市の人口は道内4位、真冬日より夏日が多くなった苫小牧

中央気象台苫小牧観測所の開設は1942年3月です。1960年に苫小牧測候所に改称され、2004年に無人化されて苫小牧特別地域気象観測所になっています。現在地に移転したのは1988年6月です。

測候所は1988年まで今の矢代スポーツセンターが建っている区画の東側にあったようです。1988年はJR青葉駅開業の年でもあります。2025年の航空写真です。

何らかの施設が建設される予定だったため、移転を強いられたのではないかと考えるのがオーソドックスかと思われますが、どうもそういうわけでもないようです。2004年の航空写真です。

移転先の現在地はJR今井駅のすぐ裏手です。

拡大しないとわかりませんが、Google Earth画像の「h」の字の上に通風筒があります。測風塔の右に見える古い監視カメラのような形状のものが積雪計と思われます。

別画角では、左が積雪計、電柱の左が通風筒のある気温計、電柱の右が風よけがないタイプの雨量計です。高さ的には「雨量計＜気温計＜積雪計」です。

苫小牧の最大積雪深は1978年3月の77センチ、移転後は2022年3月の61センチです。気温計は標準1.5ｍの高さなのだと思われます。標高は移転前も移転後も6ｍ台です。風速計の高さは20.2ｍとされています。

苫小牧の年平均気温は次のように推移しています。移転による変化は否定できないようです。

苫小牧の最高気温は2007年8月15日に観測された35.5℃で、これが唯一の猛暑日です。熱帯夜も2023年に2日観測されているだけです。最低気温は1945年1月18日のマイナス21.3°Cです。移転後の最低気温極値は2000年1月26日のマイナス19.2℃です。

真冬日と夏日を比較すると、夏日が真冬日を最初に上回ったのは移転翌年の1989年です。移転前は夏日の45連敗ですが、移転後は昨年までの36年間で夏日が7勝しています。3連勝中で今年（暦年）の真冬日は6日、夏日は最多の57日です。

冬日と真夏日は次のような推移です。冬日の最小は2015年の116日、真夏日の最大は2021年の7日です。

2022年から2024年の観測値は次のとおりです。降水量は少なく、日照も少ないほうです。夏は涼しいといえ、冬はかなり冷え込むようです。

▲2022年観測値（順位はすべて降順）

▲2023年観測値