日本で初めてゾウが入港・滞留した町、アメダス小浜

日本で発見されるゾウの化石は、海水面が低かった氷河期時代に大陸から移動してきたナウマンゾウが大半です。日本列島が大陸とつながっていた時代のマンモスの一種も数は少ないながらも発見されていますが、今では日本はゾウの生息域ではありません。

福井県小浜市に「象の駅」があったらしいという話を聞きました。なんでも室町時代に日本で初めて象が上陸したのが小浜ということのようです。小浜－京都間は直線で約50キロです。最終目的地が京都だとすれば、神戸ではなく小浜まで海路を使う選択はあり得ます。

スマトラ島の亜烈進卿（あれつしんけい、別名＝施進卿）が派遣したとされる「南蕃船」が小浜に着岸し、室町4代将軍・足利義持に孔雀2対とともにゾウを献上したということです。廃校から30年近く経過した阿納尻（あのじり）小学校が「象の駅」として期間限定で公開されていたようです。

象の像が室内展示されているという小学校から1.5キロほど手前に「象つなぎ岩」があります。ゾウをロープでつないだのでしょうが、簡単に抜けてしまいそうな岩です。

調べてみると、ゾウはたびたび日本に来ているようです。

それにしても、成獣なら1日に100リットルの水を飲み100キロの糞を出すという象を積み込む船は結構な大きさが必要になるはずです。海水を転用する造水器がなかった時代です。ひょっとすると、ゾウは海水だけでも生きていけるものなのかもしれません。

足利義持は献上されたゾウを数年後には朝鮮半島に贈った（押し付けた？）そうです。餌の確保が難しく餌代もかさんだに違いありません。

アメダス小浜は東小浜駅近くの合同庁舎にあります。JR小浜線越しのストビューでは画像中央のポールに気温計の通風筒らしきものが見えます（フェンスの上）。

風速計の高さは24.9ｍとされていることから、屋上設置と思われます。1992年に敷地内で移転しているようです。標高は10ｍです。

小浜の年平均気温は次のように推移しています。2023年から2年連続16℃台です。

最高気温の39.1℃は2022年8月1日に観測されたものです。38℃台が7回あります。38℃台8回のうち2010年代が3回、2020年代が5回になります。

2024年の夏日145日は観測史上1位でした。真夏日と猛暑日は2023年の87日と29日が最多です。

2024年の熱帯夜は23日、冬日は21日で、初めて熱帯夜が冬日の日数を上回りました。

真冬日は1985年を最後に観測されていません。最低気温は1984年2月12日のマイナス10.1℃です。

アメダス小浜の2022年から2024年の観測値は次のとおりです。降水量は標準的ですが、日照はやや少なめです。

▲小浜の2022年観測値（順位はすべて降順）

▲小浜の2023年観測値