さつま町柏原(かしわばる)が出発点

5月30日の最高気温1位は鹿児島県の「さつま柏原」でした。鹿児島の観測地点が最高気温1位になるのは珍しいはずです。まったくのダークホースだけに「さつま柏原」がどこにあるのかということさえ知りません。離島ではなさそうです。

北薩内陸部の「さつま町」が成立したのは2005年です。人口1.7万人弱の宮之城町と人口4000人台の鶴田町、薩摩町の3町合併によるものです。新しい町名は薩摩郡の郡名をひらがな表記にしたものと思われます。

柏原(かしわばる)地区は旧・鶴田町に属していました。旧・宮之城町との境界付近です。柏原のアメダス観測所は、市街地から続く民家がちょうど途切れて畑が広がっていく辺りに設置されています。

北薩地方 © OpenStreetMap contributors

周辺の観測ポイントは、阿久根(あくね)、川内(せんだい)、大口(おおくち)です。かつての大口市は今の伊佐市です。ところで、「原」を「HARU」や「BARU」と読むのは九州ではスタンダードかもしれません。

ただし、島原市(長崎)、西原村(熊本)、西原町(沖縄)のように、「HARA」または「BARA」も混在しているため、妙に気を利かせると裏目に出てしまいます。上の地図からわずかに漏れている霧島市の「牧之原」もそのクチです。

さて、所在地に「柏原」を含むアメダス観測点は「さつま柏原」のほかに3地点あります。「柏原」の読みは、今確認できている範囲で10通りです。

  • 東根(山形空港) 山形県東根市大字羽入字柏原新林
  • 信濃町 長野県上水内郡信濃町柏原字小丸山
  • 柏原 丹波市柏原町柏原

5月だというのに39.5℃

5月26日の最高気温1位は北海道・佐呂間の39.5℃でした。北海道の最高気温は37.8℃がこれまでの記録で、まだ38℃台が記録されたことはありませんでしたが、昨日の10位が38℃ちょうどです。

  • 39.5 ℃ 北海道常呂郡佐呂間町 佐呂間(網走・北見・紋別地方)
  • 38.8 ℃ 北海道帯広市 帯広(十勝地方)
  • 38.8 ℃ 北海道中川郡池田町 池田(十勝地方)
  • 38.8 ℃ 北海道足寄郡足寄町 足寄(十勝地方)
  • 38.5 ℃ 北海道紋別郡湧別町 湧別(網走・北見・紋別地方)
  • 38.4 ℃ 北海道中川郡幕別町 糠内(十勝地方)
  • 38.1 ℃ 北海道河西郡芽室町 芽室(十勝地方)
  • 38.1 ℃ 北海道北見市 北見(網走・北見・紋別地方)
  • 38.0 ℃ 北海道河西郡更別村 更別(十勝地方)
  • 38.0 ℃ 北海道網走郡津別町 津別(網走・北見・紋別地方)

また、5月の最高気温としても大幅な記録更新です。1993年5月13日に秩父で記録された37.2℃がこれまでの5月最高気温です。昨日の佐呂間の39.5℃は、北海道新記録であり5月の新記録でもあります。

北海道の気温観測173地点中36地点で観測史上1位だったということですが、佐呂間の観測開始は1977年です。実は、大半の観測ポイントでは観測開始が1970年代から1980年代に集中しています。

「観測史上1位」と言っても、たかだか50年に満たない期間の中での1位に過ぎないわけですが、2位の帯広は測候所ですので観測開始が1892年です。きのうは「100年に1度」以上の猛暑だったことになります。

さて、北海道の観測ポイントが最高気温1位になるのは、4月17日の鶴居5月6日の湧別に次いで今年3度目です。佐呂間は湧別のときに触れてしまいましたので、6位の幕別町糠内(ぬかない)をストビューで訪れてみました。

糠内の観測地点は畑の中です。周辺には多少の建物がありますが、気象観測に影響が及ぶことはなさそうです。2位の帯広測候所から見ると、3位・池田は東、6位・糠内は南、7位・芽室は西に位置しています。

幕別町糠内付近(Google Earthプロ)

糠内の語源となる「ヌカン」はアイヌ語で小石だそうです。糠内付近の猿別川に架かる厳橋のストビュー(2014/06撮影)です。

たしかに小石はあります。どこの川でも中洲はこんなものではないかと思わなくもありませんが…。

北海道の「別」はアイヌ語の川

10連休最後の5月6日の最高気温1位は北海道紋別郡湧別町の観測ポイントでした。オホーツク海の海岸線から2km近く離れた畑の中に観測施設があります。この日の最高気温TOP10は次のとおりです。

  • 28.0 ℃ 北海道紋別郡湧別町 湧別(ユウベツ)
  • 27.7 ℃ 沖縄県宮古島市 下地(シモジ)
  • 27.7 ℃ 沖縄県石垣市 石垣島(イシガキジマ)
  • 27.5 ℃ 北海道常呂郡佐呂間町 佐呂間(サロマ)
  • 27.1 ℃ 沖縄県八重山郡竹富町 志多阿原(シタアバル)
  • 27.0 ℃ 新潟県上越市 高田(タカダ)
  • 27.0 ℃ 北海道紋別郡遠軽町 遠軽(エンガル)
  • 26.9 ℃ 沖縄県宮古郡多良間村 仲筋(ナカスジ)
  • 26.8 ℃ 沖縄県八重山郡竹富町 大原(オオハラ)
  • 26.7 ℃ 沖縄県八重山郡竹富町 波照間(ハテルマ)

4位の佐呂間と7位の遠軽も湧別近隣の観測ポイントです。いずれもストビューで風速計を確認できます。探すのが簡単なほうから、遠軽>湧別>佐呂間の順になるはずです。湧別、佐呂間、遠軽の位置関係は次のとおりです。

湧別町付近 © OpenStreetMap contributors

オホーツク紋別空港の発着便は、羽田発が12:35着、羽田行が13:15発です。空港売店の営業時間は10:00~15:00、軽食コーナーが11:00~14:00になっています。15:00まで人が残っているものなのか不安は尽きません。

湧別町と遠軽町はもともと同じ「湧別村」です。1910年に湧別村と「上湧別村」に分村され、その上湧別村から1919年に分離したのが「遠軽村」です。遠軽村から 1925年には「生田原村」が、1946年に「丸瀬布村」と「白滝村」が分離します。

2005年に遠軽町、生田原町、丸瀬布町、白滝村が合併して新しい遠軽町が発足します。湧別町は2009年に上湧別町と合併しています。1910年当時の湧別村は、ピーク時には5町1村に分かれて、今は2つの自治体に収まっているわけです。

ところで、「~別」の地名は北海道に多く見受けられます。この「別」はアイヌ語の「川」だそうです。私はこの話を聞いたとき、石狩川流域の上川町、旭川市、深川市、滝川市、砂川市の配置を思い出した次第です。

そこで、「~別」の自治体MAPをつくってみました。現存するのが20自治体、廃止されたのが9自治体で、北海道27の青森2という分布でした。同様にアイヌ語由来とされる「~内(ない)」もMAPに加えました。

「内」も小さな川や沢を意味するようです。「~内(ない)」は現存11自治体ですが、山形県庄内町と新潟県胎内市は2005年に成立しています。残りの9自治体は北海道8、青森1です。

「~内(ない)」の消滅自治体は少なくとも47あり、北東北についてはアイヌ語由来なのだろうと思われます。西日本の「~内(ない)」は荘園由来のものがほとんどです。

【外部リンク】
まぐまぐニュース>【豆知識】北海道に「別」という字が付く地名が多い納得の理由

鶴居村の謎の構造物

4月17日の最高気温1位は北海道の鶴居村でした。この日の最高気温ベスト10は次のとおりです。北海道と沖縄で占められるシュールなランキングです。

  • 27.1℃ 北海道阿寒郡鶴居村 鶴居(ツルイ)
  • 26.9℃ 沖縄県八重山郡竹富町 波照間(ハテルマ)
  • 26.8℃ 沖縄県八重山郡竹富町 志多阿原(シタアバル)
  • 26.5℃ 北海道釧路市 中徹別(ナカテシベツ)
  • 26.4℃ 沖縄県島尻郡北大東村 北大東(キタダイトウ)
  • 26.4℃ 沖縄県石垣市 石垣島(イシガキジマ)
  • 26.4℃ 北海道野付郡別海町 別海(ベツカイ)
  • 26.4℃ 北海道標津郡中標津町 根室中標津(ネムロナカシベツ)
  • 26.3℃ 北海道釧路市 鶴丘(ツルオカ)
  • 26.2℃ 沖縄県島尻郡南大東村 南大東(ミナミダイトウ)
  • 26.2℃ 沖縄県八重山郡竹富町 西表島(イリオモテジマ)

波照間や志多阿原という上位常連組を抑えての1位だったわけですが、鶴居村のアメダスポイントを探しにストリートビューを開いてみました。観測地点は露場(ろじょう)と呼ばれています。露場が市街地にあればストビューで確認できます。

あっさり見つかったものの、その近くにある構造物が気になります。画面中央の高さ4mほどの金属製の構造物はいったい何なのでしょうか。モニュメントなのか街灯のように実用的なものなのか気になります。

近未来的なこの形状なら無意味に建てられたものではないはずです。ストビューは2014年7月に撮影されただけで、2巡目はまだ回ってきていません。残念ながら私の想像力は及びませんでした。

さて、鶴居村はその名称の由来となるタンチョウの生息地です。越冬ではなく留鳥で、餌の少なくなる冬季に餌付けしているだけのようです。釧路空港から鶴居村まで車で40分弱です。村域に釧路湿原を含み、北には阿寒岳を臨みます。

コードネームはBAKA

昨日4月5日の最高気温1位は埼玉県の鳩山でした。1月以降、最高気温1位は沖縄と父島で独占されていましたが、ようやく本州内陸部から最高気温1位が出る季節になったわけです。

そう言えば今日のお昼時、親子連れと思われる3台の自転車が私の進行方向を塞いでいたのでした。カゴのトートバッグにはおそらく弁当やシートが装備されていたのでしょう。名所ではありませんが、近くに桜の咲いている公園があります。

さて、旧日本軍の戦闘機でもっとも有名なのは零戦です。零戦は「零式艦上戦闘機」の略ですが、ほかの戦闘機は海軍が紫電や紫電改、陸軍が隼、飛燕、疾風などの愛称で呼ばれています。いかにも、という名称です。

戦闘機ではありませんが、計78機が出撃したという「桜花」は滑空式の特攻兵器です。なぜ「桜花」の名称になったのか、Wikipediaには秘匿の意味合いと記述されていますが、やはり「花と散る」の慣用句に連想は走ります。

全長6mで全幅5mの1人乗り、脱出装置なし、総重量の半分が爆弾、着陸用の車輪なし、不時着(水)で帰還できるのがむしろ不思議なほどです。米軍のコードネームは「Baka Bomb」ということです。

【外部リンク】 戦争証言アーカイブス>“人間爆弾” 桜花 ~第721海軍航空隊~