水の消費量は農業用水が3分の2以上、新潟では81%

農業用水が3分の2

水の消費量の約3分の2は農業用水です。国交省のデータでは67.9%(533/785)になります。

国土交通省>日本の水収支

コメ生産量全国1位の新潟では、農業用水が81%を占めます。

新潟県>水環境保全のための取組(10ページ)

季節変動がほぼない上水道や工業用水と異なり、稲作期の使用量が極端に増えます。このため、ダムの貯水率は一般的にかんがい期と非かんがい期で分母が違ったりします。

漠然とした節水要請は農業生産のために生活用水を切り詰めろということになりかねないわけで、大村知事が田植えの延期を要請するのは理解できないことではありません。「当面延期」と言われても戸惑うところではあるでしょうが…。

期間降水量

3月31日までの全アメダスの期間降水量平均値です。第3列と第5列は平年比の平均です。

~3/31平年比~3/1平年比
前30日107.1ミリ91.1%69.9ミリ75.3%
前60日178.0ミリ86.0%114.9ミリ71.1%
前90日253.5ミリ82.4%250.4ミリ81.1%
前120日359.8ミリ87.9%321.2ミリ72.8%
▲全アメダスの期間降水量平均と平年比

前30日はほぼ3月の降水量に匹敵します。平年の約9割とはいえ、約75%だった2月や0ミリラッシュだった1月より雨は降るようになっています。

前45日~前120日降水量の平年比が低い順TOP5地点(3/31まで)をリストアップしました。関東勢は姿を消して北海道と沖縄が進出してきました。

観測所45日60日90日120日
北海道)浜鬼志別15.023%37.042%112.577%174.575%
北海道)丸瀬布21.536%30.039%34.527%143.077%
北海道)北見24.045%28.042%31.530%90.560%
北海道)中杵臼34.027%58.038%111.554%249.084%
北海道)石崎22.025%28.023%144.576%271.597%
岩手)下戸鎖42.038%43.530%46.522%87.532%
岩手)普代66.555%66.543%72.533%125.045%
山形)高畠35.033%41.528%164.565%281.576%
岐阜)栃尾57.030%59.525%91.027%144.533%
沖縄)胡屋76.535%93.534%134.036%217.045%
沖縄)糸数58.528%67.525%94.025%195.540%
沖縄)北大東21.521%31.523%88.543%182.060%
▲降水量平年比が低い観測所

新城市の宇連ダムの最寄りアメダスは天竜川水系のアメダス佐久間です。奥三河のアメダス茶臼山は矢作川水系(と天竜川水系の分水嶺)になります。

前120日平年比
佐久間336.0ミリ78%
茶臼山445.5ミリ75%
▲佐久間と茶臼山

宇連ダム下流のアメダス新城でも前120日は77%ですし、矢作川水系のアメダス作手も前120日は75%です。周辺アメダスはそれほど極端な少雨ではありません。

エアポケット?

まるでエアポケットのようにダム上流だけ雨に恵まれなかった可能性はあります。そうだとしても、前120日の平年比はせいぜい60%台と思われます。仙台50%や勝沼46%のように前120日の降水量が平年比60%未満のアメダスは少なくありません。

宇連ダム周辺
宇連ダム(地理院タイルを加工)

宇連ダムだけ貯水率が低いのは少雨以外に固有の理由があるからだと考えるほうが妥当のように思えます。宇連ダムの水源域はそれほど広くありません。このため、県内を流れる天竜川水系・大千瀬川(おおちせがわ)から導水管を引いています。

豊川用水利水域
宇連川(地理院タイルを加工)

黄緑が大千瀬川、水色が宇連川、青が導水管です。源流域は狭いのに利水域は渥美半島を含む広大な範囲です。新城市や田原市は農業生産が有名ですので、人口以上に水の消費は多くなります。

去年7月20日頃の時点で宇連ダムはほぼ満水でした。40~50日ほどかけて9割程度を放出しています。出穂期ですからコメ農家が水を必要とする時期ではあります。この時期に放流しすぎて(その後は少雨が続いたために)今の事態を招いたのではないかという気もしなくはありません。

貯水量のグラフはあっても、放出量や流入量の数値が見つかりません。わざと渇水を招いたのだという主張は陰謀論めいてきて私は与しませんが、0%になったほうが設楽ダム建設促進には好都合です。

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