三原山噴火は前回1986年、アメダス大島は1991年移転

大島と名付けられたislandは全国に多数あります。あくまでもその地域内での相対的な大島でしょうから、小島とのワンセットというケースも多く見られます。面積では国内3番目の「大島」が伊豆大島です。

▲面積の大きい大島

都営地下鉄新宿線の大島駅は「おおじま」ですから、東京で「大島」と言えば一般的には伊豆大島です。伊豆大島への通年アクセスは、夜行の大型客船が竹芝桟橋から、ジェット船が竹芝と熱海から、1日2往復の飛行機が調布から出ています。

大型客船で往復する場合は、22時発で翌朝6時着、帰りは14:30発19:45着という最短0泊2日コースになります。需要がありますので早朝でもレンターカーは借りられますし島内バスも運行していますが、さすがにこの時間帯では営業前の施設が多いのは当然です。

バームクーヘンなど営業時間がない系のスポットなら早朝でもOKです。

大島測候所の開設されたのは1938年です。当時の所在地は「大島元村津倍付（つばいつき）」で標高190ｍ台です（赤マーカー）。

三原山では1986年に1957年以来の中規模噴火を起きました。11月21日夕方には外輪山の外側で割れ目噴火が発生し（C火口列）、溶岩が島内最大集落の元町に向かって流れ始めました。

当時の中曽根内閣（官房長官が後藤田氏）はその夜のうちに全島避難を決めています。1万人の避難は22日6時前に完了し、島外避難が解除されるのは12月20日です。島に残ったのは大島町の助役と東電職員3人の計4人だけとされています。

この割れ目噴火の日から数日、大島測候所の観測値は欠測になっています。23日正午には気温や降水量などが復活、30日は気圧が復活しています。1986年ならアメダス観測網の整備は完了しており、自動送信は技術的には可能だったはずです。

無人でも、電気や通信環境が改善したことで復活することはあり得るのでしょうが、やはり人の手が加わっていると見てよさそうです。気温とか降水量は欠測でも構いませんが、地震計のメンテを東電職員ができるとは思えません。

測候所は1991年12月に現在地の合同庁舎に移転し、2009年に無人化されて大島特別地域気象観測所になっています。

標高は74ｍ、風速計の地上からの高さは27ｍとされています。

積雪観測は2009年に終了していますが、1945年には32センチの最大積雪を観測しています。移転後の1996年2月18日にも14センチの積雪です。緯度的には伊丹空港や静岡空港と変わりませんので、三原山は当たり前のように冠雪します。

大島の年平均気温は次のように推移しています。移転後の1992年には年平均気温が15.9℃でしたが、2024年は18.2℃に達しています。

最高気温は2020年8月16日の35.9°Cで、小樽同様に猛暑日は1日だけです。最低気温は1996年2月3日のマイナス4.0°Cで、大島では真冬日はありません。

移転後の1993年の熱帯夜は0日でしたが、2024年は47日、今年は44日です。移転後の冬日0日は2019年、2020年、2024年です（今年は2日）。

夏日の2024年の125日が最多、真夏日は2025年の69日が最多です。

2022年から2024年の観測値は次のとおりです。降水量はかなり多く、日照も多めです。

▲2022年観測値（順位はすべて降順）

▲2023年観測値