埋立地のアメダス呉、今年は夏日と真夏日と熱帯夜を更新

潜水艦が屋外展示されているのは国内で呉だけのはずです。

旧・日本海軍は4か所の鎮守府を設けています。第1海軍区が横須賀、第2海軍区が呉、第3海軍区が佐世保、第4海軍区が舞鶴です。第5海軍区になるはずだった室蘭の鎮守府は取りやめになり、代わりに大湊に要港部が設置されました。

呉鎮守府と佐世保鎮守府は同じ1889年7月1日に開庁の告示がされています。佐世保測候所は戦後の開設ですが、呉は1894年（明治27年）4月に呉鎮守府観測所として開設されています。

現在地の呉港湾合同庁舎に移転したのが1967年3月です。それ以前は何度か細かく移転しているようですが、特定には至りませんでした。気象庁サイトの気温は1956年末で赤破線が入っています。1957年1月から1967年までは二河川（にこう-がわ）対岸の埋立地です。

現在の観測露場はアメダス竹原とほとんど同じレベルで海に面しています。

風速計の高さは地上27.3ｍということです。もともと測候所が入っていた合同庁舎の屋上設置だろうと思われます。2022年撮影のストビューでは庁舎右側の塔にプロペラ式の風速計が見えます。

呉の最大積雪深は1956年2月の27センチですが、無人化された2002年で積雪観測は終了しています。

数度移転していますが、埋立地は1957年以降です。それ以前は標高が10ｍ台または20ｍ台でした。グラフは1956年以前と1957年以降の2区分としました。年平均気温は次のような推移です。

呉の最高気温は1948年8月20日の37.8℃です。埋立地に移転してからは37℃台はありません。最低気温は1895年2月22日にマイナス7.1°Cを観測しています。埋立地移転後は1981年のマイナス6.8℃があります。真冬日は4日記録されています。

熱帯夜は冬日に対して1994年以降31連勝中です。下のグラフには含めていませんが、今年の熱帯夜は66日で新記録となりました。

今年の夏日は去年の92日を大きく更新する106日でした。呉では11月の夏日が過去5日あります。真夏日も1961年の80日を今年1日だけ上回りました。去年の猛暑日は移転後初めて二桁に達しましたが、今年は4日です。

2022年から2024年の観測値は次のとおりです。降水量は少なく日照は豊富です。

▲2022年の観測値（順位はすべて降順）

▲2023年の観測値