47都道府県の最大震度、震度3以上がない礼文町

四国では初の震度6弱

4月17日深夜の地震は愛媛県愛南町と高知県宿毛市で最大震度6弱が観測されています。愛南町5地点、宇和島市5地点、宿毛市2地点の震度は次のとおりです。

6-愛南町柏5+宇和島市丸穂6-宿毛市桜町
5-愛南町船越5+宇和島市吉田町5-宿毛市片島
5-愛南町一本松5-宇和島市住吉町
5-愛南町城辺5-宇和島市津島町
4愛南町御荘5-宇和島市三間町
▲3市町の震度
豊後水道を震央とする4/17の地震
4/17の地震(地理院タイルを加工)

最大震度の6弱または5強は瞬間的だったらしく、人的被害は最小限に抑えられています。火事が出なかったのも幸いでした。アメダスのある愛南町御荘(みしょう)は震度4ですので、物的被害は宇和島市街が中心になるのかもしれません。震度6弱が四国で観測されたのは初めてです。

日本の震度階級は次のように変遷しています。

1872年地震観測開始、4段階で体感による
1898年震度0から震度6までの7段階に
1949年地震観測法の改正で震度7が追加され8段階に
(震度7は後日の現地調査による)
1996年震度計による機械(小数点1位)計測、10段階に
▲日本の震度階級

震度計による機械計測が始まったのは比較的新しくて1996年4月です。前年の阪神・淡路大震災では、まだ体感による震度判定でした。とくに震度7については、後日実施される被害状況などの現地調査で判定されるというルールでした。

47都道府県の最大震度

都道府県ごとの最大震度を調べてみました。1919年以降です。最大震度が複数の場合は最新のものを掲載しています。今回の豊後水道を震央とする地震はM6.6、震源の深さは39キロとされています。

震度計測地点年月日震央深さM
北海道7厚真町2018/09/06北海道胆振東部376.7
青森6-八戸市2008/07/24岩手県沿岸北部1086.8
岩手6+奥州市2008/06/14岩手県内陸南部87.2
宮城7栗原市2011/03/11三陸沖249.0
秋田5-東成瀬村2008/06/14岩手県内陸南部87.2
山形6-鶴岡市2019/06/18山形県沖146.7
福島6+相馬市2022/03/16福島県沖577.4
茨城6+鉾田市2011/03/11茨城県沖437.6
栃木6+真岡市2011/03/11三陸沖249.0
群馬6-桐生市2011/03/11三陸沖249.0
埼玉6-宮代町2011/03/11三陸沖249.0
千葉6-印西市2011/03/11三陸沖249.0
東京6-新島村2000/08/18新島・神津島近海76.1
神奈川6横須賀市1923/09/01神奈川県西部237.9
新潟7長岡市2004/10/23新潟県中越地方136.8
富山5+氷見市2024/01/01石川県能登地方167.6
石川7輪島市2024/01/01石川県能登地方167.6
福井6福井市1948/06/28福井県嶺北地方7.1
山梨6甲府市1924/01/15神奈川県西部7.3
長野6+栄村2011/03/12長野県北部86.7
岐阜5-飛騨市2024/01/01石川県能登地方167.6
静岡6+富士宮市2011/03/15静岡県東部146.4
愛知5+豊橋市1997/03/16愛知県東部395.9
三重6津市1944/12/07三重県南東沖407.9
滋賀5-大津市2018/06/18大阪府北部136.1
京都6宮津市1927/03/07京都府北部187.3
大阪6-高槻市2018/06/18大阪府北部136.1
兵庫7神戸市1995/01/17大阪湾167.3
奈良5-大和郡山市2018/06/18大阪府北部136.1
和歌山5+広川町2011/07/05和歌山県北部75.5
鳥取6+日野町2000/10/06鳥取県西部97.3
島根5+大田市2018/04/09島根県西部126.1
岡山5+真庭市2016/10/21鳥取県中部116.6
広島6-大崎上島町2001/03/24安芸灘466.7
徳島5+牟岐町2015/02/06徳島県南部115.1
香川5+土庄町2000/10/06鳥取県西部97.3
愛媛5+西予市2014/03/14伊予灘786.2
高知5+宿毛市2022/01/22日向灘456.6
山口5+岩国市2001/03/24安芸灘466.7
福岡6-福岡市2005/03/20福岡県北西沖97.0
佐賀6-みやき町2005/03/20福岡県北西沖97.0
長崎5+南島原市2016/04/16熊本県熊本地方127.3
熊本7益城町2016/04/16熊本県熊本地方127.3
大分6-由布市2016/04/16熊本県熊本地方127.3
宮崎5+延岡市2022/01/22日向灘456.6
鹿児島6-薩摩川内市1997/05/13鹿児島県薩摩地方96.4
沖縄5-竹富町2018/03/01西表島付近155.6
47都道府県の最大震度(2024/04/16日時点)

機械計測は4000か所以上で行われています。このため、体感判定時代の地震が最大震度として残っているのは少数の府県だけです。神奈川では関東大震災がいまだに最大震度です。

非公認の震度8強

日本で暮らしている以上、震度5クラスの地震は経験して当たり前のように思われているはずですが、日本にも地震が少ない地域がないわけではありません。

長崎県五島市では震度3が3回しか観測されていません。佐世保市でも震度4が2回です。道北も少ない地域です。稚内市では震度3が7回で震度4はありません。最強と思われるのは礼文町で震度2が4回です。

ところで、震度計は一般にデジタル表示で小数点1位まで表示されるもののようです。

00.5未満0~0.6ガル
10.5以上1.5未満0.6~1.9ガル
21.5以上2.5未満1.9~6.0ガル
32.5以上3.5未満6.0~19ガル
43.5以上4.5未満19~60ガル
5弱4.5以上5.0未満60~110ガル
5強5.0以上5.5未満110~190ガル
6弱5.5以上6.0未満190~340ガル
6強6.0以上6.5未満340~600ガル
76.5以上600ガル以上
▲10階級震度

実際には震度7までしかありませんが、このパターンを踏襲すれば次のように震度7弱から震度8強まで設定できるはずです。

7弱6.5以上7.0未満600~1100ガル
7強7.0以上7.5未満1100~1900ガル
8弱7.5以上8.0未満1900~3400ガル
8強8.0以上8.5未満3400~6000ガル
▲仮想の震度8

2008年6月14日の岩手・宮城内陸地震では、防災科学技術研究所が一関市厳美町祭畤(げんび-ちょう まつるべ)に設置した一関西観測地点で4022Galを測定して、ギネス認定されているということです。これは「震度8強」に相当することになります。

この地震(マグニチュード7.2、震源の深さ8キロ)の最大震度は岩手県奥州市と宮城県栗原市の震度6強です。一関市の最大震度は5強でした。

祭畤大橋

この地震で折れた祭畤大橋は遺構保存されています。

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