石丸氏が最高裁で連敗、安芸高田市の人口はさらに減少中

コロナ下の2020年8月当選

広島県安芸高田市(あきたかた-し)の児玉浩市長は2020年7月3日付で辞職しました。同年4月の市長選に自公推薦で無投票当選したばかりで、在職日数はわずか2か月半でした。7月8日には河井克行・案里夫妻が起訴されています。

石丸伸二氏の選挙公報

石丸伸二氏は同年8月の市長選で当選、任期満了を目前にした2024年6月9日付で都知事選出馬のために辞職しています。東国原氏は知事1期を務めましたが、石丸氏は市長1期丸ごとに満たず首長としての評価は難しいところです。

選挙公報を対立候補と比べても、とくに目立った主張はありません。6町合併で発足した安芸高田市の市役所は、毛利元就の居城だった吉田郡山城のある旧・吉田町の置かれています。石丸氏が通った吉田小学校は市役所から約500mです。

石丸氏は旧・吉田町の出身であり、対立候補はお隣の旧・甲田町出身です。2004年合併時の人口差は約2倍でした。年齢と見栄えと地域性から8,076票と5,344票は妥当なラインです。石丸氏は選挙公報に次のように記載しています。

この5年間で人口は約2千人減少、財政の悪化が進み、社会・インフラ(基盤)の維持すら危ぶまれる。

安芸高田市の人口推移

検証できそうなテーマはこれくらいです。

安芸高田市の人口推移
安芸高田市>人口増減(数値は年度末)

2019年までの5年間で安芸高田市の人口は1年当たり416人減っていました。石丸市長時代の2020~2023年は年平均482人です。

人口減少出生数
2015-2019-416人150人
2020-2023-482人107人
▲人口減少数と出生数

肝心の出生数は150人平均から107人平均へと気の毒なほどの下がり方です。もちろん、石丸氏の失政がダイレクトに反映された結果だと言えるわけではありません。石丸氏でなければ、もっと酷い数値になっていたかもしれないわけです。

他人を下げたがる人物があまり信用されないのは、そっちに注力していたら本来やるべきことがおざなりになってしまうだろうという理由があるからで、道徳的な理由とかはそれほど関係ありません。

石丸氏と統一教会との関係

石丸氏が統一教会との関係を全面否定したのは2024年の都知事選後で、街宣車に統一教会系とみられる人物が登壇していたのではないかという指摘に答えたものです。2022年の安倍氏銃撃事件後の中国新聞社の取材に対しては無回答です。

市長就任から銃撃事件まで約2年、教団側が接点を持とうとしても不思議ではない立場ですが、教団側としてはそれほど強い魅力を感じるタイプでもないかもしれません。所詮は人口2万台の市長にすぎません。

安芸高田市
安芸高田(地理院タイルを加工)

前述したように、石丸氏は安芸高田市の中心部にある吉田小学校の出身です。高校は広島市内の祇園北高校に進学しています。祇園北高校から広島北家庭教会までは直線1.2キロほどです。

JR芸備線や国道183号の関係から安芸高田は広島北教会の管轄ではないかと思われますが、距離的に近いのは広島西条家庭教会です。かつての(広島)東教会になります。

広島西条家庭教会

最高裁まで争った2件の訴訟

今後、石丸氏を苦しめるに違いないのは最高裁まで争った2件の訴訟です。市長選ポスター代・ビラ代の請求のうち公費負担約35万円だけ支払い、残りの約73万円を支払っていないと広島市の印刷会社に訴えられた訴訟は最高裁の上告棄却が都知事選の投開票翌日に報じられました。

石丸氏側は「公費分以外は払わないとの合意があった」との主張だったようですから、契約書上のトラブルと思われます。合意があったと主張する以上、合意があったことを裏付ける証拠を石丸氏側が用意せねばならなくなります。

公費分以外は一切使わなかったということなら話は別ですが、石丸氏側の主張を展開すれば有価物を無償で提供されたということになりかねないわけで、どう転んでも形勢不利と思われます。最高裁までもつれる案件とは思えません。

もう1件は、最近の上告棄却です。原告の山根市議は2016年市長選で475票差の次点でした。ただの市議ではなく市議会有力者です。

浜田一義6,973票
山根温子6,498票
有田清士748票
▲2016年安芸高田市長選

山根氏は2008年4月の市議補選で初当選、11月に再選、2012年は落選します。市長選に惜敗した2016年11月以降は3連勝です。山根氏が石丸氏に対して500万円、安芸高田市に対して330万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴したのは2021年6月です。

石丸氏が当時のTwitter上で、山根氏から恫喝を受けたと発言したことによる名誉毀損裁判です。広島地裁は安芸高田市に対する33万円の支払いを認めて、職務上の行為であるとして石丸氏個人への請求は棄却しました。

二審の高裁も一審判決を支持し、最高裁でも先月23日付で石丸氏の上告を受理しない決定をしました。どちらの裁判も「言ったor言わない」の争いです。仮に2件とも石丸氏の主張が正しいのだとしても、単に音声記録を残せばよかっただけの話です。

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