2019年台風15号で浸水した横浜ヘリポートの格納庫

横浜ヘリポート

横浜ヘリポートは八景島の手前にあります。住所的には神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目です。横浜シーサイドラインの暫定開業は1989年、八景島シーパラダイスの開業は1993年です。

横浜ヘリポート
横浜ヘリポート(地理院タイルを加工)

横浜ヘリポートは1982年の竣工ですので、八景島より早いオープンです。同ヘリポート完成目前に発生した日航機羽田沖墜落事故には東京ヘリポートから出動しています。

横浜ヘリポート

神奈川には計4機の消防・防災ヘリが配備されており、東京ヘリポートの川崎市消防局に2機、横浜ヘリポートの横浜市消防局に2機の配備です。

2019年台風15号では、福浦から幸浦にかけて高潮により護岸が一部崩壊、一帯だけで500近い事業者がが浸水被害を受けています。格納庫内の「はまちどり2号」も一時運用不能になったようです。「はまちどり1号」は機体点検中で横浜を留守にしていたということです。

2019年台風15号

台風15号は千葉県市原市のゴルフ練習場の鉄塔を倒し、当時の千葉県知事・森田健作氏の政治生命を絶った台風です。9月9日午前3時前に三浦半島を通過、東京湾を北東進して、5時前に千葉市に上陸しました。

国交省>令和元年台風第15号による被災状況

横浜ヘリポート付近は対岸の富津岬よりやや北ですから、ちょうど台風の進路上だったことになります。

周辺アメダス
赤はアメダス(地理院タイルを加工)

シーサイドライン・市大医学部駅付近の地盤標高は3mとされています。国土交通省の報告書では「福浦地区の護岸前面では、2方向からの波浪が重なり最大波高5.57mであったことが推算された」としています。

気象庁が「房総半島台風」と名付けたように風が強く停電の影響が長期化したのは千葉県側ですが、高波の被害は主に横浜港や川崎港で起きています。

この台風は9月5日の15時に南鳥島付近で発生し、8日21時03分に神津島で最大瞬間風速58.1m/sを観測しています。同日21時の平均風速は横浜で6.6m/s、三浦で6.3m/s、木更津で5.8m/sです。直撃回避のために夜間飛行で飛び立つという選択肢は既に消えていました。

回避できたとすれば日没前ですが、防災ヘリが2機とも不在となる選択はあり得ないことです。格納庫でやり過ごして通過後の出動に備えるのが常識的な判断に違いありません。余震警戒で飛び立てずにみすみす津波を被った松島基地のケースとは異なります。

市原ゴルフガーデン

市原のゴルフ練習場です。2018年の航空写真です。

市原ゴルフガーデン

倒れた鉄塔の撤去は2019年中には終わり、オーナーは住民側の意向を汲んで練習場再建ではなく土地売却を選択、鉄塔の無償撤去を申し出た株式会社フジムラに有償での解体を依頼しました。

練習場解体中

ゴルフ練習場は更地化して売却され、敷地の北側はドラッグストアが出店、南側は戸建て住宅になっています。

売却後

全世帯と和解が成立し、補償も完了しています。

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