尼崎市議選のNHK党・福井氏、4位当選の苦々しい理由

ジムのクチコミ評価は4.8

42の定数を56人で争った尼崎市議選は15日に投開票が行われ、NHK党の福井完樹氏が4位で初当選を果たしました。福井氏は2月に初出馬した岸和田市議選では760票で最下位落選でした。

福井かんき氏岸和田市議選の選挙公報

福井氏は岸和田で加圧式トレーニングジムを経営しているということです。店のWebサイトを覗いてみました。加圧式がどういうことなのかわかりませんけど…。

リバイバル

スタッフ紹介のページに福井氏本人がオーナーとして載っています。1971年生まれで、尊敬する人物が立花孝志氏ということです。不思議なことがないわけでもありません。Googleマップでは、このジムのクチコミ評価が「4.8」と異常に高いのです。

Googleマップのクチコミ評価

そんなに評判のいいジムを営んでいるなら、尼崎の市議より岸和田近辺で複数店舗を展開したほうがいいのではないかと余計な心配をしたくなります。スポーツジムは概してクチコミ評価が高く、私の近所には118件のクチコミ件数で脅威の「5.0」という施設もあります。

クチコミ評価でコナミやセントラルやルネサンスを凌ぐ個人経営ジムはちっとも珍しくありません。何らかの仕組みが蔓延している業界のようです。

福井けんき氏尼崎市議選の選挙公報

維新と自民の候補者が合わせて7人減

多くの人が福井氏の4位当選を苦々しく思ったに違いありませんが、ちゃんとした納得できる理由があります。前回市議選では維新と自民の候補は合わせて20人立候補していました(当選は17名)。今回は光本氏の件もあって維新は7人しか立てられず、自民党も3減の6人です。

前回差2025年2021年
-6,752公明37,29412044,046120
-14,555維新21,9717036,526101
-6,665自民15,3336021,99872
-1,229共産14,3723315,60151
6,938参政6,93810
2,095国民6,320114,22511
685立憲5,726215,04120
4,474NHK4,47410
3,831れいわ3,83110
2,862移民2,86210
2,787保守2,78710
337みどり1,807011,47001
1,4161,41601
1,061元気1,06101
710健康71001
307無所属22,9025622,59557
▲尼崎市議選

防戦に回った維新と自民は全員当選しましたが、それでも前回議席から合わせてマイナス4議席です。両党で2万1000票減らしています。去年の知事選で斎藤氏に投票したのは、この両党の支持者が多かったはずです。今回の市議選でも立花氏は斎藤氏寄りの応援演説を貫きました。

維新や自民の公認候補者は胸の内はどうであれ、公然と斎藤氏支持を明言できない立場にあります。2万1000人のうちの1割が立花氏の斎藤氏への強い支持表明を意気に感じるなら、福井氏は当選ラインに達するのです。

加えて、今回は共産党が票割りに失敗しています。国政選挙3回挑戦の女性候補が6000票以上の大量得票で2位当選したため、2議席を減らす結果になりました。第2会派の維新から第4会派の共産まで合わせて6議席減です。

代わりに議席を得たのが、参政党でありNHK党であり元・在特会であり日本保守党です。したがって、尼崎市民の良識を疑うという論調になってしまうのは私としては若干の抵抗があります。福井氏の当選は予想の範囲内です。

斎藤氏への支持が全国的には1割前後だとしても、不幸なことに兵庫県内ではまだ3分の1から4分の1ほどは残っていそうです。定数3の参議院兵庫選挙区では立花氏は順当なら7番手以下です。

自公の現職があまり強く反斎藤の姿勢を鮮明にすると、立花氏が斎藤票を独り占めして浮上する可能性があります。まあ、国政と県政は別という論理でそこに触れたくはなさそうです。県議会が不信任も辞職勧告も見送ったのはそういうことだと私は理解しています。

健康管理士の速水肇氏

さて、今回も落選した速水氏は前回参院選に敗れた後、2023年4月の統一地方選で西宮市議選に立候補しています。831票で落選でした(最下位当選が2036票)。

速水はじめ氏2023西宮市議選の選挙公報

今回が3回目の選挙でした。今回は健康増進党を名乗っていましたが、過去2回はNHK党からの出馬です。N党と切れているかどうかについては明言を避けているようです。

速水はじめ氏今回の選挙公報

合格率70%と言われる「健康管理士一般指導員」の民間資格を取得しているようです。同一試験で受験できる上級資格の「健康管理検定1級」は文部省認定で、こちらは合格率50%ということです。

維新から出た山崎藍子氏

前回参院選でNHK党から出馬したやまざきあいこ氏は、今回は維新からの出馬でした。4000票を超えて6位で初当選です。

やまざきあいこ氏の選挙公報

このビジュアルで「健康管理士一般指導員」とか「福祉用具専門相談員」とかという聞き慣れない資格ではない「薬剤師」ですから、N党になびいたのが不思議です。優勝賞金1000万なら血迷うもののようです。速水氏はステルスでしょうが、山崎氏がどうなのかはわかりません。

西宮&芦屋(地理院タイルを加工)

山崎氏は西宮市立甲陽園小を卒業しているようです。西宮七園でメルチュの沿線です。増山誠県議がPTA会長を務めるのが夙川小で、小池百合子都知事の出身校が芦屋市立岩園小です。

前回参院選の山崎氏は速水氏より得票が多く、尼崎では市議選なら当選できる得票数でした。西宮市議選でも行けたのでしょうが、西宮市議選に出たのが速水氏ということは、2023年の時点でN党との距離はあったのかもしれません。

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