10回目?の党名改称、NHK党をめぐる2%の熾烈な攻防

マスコミ露出目的の党名変更

厳密には何回目になるのかよくわかりませんが、立花孝志党首率いる「NHKから国民を守る党」が「NHK党」への党名変更しました。5月15日付です。

2013.6NHK受信料不払い党
2013.7NHKから国民を守る党 1
2019.10(渡辺喜美に「みんなの党」への変更を打診)
2020.5(「NHKとコロナの自粛から国民を守る党」への変更を検討)
2020.11(「ゴルフ党」への変更を検討)
2020.12(「民主党」への変更を検討)
2020.12NHKから自国民を守る党 2
2021.2NHK受信料を支払わない方法を教える党 3
2021.4(「特になし」への変更申請が受理されず)
2021.5古い政党から国民を守る党 4
2021.6嵐の党 5
2021.7NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 6
2022.1NHK受信料を支払わない国民を守る党 7
2022.4NHK党 8
2023.3政治家女子48党 9
2023.3(ガーシー氏議員の除名)
2023.11みんなでつくる党
(分裂)NHKから国民を守る党
2025.5NHK党
▲NHK党の名称変更

変えると言って実際は変えなかったり、申請しても認められなかったりしていますし、みんなでつくる党と2度目の「NHKから国民を守る党」をカウントするかどうかの問題もありますが、少なくとも10回目の党名変更です。

実は、このサイトでは主に「N党」として記載しており、一般的な「N国」をあまり用いていません。サイト内検索してみました。

12N党1N国
9NHK党6NHKから国民を守る党
▲サイト内検索

名前をコロコロ変えるのはブラック企業か売れないタレントです。N党の党名変更は単純にマスコミ露出を期待したものです。どうせまた変えるに違いないので、あまり真剣に付き合いたくないという思いが私にはあります。

「NHKから国民を守る党」も最初と最後で「N党」です。わかればそれでいいのです。というわけで、私としては今回の「NHK党」への改称は歓迎です。

政党交付金の給付要件

N党が政党要件を満たすためには、次回参院選の比例区か選挙区(地方区)で2%の得票率を獲得する必要があります。この2%という数値はスポーツ平和党の得票実績からひねり出されたものです。

総務省>なるほど!政治資金 政党助成関連

7月参院選後を想定すると、N党の所属国会議員は斉藤健一郎氏1名のみです。逮捕者が続出した前回のNHK党比例立候補者は次のとおりです。

得票按分端数立候補者備考
287,714767ガーシー22/3/15除名
53,351732山本太郎22/2/17離党
22,595黒川敦彦22/2/17離党
22,426130斉藤健一郎22/3/24操上
17,947257久保田学
6,564622西村斉
4,555701添田真也
2,905258高橋理洋
817上妻敬二
834,995(政党名)
1,253,872按分込み総得票2.4%
▲2022年NHK党の比例得票

かつての政党としての「NHK党」あるいは「NHKから国民を守る党」は「みんなでつくる党」に引き継がれていますので、2022年参院選での実績はありません。昨年の衆院選は推薦だけの不戦敗です。

立花氏が兵庫選挙区から出馬するのは、比例区を捨てても選挙区で2%を目指す戦略だと思われます。立花氏は2019年参院選では個人票が13万票でした(総計987,885票、2.0%)。立花氏が比例区で出ても前回のガーシー氏並みには取れないと踏んだのかもしれません。

ガーシー氏が集めた28万票とは電力総連の組織内候補より多く、片山さつき氏よりやや少ないレベルです。NHK党の名前で戦う以上、旧・統一教会(統一協会)の支援があったとしても比例区で前回並みは厳しいのではないかと思われます。

2022年の参院選挙区

前回2022年のN党は選挙区では2%ラインを4万3000票だけ超えました。同じ数の候補者を揃えられて、立花氏で5万票取れるなら楽になったと言えるのかもしれません。

選挙区定数N党有効投票者数N党得票得票率比例区得票
北海道332,337,65360,6302.59%58,707
青森11518,21611,3352.19%14,055
岩手11560,54513,3522.38%12,011
宮城11910,56621,2862.34%20,064
秋田11456,9336,3681.39%8,958
山形11550,3937,2171.31%10,131
福島11813,62119,8292.44%17,684
茨城221,091,36931,6902.90%24,881
栃木11736,87719,0902.59%20,100
群馬11745,73522,2762.99%18,405
埼玉443,021,30651,6171.71%67,156
東京656,298,466105,5591.68%181,132
千葉332,541,32058,8222.31%60,189
神奈川444,090,17574,9361.83%96,614
山梨11374,1107,0061.87%7,205
新潟111,015,83017,0981.68%20,597
富山11440,5356,2091.41%8,192
石川11425,01312,1202.85%11,254
福井11341,6689,2032.69%7,375
長野11970,67316,6461.71%19,041
岐阜11856,00722,6482.65%20,525
静岡221,573,54333,6632.14%42,101
愛知443,096,21475,3282.43%78,845
三重11755,33522,1282.93%18,145
滋賀11610,51016,9802.78%13,222
京都221,039,97816,1271.55%19,559
大阪443,735,99353,3711.43%78,582
兵庫332,301,90557,7042.51%57,949
奈良11614,7098,1611.33%12,364
和歌山11394,07415,4203.91%10,132
鳥取・島根11522,77113,5172.59%10,850
岡山11717,17516,4412.29%15,270
広島221,053,74416,9331.61%18,750
山口11519,5358,2981.60%8,900
徳島・高知11544,59414,0062.57%13,207
香川11386,6497,1161.84%7,607
愛媛11540,06112,7242.36%13,859
福岡332,006,66132,7391.63%44,104
佐賀11335,0606,3831.91%6,915
長崎11522,3566,9691.33%8,813
熊本11686,23831,7344.62%16,704
大分11490,38510,7702.20%10,948
宮崎11417,8238,2551.98%8,743
鹿児島11632,84515,7702.49%16,151
沖縄11584,84511,0341.89%17,876
747353,180,0141,106,5082.08%1,253,872
▲2022念参院選のBN党(比例票は端数四捨五入)

2%というのは微妙なラインです。競合の具合でも変わってきます。かつて私は比例区で雑民党と書いたことがありますが、そういう政党に入れたがる層は一定数いるのです。2%なら投票率を考慮すればクラスに1人か2人です。

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