ファクターXをめぐる珍説~仏教国は新型コロナに強い

東アジアに「ファクターX」が存在するらしいということが散々言われているわけですが、東アジアと仏教エリアはほぼ丸かぶりです。仏教国はおしなべて死亡率が低くなっています。アジア各国の人口1万人当たりの感染者数と死亡者数は次のとおりです。

感染数死亡数感染率死亡率主宗教
パキスタン217,8094,47310.0570.207イスラム
モルディブ2,3821044.8590.188イスラム
インド604,64117,8344.4250.131ヒンズー
バングラデシュ153,2771,9269.4010.118イスラム
フィリピン38,8051,2743.5890.118キリスト
インドネシア59,3942,9871.6030.081イスラム
日本18,9139771.4910.077仏教
ブルネイ14133.2560.069イスラム
韓国12,9042822.5190.055仏教
シンガポール44,3102676.3440.045仏教
マレーシア8,6431212.7050.038イスラム
中国84,8164,6410.5920.032仏教
ネパール14,519315.0750.011ヒンズー
タイ3,179580.4570.008仏教
スリランカ2,054110.9630.005仏教
ミャンマー30460.0560.001仏教
ベトナム35500.0370.000仏教
モンゴル22000.6820.000仏教
カンボジア14100.0860.000仏教
ブータン7701.0090.000仏教
東ティモール2400.1860.000キリスト
ラオス1900.0270.000仏教
▲アジアの新型コロナ感染率と主たる宗教

元の数値データは、感染者数と死亡者数についてはJohns Hopkins大の7/2午後8:34:05時点、人口はGLOBAL NOTEです。「感染率」は人口1万人当たりの感染者数、「死亡率」は人口1万人当たりの死亡者数です(いつもは「人口比」として掲げています)。

宗教に関しては外務省Webサイトで頭に掲載されている宗教を機械的に採用しました。韓国の場合は、プロテスタントとカトリックが分かれていますので、本来はキリスト教に分類すべきかもしれません。

外務省>国・地域>大韓民国 基礎データ 一般事情

文化庁「宗教年鑑」平成30年版によれば、日本の信者数は神道系8616万人で、仏教系8533万人とされています。足すと総人口をはるかに超えますが、この数値は各宗教法人が申告したもののようです。日本が仏教国であると言っても、私にはとくに違和感はありません。4大宗教の中では圧倒的多数派であることに変わりはありません。

「身密(しんみつ)・口密(くみつ)・意密(いみつ)」の三密は仏教用語です。仏の御加護で仏教国は新型コロナに強かったなどとは微塵も思っていませんが、文化的な背景はあるのかもしれないと考えたりもします。

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