黒川代表に陣中見舞、「つばさの党」のアウトな収支報告書

オリーブの木

すっかり迷惑団体として悪名を轟かせてしまった「つばさの党」の収支報告書を覗いてみました。「つばさの党」の前身は2019年の参議院選挙を控えて発足した政治団体「オリーブの木」です。「オリーブの木」とはもともとはイタリアの政党連合です。

日本で「オリーブの木構想」と言えば小沢一郎氏ですが、2019年の「オリーブの木」は既存政党や現役国会議員を巻き込んだものではありませんでした。代表だったはずの小林興起氏は選挙前に代表職を退き、黒川敦彦氏が新代表に就任します。

参院選には10人を擁立しましたが、選挙区6人合わせても10万票に届かず、比例区も16万票台です。黒川氏は名簿1位でした。幹事長を務めていた西尾憲一・千葉県議は2020年2月に離党しており、2020年には事実上の黒川党になったようです。

黒川氏自身は2016年の衆院選で安倍氏の山口4区から無所属で出馬し、6600余票を得ています。「オリーブの木」は2020年限りで解散し、2021年から「つばさの党」に党名変更しています。地方選挙では通算で4勝です。1人しか残っていませんけど…。

2016年10月衆|山口4区黒川敦彦(無所属)
2019年7月参院選黒川 他(比4、選6)
2019年12月朝霞市議会外山麻貴
2020年9月座間市議会須崎友康21/8除名
2021年7月都議選|葛飾根本良輔
2021年10月衆|比例北関東黒川敦彦(NHK党)
2021年11月葛飾区議選根本良輔
2022年2月町田市議選兼松賢一
2022年2月町田市長選黒川敦彦
2022年5月野田市議選庄司真生22/12離党
2022年7月参院選黒川敦彦(NHK党)
2023年12月朝霞市議会外山麻貴
2024年4月衆|東京15区補根本良輔
▲黒川氏と「つばさの党」の選挙歴

黒川代表は2022年参院選ではNHK党幹事長として比例3位で立候補していますが、NHK党内の内紛で立花氏から幹事長を解任され、一緒に追われた大津氏からも解任を言い渡されています。要約してもしなくてもトラブル続きの政治団体です。

収支報告書

「オリーブの木」時代の2020年の収支報告書です。先述したように会計責任者の西尾氏は2020年に離党し、事務担当者の須崎友康氏も2021年には除名されています。

2020年「オリーブの木」収支報告書
「オリーブの木」収支報告書(令和2年分)

2021年の収支報告書です。会計責任者の根本良輔氏が今回の東京15区補選に立候補しています。純化が進んだようです。

2021年「つばさの党」収支報告書
「つばさの党」収支報告書(令和3年分)

団体そのものを一度解散していますが、主たる事務所の「千代田区隼町2-12」に変わりはありません。

藤和半蔵門コープ

1億円の借入金の返済は?

公開されている直近3年の収支は次のとおりです。

2020年2021年2022年
収入総額23,484,90727,515,87030,793,225
前年からの繰越額16,000,9839,524,7758,289,021
本年の収入額7,473,92417,991,09522,504,204
支出総額23,484,90719,226,84921,078,446
翌年への繰越額08,289,0219,714,779
▲直近3年の収入総額と支出総額

2020年末に「つばさの党」に寄付することで、「オリーブの木」の残額をゼロにしています。

寄付して繰越ゼロ
「オリーブの木」収支報告書(令和2年分)

何よりも目につくのは、黒川氏個人から「オリーブの木」への1億円の貸付金です。時期的には2019年参院選の直前です。比例区4人の選挙区6人なら、供託金だけで(600✕4)+(300✕6)の4200万です。

1億円の借入金
「オリーブの木」収支報告書(令和2年分)

黒川氏が資産家なのかもしれませんし、誰かから個人的に借りて自分が「オリーブの木」に貸し付けた形をとっただけかもしれません。形式的にはこの1億円もの借入金は返済されたことになっていません。

NHK党との関係

2021年衆院選の供託金は自己負担を求められたのかもしれません。

供託金は自己負担
「つばさの党」収支報告書(令和3年分)

NHK党側の収支報告書では、「つばさの党」ではなく黒川氏本人からの寄付という扱いで処理されており、住所が朝霞市になっています。

NHK党側は黒川氏から受領
「NHK受信料を支払わない国民を守る党」収支報告署(令和3年分)

翌年の参院選では供託金を求められることはなかったようです。むしろ600万を超えてNHK党からの寄付があります。

NHK党からの寄付
「つばさの党」収支報告書(令和4年分)

これと同額の記載は「政治家女子48党」の収支報告書にもあります。支出先は「つばさの党」であり、こちらの不一致はありません。

街宣車修理代215万

「街宣車の修理代」が計上されています(A)。2台で215万です。街宣車の車種がわかりませんが、バンパー程度の金額ではありません。いったい何をやらかしたのか気になります。野田市議選は2022年5月23日の投開票です。定数28で3位当選した議員は、半年後には離党しています。

「選挙応援」の中村健太郎氏(B)は2023年の田原市議選で国民民主党から立候補して4位当選だった新人と同姓同名です。「選挙手伝い」の根本氏(C)は誰の選挙をいったい手伝ったのでしょう?

黒川氏自身は2022年2月8日に100万の「陣中見舞」(D)を受けています…。町田市長選は2月13日告示・2月20日投開票でした。非課税の世界から課税の世界に移す必要があるのかどうか気にならないわけではありません。

ところで、政治団体「オリーブの木」は同一所在地の法人「合同会社オリーブの木」に広報業務を委託していたようです。

広報業務委託費
「オリーブの木」収支報告書(令和2年分)

この「合同会社オリーブの木」は今年1月に「投資ブラザーズ合同会社」に商号変更しています。また、208号室には「株式会社さくらフィナンシャルニュース」も登記されています。こちらは新宿区からの移転です。

「つばさの党」の政策活動費が黒川氏自身に支払われていたりします。2022年は総額420万です。

政策活動費
「つばさの党」収支報告書(令和4年分)

「政策活動費」の名目で、代表者個人に移し替えることができるのなら、領収証は切り放題です。萩生田氏や世耕氏は「不明」を連発する必要はなかったはずです。もっとも何に使ったのかわかりませんので、追及されるに違いありませんけど…。

政党でない政治団体が政治家個人に寄付することはできません。令和4年分の収支報告書も会計責任者は根本氏です。収支報告書的にもアウトです。

【2024/05/30追記】420万円の「政策活動費」について、上脇教授が東京地検に告発したということです(29日の報道)。訂正しようにも会計責任者が勾留中ですが、どう訂正するのか興味深いところです。

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