70歳以上の立候補者
20日投票の参院選で70歳以上の立候補者数を調べてみました(漏れがあるかもしれません)。
| 年齢 | 候補者 | 党派 | 当選 | 選挙区 |
| 83 | 山東 昭子 | 自民 | 8 | 比例 |
| 82 | 花岡 蔚 | 社民 | 0 | 比例 |
| 78 | 綾 久 | 誠真 | 0 | 神奈川 |
| 77 | 早川 幹夫 | 諸派 | 0 | 東京 |
| 77 | 辻 恵 | れい | 0 | 愛知 |
| 77 | 鈴木 宗男 | 自民 | 0 | 比例 |
| 76 | 笠間 愼一郎 | 無 | 0 | 栃木 |
| 75 | 金子 豊貴男 | 社民 | 0 | 神奈川 |
| 75 | 石原 悟 | 諸派 | 0 | 愛知 |
| 75 | 嘉田 由紀子 | 維新 | 0 | 比例 |
| 74 | 石濱 哲信 | 諸派 | 0 | 埼玉 |
| 74 | 村上 猛 | 無 | 0 | 静岡 |
| 73 | 武見 敬三 | 自民 | 5 | 東京 |
| 73 | 酒井 庸行 | 自民 | 2 | 愛知 |
| 73 | 瀬戸 弘幸 | 改革 | 0 | 大阪 |
| 73 | 高見 篤己 | 共産 | 0 | 広島 |
| 73 | 大岸 真弓 | 共産 | 0 | 比例 |
| 72 | 豊田 俊郎 | 自民 | 2 | 千葉 |
| 72 | 堂故 茂 | 自民 | 2 | 富山 |
| 72 | 山城 博治 | 社民 | 0 | 比例 |
| 72 | 福山 守 | 自民 | 0 | 比例 |
| 72 | 釜萢 敏 | 自民 | 0 | 比例 |
| 71 | 高橋 はるみ | 自民 | 1 | 北海道 |
| 71 | 平野 達男 | 自民 | 3 | 岩手 |
| 71 | 梅原 克彦 | 保守 | 0 | 比例 |
| 71 | 江畑 弥八郎 | 立憲 | 0 | 比例 |
| 70 | 北村 経夫 | 自民 | 3 | 山口 |
| 70 | 蓮池 透 | れい | 0 | 比例 |
3年前の集約との比較です。
| 今回 | 前回 | |
| 80歳以上 | 2人 | 5人 |
| 75歳以上 | 11人 | 17人 |
| 70歳以上 | 28人 | 35人 |
数的には意外と少なかった高齢出馬ですが、この中で注目されるのは。2019年から2022年にかけて参院議長を務めた山東昭子氏です。
衆議院には尾崎行雄氏94歳、原健三郎氏93歳など90歳以上の議員がいましたが、参議院の最年長は市川房枝氏の87歳8か月のはずです(宇垣一成氏も87歳8月か月、両氏とも任期中に死去して1週間違い)。今回当選して任期6年を務めれば、最高齢参議院議員となるのではないかと思われます。
山東氏の選挙歴
山東氏は今回で10回目の国政選挙になります。自民党には一応は比例区定年制がありますが、山東氏は3回連続で特例扱いです。
| 年月日 | 選挙 | 得票数 | 備考 |
| 1974/07/07 | 参・全国区 | 当 1,256,724 | (5)50/112 |
| 1980/06/22 | 参・全国区 | 当 1,508,617 | (6)50/93 |
| 1986/07/06 | 参・比例区 | 当 | <15/25> |
| 1992/07/26 | 参・比例区 | 落 1995操上 | <21/27> |
| 1996/10/20 | 衆・神奈川6区 | 落 50,411 | (3)1/5 |
| 2001/07/29 | 参・比例区 | 当 147,568 | <17/27> |
| 2007/07/29 | 参・比例区 | 当 203,324 | <12/35> |
| 2013/07/21 | 参・比例区 | 当 205,779 | <9/29> |
| 2019/07/21 | 参・比例区 | 当 133,645 | <18/33> |
| 2025/07/20 | 参・比例区 | ? | <?/31> |
今の参議院比例区は昔は全国区でした。定数は50で、どの党が何人出してもよかったのです。選挙区はその名のとおり全国です。公明党や共産党はブロック分けで票割りして立候補者全員当選を目指す戦術でした。
候補者は100人前後ですから、真面目に選ぼうとすると大変です。その代わり1票の格差の問題は生じません。全国的知名度を誇る候補が有利であり、タレント出身の山東氏は1974年と1980年に上位当選しています。山東氏は「太陽にほえろ!」第1回放映にも出演しています。
1983年から全国区は廃止され、拘束名簿式の比例区が導入されました。各政党はあらかじめ順位を決めた候補者のリストを示して、有権者は政党に投票する仕組みです。名簿搭載順位を決めるのは党執行部ですから、タレント議員の山東氏の立場は弱いものとなりました。
1986年は名簿15位で当選しましたが、1992年は21位搭載で落選です。このときの自民党は比例19議席でした。リスト上位の議員が死去したことで1995年に繰り上げ当選となります。山東氏の残り任期は3年近くありましたが、翌1996年の衆院選に神奈川6区から出馬します。
衆院選出馬と1998年参院選回避のナゾ
衆院選では当時の民主党だけでなく新進党にも及ばない3番手で、比例復活もできませんでした。2001年参院選比例区で山東氏は復活します。比例区はこの年から非拘束名簿式に変わっており、個人票でも当選できる仕組みでした。
山東氏は一種の2世議員でもあります。若いときから政治への関心は強かったようです。なぜ任期を残して衆院選に出たのか、貸しがあったはずなのに1998年の参院選に出なかったのはなぜなのか。この辺りの事情はわかりませんでした。
「自由民主党東京都参議院比例区第三十三支部」の収支報告書に記載された事務所所在地は神保町のビルの4階です。

4階の窓には「円満相続アドバイザー」と張り出されていますが、これはこのビルの管理会社のようです。フロア貸しではないと思われますので、関係はないのかもしれません。2019年は党内33候補中18位でしたが、自民党の獲得議席は19です。今回の選挙で自民の比例議席は10台前半との情勢です。
杉田水脈氏も出馬
私のような確信的無党派層は、衆院の比例投票先を「より少なく支持しない」党派から選ぶことになります。参議院の比例区では個人名も書けるのですから、それならいっそマイナス投票の仕組みがあってもよさそうな気がします。
その制度があるなら真っ先に候補となりそうな杉田水脈氏をめぐって、各地でトラブルが発生しているようです。11日に行われた西宮の街頭演説では長瀬猛・兵庫県議が抗議者を突き倒している場面がありました(交番の隣で)。長瀬氏はもともと高市氏支持の自民党県議です。

転倒した側の動画だけでは何が起きたのかよくわかりませんが、杉田氏側の動画では倒れたのはサッカーで言う「シミュレーション」っぽい気もしなくはありません。ただ、長瀬氏は体を入れて杉田氏への接近を阻止しているだけでなく、手を使って押し戻そうとしています。
選挙カーとともに移動できない比例区の候補者は選挙カーの上で街宣できるわけではありません。ここが防衛ラインと考える長瀬氏と、もっと近づけるはずと考える抗議者との間に認識のギャップがあったようです。客観的には選挙妨害だと言い立てるにはまだ早いという印象です。
カラーコーンで区切るような対応を杉田氏側が考えないと、同一平面でやればあと1週間続くことになりそうです。被害者役でいたいだけかもしれませんけど…。





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