式的にはAが移転したことになっていますが、統計上のCBを受け継いでいます。

アメダス女川

臨時の観測所は標高35mで風速計5.5m、新設移転した現在地のアメダス女川は標高38mで風速計の高さ10mです。臨時と現在地は1キロほど離れています。

アメダス女川
アメダス女川(地理院タイルを加工)

2023年のストビューでは風速計がプロペラ式です。気温計は高さ1.5mですので、雨量計も1m超えです。積雪計は設置されていません。風速計を超音波式に取り替えたとしても、この環境なら10mより高くする意味はあまりなさそうです。

アメダス女川

どうやらこの地域は震災後に高台を開発した住宅地のようです。

アメダス女川2024

震災前は山林

2015年は宅地造成中です。

アメダス女川2015

震災前の航空写真では川沿いには住宅が並んでいました。

アメダス女川の震災前

江島は女川港から13キロ以上の距離です。

出島と江島(地理院タイルを加工)

ちなみに、女川第二中学校は赤マーカーの出島(いずしま)にありました。2013年に統合されています。

赤破線なし

気象庁サイトでは2021年の風速に赤破線が入っていません。数値を見れば何かがあったことぐらいわかるだろうということかもしれません。

女川の風速
気象庁>女川(宮城県) 年ごとの値 詳細(風・日照)

年平均気温は次のように推移しています。

女川の年平均気温の推移

移転は2021年3月ですので、気温については移転の影響はほぼないのだろうと思われます。

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