ヒゲの隊長は10万票減らし、和田政宗氏は前回比22%で落選

選挙区と比例区の党派別得票数

参政党は単に自民票の右側だけを奪って伸長したのではなく、立憲が自民票の一部を削り参政党が立憲票の一部を分捕ったというのが菅野氏の分析です(私はそう受け取りました)。選択肢が限られる選挙区では「鼻をつまんで◯◯党へ」が起きやすいため十分にあり得る話です。

参院選挙区の得票数

自民は3年前より613万票、維新は208万票減らして、参政は725万票、国民は514万票増やしています。有効投票数は597万票増えています。選挙区は候補者の擁立状況で変化します。

一方、比例区のほうはそれほど複雑な動きはないはずです。自民が前回より545万票、維新が347万票減らして、参政が566万票、国民は446万票増やしています。大まかには自民→参政と維新→国民という2つの移動があったものと思われます。

参院比例区の得票数

参政党は今回がピークだと思われますが、やはり公明と共産の落ち込みが顕著です。

参政党の躍進で自民党右派が打撃

自民党は比例区で12議席でした。前回2019年との得票比較です。支援団体が同じ場合も同一行で集約しました。

2025年個人票2019年個人票前回比
参3 舞立昇治特定枠
衆3参1 福山守特定枠
参1 犬童周作482,058 柘植芳文600,18980.3%
参3 山田太郎381,185 山田太郎540,07770.6%
参1 見坂茂範218,072 佐藤信秋232,54893.8%
参1 東野秀樹187,946 山田俊男217,61986.4%
参6 橋本聖子176,404 橋本聖子225,61778.2%
参1 釜萢敏174,434 羽生田俊152,807114.2%
参5 有村治子166,025 有村治子206,22180.5%
参3 石田昌宏152,649 石田昌宏189,89380.4%
参2 本田顕子152,518 本田顕子159,59695.6%
衆8参2 鈴木宗男132,633
参3 佐藤正久127,619 佐藤正久237,43253.7%
参1 宮崎雅夫127,001 宮崎雅夫137,50292.4%
参8 山東昭子126,381 山東昭子133,64594.6%
岸博幸110,391
衆1参2 赤池誠章102,834 赤池誠章131,72778.1%
衆2参1 比嘉奈津美101,975 比嘉奈津美114,59689.0%
参1 田中昌史88,432 田中昌史100,00588.4%
阿部恭久88,368
宮窪大作80,326
衆4参1 中田宏79,307 中田宏112,58170.4%
衆3 杉田水脈77,040
参2 和田政宗64,665 和田政宗288,08022.4%
斉藤正行52,988
繁本護45,406
衆3 長尾敬34,948
▲自民比例区

赤字は一般的に自民党内で右派と称されている議員です(佐藤氏は2012年総裁選では石破氏支持)。組織票のある有村氏以外は苦戦を強いられました。和田政宗氏は前回2019年の29万票近くから「ボーダーライン前後」にはるかに及ばない6万票台に急降下です。

和田氏は1期目の2013年は宮城選挙区で当選、2019年から比例区に転じています。アナウンサー出身ですから、6年で知名度が薄れていくのは仕方がないとしても、あまりにも極端です。どこかの団体を剥がされた結果なのかもしれません。

佐藤正久氏の前回2019年の得票は自衛隊員の数とほぼ一致しますが、そこから10万票以上減らしています。ただ、今回の任期中に繰り上げ当選することになるのでしょう。これまでの3期、佐藤氏は党内6位、3位、4位(特定枠除く)の得票でした。

LGBT法案の衆院採決に欠席したのは杉田氏とトイレに篭った高鳥修一氏、参院では山東氏と和田氏のほかに非改選の青山繁晴氏です。青山氏以外は国会から姿を消したことになります。

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