「ちょう」vs「まち」MAP（「そん」vs「むら」MAP）

2020年11月12日現在、日本国内の基礎自治体は1741自治体（北方領土除く）です。内訳は20政令指定都市、772一般市（政令市＋一般市で792）、23特別区、743町、183村（北方領土の6村を加えると189村）となります。

都道府県別では次のとおりです。町と村は読みに応じて「ちょう」・「まち」、「そん」・「むら」で集約しています。

▲市区・ちょう・まち・そん・むら

町は「ちょう」が多数派で62.7％、村は「むら」が圧倒的な84.7％です。「ちょう」は西日本に多く（関西は三重と福井を含めて例外なく「ちょう」）、「まち」は東日本に多い（関東の1都6県は「まち」のみ）という特徴があります。

北海道が「ちょう・むら」なのは、初代北海道庁長官が薩摩出身の岩村通俊で、それ以前もやはり薩摩出身の黒田清隆が開拓使長官を務めていた関係かと思われます。開拓使は薩摩・肥前系が幅を効かせていたようです。

鹿児島県の村は離島しか残っていませんが、本土では「ちょう・むら」でしたし、佐賀県も「ちょう・むら」派でした。なお、山口県にも村は現存しませんが、山口は「ちょう・そん」派です。ただし、長州出身者はあまり北海道に関与していないようです。

MAP化したのは、苓北町が「まち」の最西端で、十島村が「むら」の最西端ではないかと気づいたからです。つまり、次の表を作成するためにMAP化は不可欠でした。最南端に熊本、最北端に鳥取、最東端には徳島が入るという、嬉しい分布になっています。

▲「ちょう」「まち」「そん」「むら」の最◯端

苓北町もそうですが、福岡の桂川町（けいせん-まち）や佐賀の江北町（こうほく-まち）など「音読み＋まち」は私には違和感があります。一方、大阪の島本町（しまもと-ちょう）や徳島の北島町（きたじま-ちょう）などの「訓読み＋ちょう」は比較的すんなり受け入れることができます。

ただ、村に関しては事情が異なります。沖縄の東村（ひがし-そん）は違うような気がしますし、奈良の天川村（てんかわ-むら）や高知の芸西村（げいせい-むら）は「そん」よりいいと感じています。まあ、私が「ちょう・むら」文化圏で育った刷り込みのせいかもしれません。