選挙区と比例区の党派別得票数
参政党は単に自民票の右側だけを奪って伸長したのではなく、立憲が自民票の一部を削り参政党が立憲票の一部を分捕ったというのが菅野氏の分析です(私はそう受け取りました)。選択肢が限られる選挙区では「鼻をつまんで◯◯党へ」が起きやすいため十分にあり得る話です。

自民は3年前より613万票、維新は208万票減らして、参政は725万票、国民は514万票増やしています。有効投票数は597万票増えています。選挙区は候補者の擁立状況で変化します。
一方、比例区のほうはそれほど複雑な動きはないはずです。自民が前回より545万票、維新が347万票減らして、参政が566万票、国民は446万票増やしています。大まかには自民→参政と維新→国民という2つの移動があったものと思われます。

参政党は今回がピークだと思われますが、やはり公明と共産の落ち込みが顕著です。
参政党の躍進で自民党右派が打撃
自民党は比例区で12議席でした。前回2019年との得票比較です。支援団体が同じ場合も同一行で集約しました。
| 2025年 | 個人票 | 2019年 | 個人票 | 前回比 | |
| 参3 | 当 舞立昇治 | 特定枠 | |||
| 衆3参1 | 当 福山守 | 特定枠 | |||
| 参1 | 当 犬童周作 | 482,058 | 当 柘植芳文 | 600,189 | 80.3% |
| 参3 | 当 山田太郎 | 381,185 | 当 山田太郎 | 540,077 | 70.6% |
| 参1 | 当 見坂茂範 | 218,072 | 当 佐藤信秋 | 232,548 | 93.8% |
| 参1 | 当 東野秀樹 | 187,946 | 当 山田俊男 | 217,619 | 86.4% |
| 参6 | 当 橋本聖子 | 176,404 | 当 橋本聖子 | 225,617 | 78.2% |
| 参1 | 当 釜萢敏 | 174,434 | 当 羽生田俊 | 152,807 | 114.2% |
| 参5 | 当 有村治子 | 166,025 | 当 有村治子 | 206,221 | 80.5% |
| 参3 | 当 石田昌宏 | 152,649 | 当 石田昌宏 | 189,893 | 80.4% |
| 参2 | 当 本田顕子 | 152,518 | 当 本田顕子 | 159,596 | 95.6% |
| 衆8参2 | 当 鈴木宗男 | 132,633 | |||
| 参3 | 落 佐藤正久 | 127,619 | 当 佐藤正久 | 237,432 | 53.7% |
| 参1 | 落 宮崎雅夫 | 127,001 | 当 宮崎雅夫 | 137,502 | 92.4% |
| 参8 | 落 山東昭子 | 126,381 | 当 山東昭子 | 133,645 | 94.6% |
| 落 岸博幸 | 110,391 | ||||
| 衆1参2 | 落 赤池誠章 | 102,834 | 当 赤池誠章 | 131,727 | 78.1% |
| 衆2参1 | 落 比嘉奈津美 | 101,975 | 操 比嘉奈津美 | 114,596 | 89.0% |
| 参1 | 落 田中昌史 | 88,432 | 操 田中昌史 | 100,005 | 88.4% |
| 落 阿部恭久 | 88,368 | ||||
| 落 宮窪大作 | 80,326 | ||||
| 衆4参1 | 落 中田宏 | 79,307 | 操 中田宏 | 112,581 | 70.4% |
| 衆3 | 落 杉田水脈 | 77,040 | |||
| 参2 | 落 和田政宗 | 64,665 | 当 和田政宗 | 288,080 | 22.4% |
| 落 斉藤正行 | 52,988 | ||||
| 落 繁本護 | 45,406 | ||||
| 衆3 | 落 長尾敬 | 34,948 |
赤字は一般的に自民党内で右派と称されている議員です(佐藤氏は2012年総裁選では石破氏支持)。組織票のある有村氏以外は苦戦を強いられました。和田政宗氏は前回2019年の29万票近くから「ボーダーライン前後」にはるかに及ばない6万票台に急降下です。
和田氏は1期目の2013年は宮城選挙区で当選、2019年から比例区に転じています。アナウンサー出身ですから、6年で知名度が薄れていくのは仕方がないとしても、あまりにも極端です。どこかの団体を剥がされた結果なのかもしれません。
佐藤正久氏の前回2019年の得票は自衛隊員の数とほぼ一致しますが、そこから10万票以上減らしています。ただ、今回の任期中に繰り上げ当選することになるのでしょう。これまでの3期、佐藤氏は党内6位、3位、4位(特定枠除く)の得票でした。
LGBT法案の衆院採決に欠席したのは杉田氏とトイレに篭った高鳥修一氏、参院では山東氏と和田氏のほかに非改選の青山繁晴氏です。青山氏以外は国会から姿を消したことになります。





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