参院選は7月20日投票、まだ決められない自民党総裁

40日抗争

1979年のいわゆる「40日抗争」は、10月7日投開票の衆院選挙で自民党が過半数を下回ったばかりか公示前249議席を1議席下回ったことに端を発しています。自民党反主流派は前首相の福田赳夫氏を担いで、大平正芳首相(総裁)の辞任を迫ります。

田中派と大平派はこれに応じず、辞めろ辞めないの話は決着がつかないままです。憲法の規定で総選挙から30日以内に特別国会を召集する必要がありますので、とりあえず10月30日に国会は開きますが、当日の首班指名には至りませんでした。

反主流派が築いたバリケードをハマコー氏が排除した有名なシーンは11月2日の金曜日でした。自民党の両院議員総会には主流派だけが出席して大平氏を首相候補に決めています。国会の首班指名は11月6日で、ちょうど選挙の翌日から数えて30日目です。

11月6日の首班指名は次のような結果でした。自民票は割れましたが、社公民でも社共でも過半数には足りず、大平氏が引き続き総理大臣の指名を受けました。

大平福田飛鳥田
衆・1回目135125107
衆・決戦138111
参・1回目783851
参・決選9752
▲第89国会の首班指名選挙

第2次大平内閣が発足するのは11月9日です。1回目から大平氏に投票した新自由クラブのために大平氏が文部大臣を兼任する形での発足でした。大平氏は連立を前提としていましたが反主流派の理解は得られず、11月20日に谷垣専一氏が文相に就任しました。

この11月20日まで数えれば総選挙の翌日から44日となることから「40日抗争」と呼ばれています。

月曜日で選挙から50日

自民党本部

今回の参院選は7月20日投開票です。臨時国会を挟んだとはいえ、投票翌日から来週月曜日の9月8日までカウントすると50日となります。総裁選の前倒しが決まれば、70日前後になってしまいます。

どっちでもいいのでさっさと決めてくれないと話は始まりません。40日抗争では前総理という対立候補がいました。今回は続投か否かの話ですので、熱量に欠けるのは仕方がないかもしれません。40日抗争では西村英一副総裁が調整役でした。

今の副総裁はほぼ傍観です。菅氏は石破氏の息の根を止められる立場にいるのに、です。石破氏が自ら辞任表明しないなら、月曜日にはこれまで見たことがない光景が各局でTV中継されることになります。それはそれで楽しみではあります。

結局、前倒しされるのだろうというのが私の見立てです。そもそも石破氏の続投がいつまでなのか、8月8日の両院議員総会の時点ではよくわかりませんでした。辞めて当然というムードの中で、「国難」の最中なら花道づくりは容認しようという議員は多かったはずです。

戦後80年談話がやりたいのだろうという話は、右派の警戒感から出てきたもので、石破氏周辺からの発信だったわけではありません。月曜日を乗り切ったとしても、次の人事が可能なのかという難問に直面します。

オールキャストどころか片肺未満の内閣で乗り切れるような国会ではないはずです。なんとか臨時国会までは無理が通せたとしても、通常国会で行き詰まるのは確実です。それなら、亀裂をあからさまにしない今の段階で手を引くのが組織の長としては賢明な判断です。

解散の大義は作れても説得力不足

2007年7月29日の参院選で民主党に第1党を奪われた第1次安倍内閣は、選挙から約1か月後の8月27日に内閣改造を断行、9月10日召集の臨時国会で所信表明を行いましたが、9月12日には辞任表明、安倍氏は翌日から入院して9月25日に総辞職しました。

改造で事態を打開しようというのは政権末期のよくあるパターンですが、それさえできないのが石破内閣です。第1次安倍改造内閣は町村外相、額賀財務相、伊吹文科相、高村防衛相という布陣でした。谷垣派を排除した挙党一致体制です。

今はこれに匹敵する入閣者を期待できず、今月末の党役員任期切れまで引っ張っても、次の人事を組めそうにありません。唯一の打開策は衆院の解散なのでしょうが、この状態で解散されても投票先に困惑するだけです。

前回衆院選では、最終的に2000万問題で自民党は負けたのだと思われます。石破氏が率いる自民党に投票するためには、何人かの議員には公認を与えないという線引が必要です。いきなり解散しても、たとえば萩生田氏や下村氏を非公認にできる幹事長がいるはずがありません。

党内手続き的には萩生田氏や下村氏は自民公認で立候補することになります。郵政解散は参院で郵政民営化法案が否決されたことが原因でした。今回は政治資金をテーマとした法案を出しているわけではありません。

総裁続投かどうかは自民党内の問題であって、解散で信を問う問題ではありません。党内を掌握できない党首の政党に投票しても、混乱が拡大することにしかなりません。理論的にはこれから解散の大義を掲げることは可能でも、今のタイミングでは説得力に欠けます。

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