太平洋気候か日本海気候か
日本海の西端は一般的には対馬海峡ですが、五島列島~済州島まで日本海とする考え方もあるようです。佐賀県が面している壱岐水道が日本海に含まれるどうかは議論の余地があるとしても、博多湾沖の玄界灘は日本海の一部です。
というわけで、福岡市は地理的には日本海に面していることになります。福岡市が日本海気候か大平洋気候か、福岡管区気象台Webサイトの「【コラム1】九州北部地方(福岡)の気候は日本海型?」のページは明言を避けています。
福岡のように九州北部地方の中でも日本海に面する地域では、雲量は夏と冬に多くなる「日本海型」に近く、降水量は夏に多く冬に少ない「太平洋型」に近いユニークな特徴があります。
福岡管区気象台のデータを、直線距離としてはほぼ等距離の松江・高松・高知の3地方気象台のデータと比べてみました。日本海側代表が松江、瀬戸内代表が高松、太平洋岸代表が高知という布陣のつもりです。

日照時間と降水量
平年値は1991年から2020年までの平均で、各グラフの緑が福岡です。

年初から4月中旬までの福岡の日照時間はオレンジの松江ほどではないにせよピンクの高松には満たない4地点中3位のポジションで推移します。6月中旬から10月中旬までは水色の高知に寄り添うことが多くなりますが、10月下旬に高知とは袂を分かちます。
日照時間の相関係数は松江の「0.956」や高松の「0.927」に対して、高知は「0.499」です。

肝心の降水量では、1月は高知に近い2位で2月から4月中旬は松江に近い3位です。6月から8月の福岡は高知を抑えて1位になることもある反面、11月以降は3位主体です。純粋な太平洋型気候の高知は3月以降に水事情が好転する期待が強まってくる一方、福岡は望み薄です。
相関係数としては、高松が「0.824」、高知が「0.777」、松江が「0.719」です。降水量に関しては太平洋側の高知より瀬戸内の高松のほうがより近いわけです。
気温

気温については、福岡は5月中旬まで高知とタメです。5月下旬になると高松がこれに追いつきます。グラフのピーク時を拡大してみました。

6月下旬の福岡は高松を追走し、代わりに高知が脱落します。高知が1位に復帰する9月中旬以降は高知とのマッチレースです。相関係数は高松と「1.000」、松江や高知とは「0.999」です。
相対湿度と海面気圧
あまり手間は変わらないので、ついでに湿度も比較してみました。

グラフの印象では松江はまったく別物としか言いようがありませんが、相関係数としては高知と「0.969」、高松と「0.895」、松江に対しては「0.738」です。
九州西部の年平均気圧が高かったことを思い出して海面気圧も比較してみました。

福岡の気圧は冬が高く、夏には4地点中もっとも低くなるようです。相関係数は高知と高松に対して「0.998」、松江に対して「0.995」です。
せっかく相関係数まで持ち出したのですから、各項目1位5点、2位3点、3位1点としてポイント制で集計しました。
| 松江 | 高松 | 高知 | |
| 日照 | 5 | 3 | 1 |
| 降水 | 1 | 5 | 3 |
| 気温 | 3 | 5 | 3 |
| 湿度 | 1 | 3 | 5 |
| 気圧 | 1 | 5 | 5 |
| 計 | 11 | 21 | 17 |
福岡は日本海型気候の要素はありますが、太平洋型というよりむしろ瀬戸内型に近いのかもしれません。来週は全国的に雨が降りそうです。強度としてはそれほど期待できないようですが…。




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