結果的に登っただけ
2016年5月28日の夕方、小学2年生が北海道・七飯町の山中で置き去りにされて1週間後に見つかった事件がありました。関連箇所の標高は次のとおりです。
不明地点 | 115m |
分岐地点 | 297m |
発見地点 | 108m |
アメダス森 | 125m |
地図上でざっくりと計測しただけですが、不明地点から分岐地点まで3.76キロ、分岐地点から発見地点まで3.77キロでした。実際はどちらも4キロ前後になるはずです。直線距離なら6.2キロほどです。登りの平均勾配は4.55%(斜度2.6度)です。
このときの小2男児は、意思としては車を追いかけようとしたわけですが、泣きじゃくって涙を拭っているうちに結果的に方向感覚を失い、登山道に迷い込んだだけです。スーパーボランティアの「子供は上に」説を裏付けるほどのことではありません。
置き去り地点の三叉路
両親と姉を乗せた車は函館本線をくぐって南下しました。300m先とも500m先とも報道されていますが、車を停めて父親が歩いて戻ったときには、小2男児は線路と並行する道を進んでいたわけです。この登山道は北に向かいます。両親は西側に戻ったと思ってそちらを探したようです。
当初は山菜採りではぐれたという話でしたが、翌日にはしつけのために置き去りにしたことが発覚しました。はぐれたというミスリードのために、捜索の初動は適切なものではなかったはずです。
彼が迷い込んだ登山道は一本道です。標高300m近くに分岐点があります。
彼は左下から登ってきました。左に曲がると山頂への本格的な登山道です。直進は頂上への別ルートに接続します。右の下り2本はどちらに進んでも合流して自衛隊の広大な演習場に出ることになります。
「子供は上に」説はここで覆されるわけです。やみくもに上に上にと進むのではありません。その日のうちに鹿部町の演習場内の施設にたどり着いたそうです。8キロなら小学生でも歩ける範囲です。日の長い季節だったことも幸いしたようです。
水道あり、マットあり
演習場には水道の蛇口があり、施錠されていなかった建物には50人ほど宿泊できるようにマットもあったようです。
大規模捜索が打ち切られた6月3日の朝に発見されます。6晩を過ごした建物は隣接するゴルフ場のクラブハウスともう至近距離です。民家との距離も数百メートルです。
アメダス森の最低気温は次のとおりです。5℃以下の日もありますが、マットとマットの間に潜り込めばTシャツでも凌げるもののようです。
5月28日 | 8.7℃ |
5月29日 | 6.6℃ |
5月30日 | 12.4℃ |
5月31日 | 10.7℃ |
6月1日 | 8.6℃ |
6月2日 | 4.8℃ |
6月3日 | 4.6℃ |
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