全長2.7m、幅1.5mのゴムボート
今年5月に中国本土からゴムボートで台湾に密航した30代の中国人男性がいたというニュースがありました。
読売新聞がその続報が出しています。石獅(せきし)は台湾の対岸・福建省に属しています。
- ゴムボートは全長2.7m、幅1.5m、エンジン付き
- 4/30の午前10時半頃に石獅の砂浜を出発
- 午後9時半頃に台中港に到着
- 予備燃料、ビスケット、飲料水、方位磁針を携行
【外部リンク】
■読売新聞>ゴムボートで台湾海峡越え密航、中国人「自由を求めて来た」…怪しい動機に深まる謎 2021/09/21 09:24
燃費は?
180キロの所要時間が11時間ですので、計算上の時速は16km/h台となります。最短コースなら180キロというだけの話ですから、実際の航行距離は200キロと考えたほうがよさそうです。大雑把に平均時速20km/hで10時間ということになります。
日本で免許の要らない2馬力エンジンなら時速は10km/h程度です。2馬力エンジンで外洋を平均時速20km/hというのは性能的に無理があります。ゴムボートならおそらく5馬力か6馬力エンジンでしょう。5馬力エンジンの燃費を調べてみましたが、わかりませんでした。
予備燃料を積んでいたということですので話の信憑性を疑うほどではありませんし、当日は波も穏やかだったそうです。国後から標津まで23時間かけて泳ぐより、ゴムボートとはいえエンジン付きの船で11時間走るほうが現実的なのかもしれません。
懲役2か月の判決が出て、出獄後は強制送還になるようです。現下の情勢ではスパイの疑いが払拭されない限り、台湾側が受け入れるのはやはり難しいのでしょう。
金門島のNONNO
中台間の「国境」最前線は、厦門(あもい)と金門島です。最短5キロしかありませんので、それこそ手漕ぎボートの密航者もいるようです。
Google Mapは中国と台湾をくっきりと区別してくれます。ストリートビューを有効にすると、金門島はストビューありですが、中国本土にはありません。そのわかりやすさに感動します。この近さですが、金門島は台湾政府が実効支配しています。
アメリカの後ろ盾があったため中国政府は金門島には手を出せず、1974年の米中国交正常化まで厦門と金門島の間では砲弾が飛び交っていたそうです。金門島名産の「金合利鋼刀」は、本土から島に撃ち込まれた砲弾を材料にした包丁です。
金門島で理髪店のサインポールを探していたら、こんな店を見つけました。見事なまでにロゴがそっくりです。
屋号として用いるだけなら「あり」だろうと思われますが…。
冬は意外に寒い金門島
Wikipedia「金門県」のページに月平均気温等が掲載されていましたので、那覇の平年値と比較してみました。金門島は沖縄本島より南にあり、石垣島や西表島とほぼ同緯度です。
那覇では夏の最高気温が36℃台に達したことはありませんが、金門島では38℃台の日もあるようです。逆に、冬は沖縄のほうが暖かくなっています。行くなら、4月・5月あるいは10月・11月になります。日本からは台北経由でビザなし渡航が可能です。
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