「ケ」と「ヶ」をめぐる総務省と国交省の不思議な攻防

地方自治体の「ケ」と「ヶ」

総務省から「◯年度地方公共団体の主要財政指標一覧」が公開されるのは12月に入ってからです。「全市町村の主要財政指標」のExcelシートから作成しているのが、このサイトの「区市町村の財政力指数 降順&昇順100自治体」の固定ページです。

先日、固定ページを更新して16日付でブログページ「2024年度の財政力指数、高浜町が全国14位から3位に躍進」を公開しました。ブログページのほうで、青森県六所村を「六所村」と記載していることに気づいて訂正しました。

「ケ」または「ヶ」を含む市町村は全国に16自治体あります。読みは「が」または「か」です。「け」読みすることはありません。

都県市町村読み
青森鰺ヶ沢町あじがさわ-まち
青森外ヶ浜町そとがはま-まち
青森六ヶ所村ろっしょ-むら
岩手金ケ崎町かねがさき-ちょう
宮城七ヶ宿町しちしゅく-まち
宮城七ヶ浜町しちがはま-まち
茨城龍ケ崎市りゅうがさ-きし
埼玉鶴ヶ島市つるがしま-し
千葉鎌ケ谷市かまがや-し
千葉袖ケ浦市そでがうら-し
東京青ヶ島村あおがしま-むら
神奈川茅ヶ崎市ちがさき-し
長野駒ヶ根市こまがね-し
滋賀関ケ原町せきがはら-ちょう
佐賀吉野ヶ里町よしのがり-ちょう
宮崎五ヶ瀬町せ-ちょう
▲「ケ」または「ヶ」の17自治体
ケとヶ(地理院タイルを加工)

歴史的には「ヶ」

歴史的には小文字の「ヶ」です。小文字が大文字に変わるケースはあっても、その逆はありません。少なくとも戦前の地図では「ケ」を見ることはありません。

  • 袖ケ浦市は袖ヶ浦町が市制施行した1991年に小文字から大文字に変更
  • 龍ケ崎市は1996年に龍ケ崎で統一
  • 鎌ケ谷市は1999年6月以降、大文字で統一
  • 金ケ崎町は2007年に金ヶ崎町から「改称」

関ケ原町については、1928年の町制施行の際に官報で大文字掲載されたことから、大文字が「正しい」ことになっているようです。町の意思が反映された大文字記載との主張ではありません。あとになって根拠になりそうなものを発見したというだけの話と思われます。

関ケ原町の小中学校
関ケ原町>関ケ原町内の小中学校

これ(↑)は単純なミスなのでしょうが、1990年代に発行された2万5000分の1の地形図(↓)では「関ヶ原町」です。地図業界?では「ヶ」は前の文字の付属物という扱いを受けていましたので、こうした表記になります。

2万5000分の1の地形図

逆に、ペーパーの新聞記事では地名の「ヶ」や「ッ」は小さくて読みづらいという理由で、大文字の「ケ」や「ツ」が使われます。「ケ」と「ヶ」は混在する素地がありました。

また、「ヶ」はカタカナの「ケ」の小文字ではなく「个」の略字とされています。「个」は常用漢字の表外漢字であることから、神奈川県のように例外なく「ヶ」は使わないという方針で行くなら、茅ヶ崎市にある茅ケ崎高校になります。

ワープロ専用機が普及するのは1980年代半ば、PCは1990年代後半です。手書きなら大小を曖昧に書くこともできますが、電子文字は明確に区別されます。まして、検索の問題が生じてくるため、一層やっかいです。

総務省と国交省

さて、私が「六ケ所村」と記載したのは、総務省のExcelシートが「六ケ所村」で引きずられたのが原因です。毎年同じことを繰り返しているような気がしますので、この際16自治体全部を調べてみました。

市町村総務省国交省
鰺ヶ沢町鰺ケ沢町鰺ヶ沢町
外ヶ浜町外ヶ浜町外ヶ浜町
六ヶ所村六ケ所村六ヶ所村
金ケ崎町金ケ崎町金ヶ崎町
七ヶ宿町七ケ宿町七ヶ宿町
七ヶ浜町七ケ浜町七ケ浜町
龍ケ崎市龍ケ崎市龍ヶ崎市
鶴ヶ島市鶴ケ島市鶴ヶ島市
鎌ケ谷市鎌ケ谷市鎌ヶ谷市
袖ケ浦市袖ケ浦市袖ヶ浦市
青ヶ島村青ヶ島村青ケ島村
茅ヶ崎市茅ヶ崎市茅ヶ崎市
駒ヶ根市駒ケ根市駒ヶ根市
関ケ原町関ケ原町関ケ原町
吉野ヶ里町吉野ヶ里町吉野ヶ里町
五ヶ瀬町五ケ瀬町五ヶ瀬町
9勝7敗10勝6敗
▲総務省と国交省

ついでに国交省も調べてみましたが、自治体側が意向を示しているのなら、それを尊重してもいいのではないかと思わなくもありません。

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