胎内市のアメダス中条で2019年全国1位の40.7℃

胎内川

2019年8月15日の日最高気温1位は新潟県胎内市(たいない-し)のアメダス中条でした。40.7℃は2019年の全国1位でもあります。アメダス中条は2018年8月23日には40.8℃、2020年9月3日には40.0℃を観測しています。3年連続の40℃台は三条と中条だけです。

胎内市は2005年に沿岸の北蒲原郡中条町と内陸の黒川村が合併して成立しています。このギョッとするような市名は、標高1331.5mの藤十郎山(とうじゅうろう-さん)を源流とする胎内川に由来するそうです。

合併時の人口比は約4対1ですから中条市でいいような気もしますが、合併時の新市名は揉める要素です。両者を流れる川の名前にすれば合併は平穏無事に成就するという大人の判断があったものと思われます。胎内川の名称については次の3つの説があるようです。

(1)雪型の「鯛頭」にちなむ
(2)扇状地では伏流水となり河口で湧いてくることから「胎内」
(3)アイヌ語の「テイ・ナイ」または「トイ・ナイ」

アイヌ起源とされる「~ナイ」の地名は、北海道だけでなく青森や秋田にも見られますが、胎内川は下越とはいえ新潟です。途中の鳥海山や鼠ヶ関の辺りにアイヌの痕跡がありません。酒田や鶴岡の庄内は荘園由来です。

胎内川は鎌倉や室町期には「太伊乃河」や「多以奈川」と記されていたそうです。読みとしては「たいの」や「たいな」です。「胎内川」の表記は江戸末期以降ということですので、「~ナイ」は偶然の一致と思われます。音としては(1)で始まり、(2)の連想から「胎内」の文字を当てたと考えると、あまり不自然さがありません。

なお、中条町は1889年の町村制施行当初から町です。下越では新発田や村上と同格?になります。また、中世の中条町には奥山荘と呼ばれる荘園があったようです。

アメダス中条

地図の赤文字3地点は近隣のアメダス観測所です。

胎内市周辺
胎内市周辺(地理院タイルを加工)

アメダス中条の観測地点は市役所の近くです。気温計と雨量計の露場に隣接して倉庫や民家があり、舗装された駐車場には車が停まっています。2014年8月撮影のストビューです。

多治見のレベルで好ましくなかろうという雰囲気が漂います。風速計は建物の屋上に設置されているようです。風速計の高さは11.9mです(標高27m)。

アメダス中条

降雪地帯ということで、気温計は地上2.6mに設置されています。雨量計は気温計ほどではありませんが、車の屋根より高い位置ですので2m前後かと思われます。市役所用地には適切なスペースがありますので、そちらに移設してもいいのではないかと思えなくもありません。

【2023/08/17追記】アメダス中条は2021年1月に移転しています。→「下越・胎内市のアメダス中条が移転していた」

2020年の観測値

2020年のアメダス中条も9月3日に40℃ジャストが観測され、三条とともに3年連続の40℃台となりました。2020年の観測値は次のとおりです。

年降水量2826.5ミリ180位/1293地点
年平均気温14.8℃392位/922地点
年最高気温40.0℃7位/922地点
年最低気温-4.1℃332位/922地点
年較差44.1℃356位/922地点
年平均風速1.8m/s581位/921地点
年日照時間1426.6時間755位/841地点
▲アメダス中条の2020年観測値

降水量は多めで日照時間は少なめです。平均気温等の推移は次のとおりです。

アメダス中条の平均気温の推移

中条と中城

地理院地図で「中条」を検索したところ、最北端と最東端が岩手県一関市赤荻中条、最西端が山口県山口市秋穂東中条、最南端は愛媛県久万高原町二名中条でした。北海道や九州には「中条」の地名は存在しないようです。紀伊半島も空白で、北信越が密集地帯です。

新潟県には中条町のほかに中条村が3つありました。今は基礎自治体としては全滅しています。

北蒲原郡中条町なかじょう-まち→胎内市
南蒲原郡中条村ちゅうじょう-むら→長岡市
中魚沼郡中条村なかじょう-むら→十日町市
北魚沼郡中条村なかじょう-むら→魚沼市
▲新潟の中条町と中条村

一方、「中城」は広く薄く分布しています。最北端は青森県階上町(はしかみ-ちょう)晴山沢中城、最南端は沖縄県中城村(なかぐすく-そん)です。北信越では新潟県上越市頸城区中城があるだけです。

ナイトスクープの臭い温泉

胎内市には、かつて「探偵ナイトスクープ」で小枝探偵が訪れた施設があります。西方の湯です。「西方」は「にしかた」ではなく「さいほう」と読みます。2011年5月放映の「真っ黒でウンコ臭い温泉に置物だらけの待合室」です。

クチコミ評価は意外に高く、どうやら泉質は放映当時とは変わっているようですが、独特の存在感は堅持しているものと思われます。親鸞聖人像は高さ40mだそうです。

コメント

  1. コタロー より:

    ワトソン君さん、はじめまして。
    先日、京セラドームでのオリックス対埼玉西武を観に行った際
    試合前のメンバー交換で辻監督を見て
    若い頃はブサイクやったけど、これが年輪っちゅうもんかと
    なかなか渋いルックスに感慨深さを覚えたものです。
    そのときに「あ~、そういえば以前にWEBで楽しみに読ませてもらった
    サイトがあったな~。辻のゲッツー土掛けとか・・・」としみじみ想い出し
    検索の結果こちらに寄せてもらいました。
    いずれまた、あの貴重なアーカイブを読むことが叶えばと思っております。

    • ワトソン君 より:

      これ↓ですね。「殿堂のページ」にありました。2000年9月公開です。
      ————-
      辻に関して私はある「疑惑」を抱いている。昔(おそらく90年か91年)、私にしては珍しくTV中継を録画していたことがある。たぶんテレビ埼玉だろう。その中に6-4-3のダブルプレイの場面が映っていた。ピボットマンになった辻の足が二塁ベースに触れていないように見えた。

      私はしつこい性格だから、コマ送りで何度も繰り返して見てみた。足で二塁ベースに砂をかけている様子はよくわかるけれども、ベースタッチはしていないように見えた。もちろん、二塁審判はアウトを宣告してダブルプレイは有効に成立していた。

      相手チームからの抗議もなく、試合は淡々と進行している。「これがプロなんだよ」「俺を見に来るならおまえもプロになれよ」と言われているような気がした。たぶん次の年だったと思う。同じ6-4-3のダブルプレイのとき、二塁ベースで砂が舞い上がったのを見た。
      ————-

タイトルとURLをコピーしました