都道府県別の濃淡

2003年3月以前に気温の観測が始まった881地点のうち、2018年に最高気温か高い最低気温の1位が記録されたのは261地点です。その比率は3割弱の29.6%となります。

一方、各観測地点の最高気温と高い最低気温のTOP10が2018年中に更新されなかったのは197地点でした。22.4%です。この比率を都道府県別に集計してみました。全国的規模の猛暑ではあったとしても、濃淡は存在しています。

  • 29.6% 22.4% 全国 261/881 197/881
  • 05.9% 40.8% 北海道 10/169 69/169
  • 00.0% 69.6% 青森 0/23 16/23
  • 30.8% 03.8% 秋田 8/26 1/26
  • 33.3% 24.2% 岩手 11/33 8/33
  • 11.8% 11.8% 宮城 2/17 2/17
  • 45.5% 00.0% 山形 10/22 0/22
  • 29.6% 03.7% 福島 8/27 1/27
  • 28.6% 07.1% 茨城 4/14 1/14
  • 69.2% 00.0% 栃木 9/13 0/13
  • 46.2% 00.0% 群馬 6/13 0/13
  • 62.5% 00.0% 埼玉 5/8 0/8
  • 35.3% 17.6% 東京 6/17 3/17
  • 30.8% 15.4% 千葉 4/13 2/13
  • 00.0% 00.0% 神奈川 0/5 0/5
  • 63.3% 03.3% 長野 19/30 1/30
  • 40.0% 10.0% 山梨 4/10 1/10
  • 27.8% 11.1% 静岡 5/18 2/18
  • 66.7% 00.0% 愛知 6/9 0/9
  • 72.7% 00.0% 岐阜 16/22 0/22
  • 16.7% 00.0% 三重 2/12 0/12
  • 65.5% 03.4% 新潟 19/29 1/29
  • 55.6% 11.1% 富山 5/9 1/9
  • 50.0% 00.0% 石川 5/10 0/10
  • 70.0% 00.0% 福井 7/10 0/10
  • 44.4% 00.0% 滋賀 4/9 0/9
  • 87.5% 00.0% 京都 7/8 0/8
  • 44.4% 11.1% 大阪 4/9 1/9
  • 35.3% 05.9% 兵庫 6/17 1/17
  • 20.0% 20.0% 奈良 1/5 1/5
  • 09.1% 36.4% 和歌山 1/11 4/11
  • 18.8% 06.3% 岡山 3/16 1/16
  • 27.8% 11.1% 広島 5/18 2/18
  • 33.3% 00.0% 島根 6/18 0/18
  • 70.0% 00.0% 鳥取 7/10 0/10
  • 28.6% 14.3% 徳島 2/7 1/7
  • 28.6% 00.0% 香川 2/7 0/7
  • 35.7% 28.6% 愛媛 5/14 4/14
  • 00.0% 58.8% 高知 0/17 10/17
  • 43.8% 00.0% 山口 7/16 0/16
  • 61.5% 00.0% 福岡 8/13 0/13
  • 28.6% 35.7% 大分 4/14 5/14
  • 22.2% 00.0% 長崎 4/18 0/18
  • 80.0% 00.0% 佐賀 4/5 0/5
  • 41.2% 11.8% 熊本 7/17 2/17
  • 06.7% 66.7% 宮崎 1/15 10/15
  • 03.1% 68.8% 鹿児島 1/32 22/32
  • 03.8% 92.3% 沖縄 1/26 24/26

北海道(とりわけ道東)、青森、和歌山、高知、宮崎、鹿児島、沖縄ではありふれた普通の夏だったものと思われます。「災害レベル」の猛暑に見舞われたのは内陸と日本海側でした。

なお、福岡では13地点のうち8地点で高い最低気温の1位が更新され、なかでも福岡市中央区大濠の福岡管区気象台では8月22日に歴代全国2位となる30.5℃が記録されています。

また、静岡では富士山を含む18地点で最高気温の1位はありませんでしたが、高い最低気温は5地点で記録されています。ところで、富士山の8合目以上は厳密には静岡・山梨両県の境界が未確定です。

富士山特別地域気象観測所(旧測候所)ももちろん8合目以上にありますが、その住所は「富士宮市富士山頂」とされているため、ここでは静岡にカウントしています。気象庁Webサイトでは山梨側からの検索も可能です。

浅間大社は富士宮市宮町の市街地に本宮があり、富士山頂に奥宮があります。奥宮の社務所内には夏季限定で郵便局が開設され登山証明書等も発行されますが、奥宮の住所もやはり富士宮市です。

「富士に棲む魔物」(旧サイトのコンテンツです)

熊谷か多治見か、日本一はどっち?

日本における最高気温は長らく山形の40.8℃でした。1933年7月25日に記録されています。太平洋には高気圧が、日本海には台風があり、フェーン現象がもたらした特異値だったはずです。

74年間守られた記録は、2007年8月16日に熊谷と多治見の40.9℃で塗り替えられます。2013年8月12日には伏兵・江川崎が41.0℃で更新、今年の夏は東の横綱・熊谷が41.1℃で1位に返り咲きました。

熊谷の観測地点は熊谷地方気象台です。県庁所在地に地方気象台(または管区気象台)がないのは、埼玉のほかに千葉(銚子)、滋賀(彦根)、山口(下関)の4県です。大津と京都が近いのと同じ理由で、埼玉では熊谷に設置されたものと思われます。

多治見の観測ポイントは舗装された駐車場の脇にあるようです。北東側は高速道路の法面であり、西側の隣接土地にはブロック基礎の倉庫のような平屋建ての建物があります。

この倉庫?の空調室外機は幹線道路側に向けられていますので、直接に影響を受けることはないのでしょうが、熱がこもりやすいのではないかと思える立地ではあります。

まあ、倉庫?が後から建てられたはずですが、隣の民有地に制限をかけるような法令はないはずです。これはこれで受け入れるしかないのでしょう。

では、日本一暑い観測地点はどちらなのか、いくつかの数値で比較してみます。ちなみに、熊谷気象台は市街地にあり標高は30m、地形的には荒川の扇状地です。多治見は盆地で観測点は標高は120mです。

2008~2017年の最高気温

  • 37.3、36.8、38.1、39.8、37.8、39.3、38.8、38.6、37.3、37.8(熊谷)
  • 39.037.639.4、38.1、38.539.539.339.939.7、36.5(多治見

2009~2018年の7月の日最高気温平均

  • 30.1、32.6、33.0、31.5、32.0、31.3、31.6、30.4、32.8、34.5(熊谷)
  • 30.833.2、32.9、31.933.832.8、31.5、32.533.535.3多治見

2009~2018年の8月の日最高気温平均

  • 30.8、34.8、32.0、35.2、33.9、31.7、31.4、32.3、30.5、34.0(熊谷)
  • 32.935.033.7、34.8、35.5、31.7、33.935.233.535.6多治見

2009~2018年の7月の日最低気温平均

  • 22.323.323.3、22.4、22.622.422.8、22.0、23.924.6熊谷
  • 22.0、22.7、22.2、22.4、22.4、21.7、22.1、22.0、23.0、23.9(多治見)

2009~2018年の8月の日最低気温平均

  • 22.3、25.223.324.324.023.223.423.523.124.0熊谷
  • 22.3、24.5、23.2、23.0、23.0、22.8、23.2、23.1、23.0、23.8(多治見)

▼以下、2018年については10月末現在です。

2009~2018年の夏日

  • 128、134、129、132、145、132、133、129、136、141(熊谷)
  • 153147144153158145158156146152多治見

2009~2018年の真夏日

  • 53、85、75、77、70、60、61、67、64、76(熊谷)
  • 81908485997866878790多治見

2009~2018年の猛暑日

  • 04、41、26、32、23、19、20、08、11、37(熊谷)
  • 10、38、27、26、33、15、25271639多治見

2009~2018年の熱帯夜

  • 03301515101120051629熊谷
  • 01、13、02、04、05、03、06、02、04、16(多治見)

安定的に暑いのが多治見、ツボにハマると怖いのが熊谷ということになりそうです。そして、盆地の関係で寒暖差の激しい多治見の夜は比較的過ごしやすいようです。既視感たっぷりの多治見駅前のストビューです。

9位まで2018年で独占

かなり強烈なアメダス観測地点があります。広島県三次市三次町の観測地点で気温の測定が始まったのは1978年11月です。去年までの40年間で気温が37℃台に達した日は5日しかありませんでした。

  • 37.2℃(1994/7/17) 9位タイ
  • 37.2℃(1994/8/6) 9位タイ
  • 37.2℃(2001/8/2) 9位タイ
  • 37.0℃(2001/8/3)
  • 37.0℃(2007/8/16)
  • 37.1℃(2018/7/14)
  • 37.4℃(2018/7/15) 7位
  • 37.9℃(2018/7/16) 1位
  • 37.3℃(2018/7/17) 8位
  • 37.6℃(2018/7/19) 4位
  • 37.8℃(2018/7/25) 2位タイ
  • 37.5℃(2018/8/2) 5位タイ
  • 37.8℃(2018/8/3) 2位タイ
  • 37.2℃(2018/8/5) 9位タイ
  • 37.5℃(2018/8/13)  5位タイ

2018年は7月だけで37℃台が6日あり、8月も37℃台は4日を数えました。つまり、40年で5回しか起こらなかったことが、今年だけで10回あったわけです。この結果、日最高気温TOP10の1位から9位まで2018年がずらっと並んでいます。

さて、アメダス観測地点の住所は非公開です。実は、Web上を探してもなければMy mapsの出番かもしれないと考えていました。気象庁Webサイト「よくある質問集」の「気象観測・統計データについて」に次のような記述があります。

アメダス観測所は無人で運用しています。地番の所在地情報については、過去にこの所在地情報を基にアメダス観測所を設置している機関に対して直接電話や訪問などが多々行われたため、迷惑がかかったことから、所在地情報の詳細については非公開としています。

まあ、緯度・経度や標高は公開されており、約1300か所のうち900か所以上で風速風向計が設置されていますので、ストリートビューで特定することは比較的容易なことだったりします。

ただ、記述されている「電話や訪問」だけでなく、観測機器への直接のイタズラもあったようです。だとすれば、私がMy mapsで展開するのは、かなり悪趣味な話です。個人的に探すだけにとどめたいと考えています。

三次と同じようなケースとしては、愛知県豊田市高町東山の観測地点があります。豊田の観測開始は1979年1月で、過去に39℃台は1回だけでした。今年は39℃台が7回あり、豊田の最高気温TOP10のうち8位以外は2018年に記録されたものです。

「豊田市高町東山」の大半は豊田市運動公園の敷地です。私は行ったことがありませんが、野球場もあります。

残念ながら豊田の観測ポイントは運動公園の敷地内ではありません。やはり緯度と経度を頼りにして探すのが賢明だと思われます。