明治用水、もっとポンプ車を集められるのでは?

100台以上のポンプが稼働中

ポンプはオランダ語です。漏水が起きた豊田市の明治用水に設置されたポンプはとうとう100台を超えました。

設置済ポンプ109台(ポンプ能力6.85m3/s)稼働中。
追加ポンプ5台分(ポンプ能力0.30m3/s)設置作業中。

ポンプのさらなる設置による用水の確保と漏水箇所の早期の応急復旧を図るべく、鋭意取り組んでいるところ。

東海農政局>明治用水頭首工の漏水事故への対策について(5月23日15時現在)

農業用水を含めた安定供給のためには最低でも8m3/s必要だという報道がありましたので、これが正しいのならもう一息です。発電機フル稼働ですから環境にはよろしくなさそうですけど…。

まだ水中調査は行われていないようです。用水確保が優先だという論理はわからないわけではありません。ただ、漏れ出したままにしておくと穴はどんどん拡大して、手の施しようがなくなるのではないかと心配したくなります。

複数の鉄板で蓋をして隙間を埋めれば、秋まで維持できるのではないかと素人的には思えてしまいます。どんな状態になっているのか、ロープをつけてもダイバーが潜るのは危険だということなら、ファイバースコープ的なもので様子を探ることはできないものなのでしょうか。

水深120mだかの海底から沈没した観光船を引き揚げることができるのに、せいぜい2~3mの川底の映像がいまだ捉えられていないというのは、理解に苦しみます。

▲【2022/05/24追記】土のうを積んでいる作業で川の水が濁っているという要素があるのかもしれません。

2019年台風19号時の排水ポンプ車派遣

川口ナンバーや京都ナンバーも排水ポンプ車も応援に入っているようです。2019年の台風19号のときは、主な被災地となった東北、関東、北陸へ他地域から国交省だけで130台近くの排水ポンプ車が派遣されています。

北海道東北へ15台
東北(受援)
関東(受援)
北陸(受援)
中部東北へ20台、関東へ5台
近畿北陸へ25台
中国東北へ10台、関東へ12台
四国関東へ15台、北陸へ6台
九州関東へ10台、北陸へ5台
▲台風19号時の排水ポンプ車派遣

北海道は開発局、他地域は地方整備局です。千曲川が決壊した長野は北陸管轄です。国交省的には山梨は関東、福井は近畿管轄(港湾航空は北陸)になります。中部地方整備局は少なくとも25台の排水ポンプ車を持っているのです。

【外部リンク】
■国土交通省>令和元年台風第19号による被害等(66ページ:全国からの排水ポンプ車派遣)
■株式会社クボタ>災害復旧用カタログ

所管が違うのは承知していますが、自治体にもあるはずです。日常的に出動する車両ではないのですから、活躍する機会があるときに必要な場所に出してほしいものです。もっと出せるはずです。車両の問題より人員の問題なのかもしれません。あるいは、立地的にこれ以上難しいとか…。

▲【2022/05/24追記】すでにポンプは台数的には足りているようです。5/24 14時現在で「114台(ポンプ能力7.15m3/s)」だそうですが、この「7.15」の数値は能力であって実績ではありません。能力を発揮できていないのは水量不足のようです。

ダムのある巴川は水門下流で合流

矢作川には上流部に支流の黒田ダムを含めて7つのダムがあります(漏水した水門の下流で矢作川に合流する巴川にもダムが1つあります)。水量のコントロールは今の時期ならそれほど難しくなさそうです。

矢作川(地理院タイルを加工)

短いオレンジの線は21日に取水を始めた大谷川です。地理院地図にもGoogle Mapにも名前は載っていません。2018年5月のストビューを埋め込みました。こんな川です。

アリバイ作りだとは言いませんが、これは気休めレベルです。すがりたい藁のようです。

22日から取水を始めた猿渡川(さわたりがわ)は矢作川水系の隣接水系です。旧東海道に架かる橋の2018年5月のストビューです。焼け石になんとか、という言葉もちらつきます。

必死さは窺えますが、ポンプによる汲み上げを何年続けるのでしょうか。

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