悪石島で震度6弱
7月3日16時13分、トカラ列島近海でおきた地震は悪石島(あくせき-じま)で震度6弱を観測しました。鹿児島県で震度6弱以上が観測されるのは1997年の鹿児島県北西部地震以来28年ぶりです。全国でも去年8月の日向灘地震以来で約1年ぶりになります。
震源の深さは約20km、マグニチュードは5.5ということです。付近一帯は2週間ほど前から群発地震が続いています。今回は、小宝島で震度3、諏訪之瀬島と平島で震度2でした。群発地震の震源は主に悪石島と小宝島の間です。

十島村の地震観測点は8か所あり、中之島が2か所、それ以外の有人島6島はそれぞれ1か所です。悪石島の地震観測地点を探そうとしてGoogleマップを開いたら、すでに「悪石島地震観測点」が示されていました。
私の楽しみを奪ってやろうという魂胆かもしれません。村役場の出張所内に設置されているのではなく、屋外で野ざらしになっているアメダス型のようです(→Googleマップの投稿写真)。
気象庁区分では、トカラ列島が「西日本」に入るのか「沖縄・奄美」に属するのか、必ずしも明確ではありません。

種屋久地方ではなく奄美に属するという理解でいいようです。

トカラギャップはどこ?
悪石島という島の名前はなかなかインパクトがあります。(1)文字どおり悪石がゴロゴロ転がっている説と(2)平家落人説があるそうです。(2)はわざと寄りつかないような名前にした、ということのようです。
私の好みとしては断然(2)ですが、いくら自分たちが名乗ったところで他島の人がそう呼ぶとは限りません。島に名前を必要とするのは主に島外の人々です。島の中だけで暮らしている限りは島に名前は必要ありません。

悪石島の人口は2025年5月1日現在で43世帯89人、2014年4月末時点では32世帯55人ですからかなり増えています。義務教育学校も14人在籍しているようです。除湿機必須だそうです。
ところで、悪石島と小宝島の間にはトカラギャップと呼ばれる海裂があるそうです。これは群発地震の震央域と重なります。

このトカラギャップの画像がないものか前から探していますが、あまりピンと来るものが見当たりません。
大隅半島と薩摩半島は別系統?
種子島や奄美大島の東に見える帯状の黒い影はフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込むプレート境界だと思われます。

で、種子島や奄美大島の周囲の海域は比較的フラットです。黄色マーカーは北から霧島、桜島、口永良部島、沖縄県最北端の硫黄鳥島(無人島)です。今は主役の座を新燃岳に奪われていますが、悪石島の北にある諏訪之瀬島もこの系統の火山帯です。
(A)大隅半島から種子島、奄美大島、沖縄本島のルートと、(B)薩摩半島から口永良部島、トカラ列島、硫黄鳥島に至る火山帯は交わらずに並行する2本の河川のように見えます。
トカラギャップは(B)を切断するかのように交わっているのか、それとも(A)・(B)間の(B)寄りに「川」の字の子どものように存在するのかが私は知りたいのです。
2020年5月21日付で「悪石島とのトカラギャップ最前線の小宝島」と題して公開済みのページは「トカラ列島の有人島で面積最小・人口最少の小宝島」に改題しました(↓)。
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