葛西用水の越谷・天神橋と八潮・伊草天神橋

「葛西」と言うと葛西臨海公園や西葛西駅など江戸川区の葛西地区(赤の星印)をイメージしますが、もともとの「葛西」とは下総国飾郡の西部という意味のようです。葛飾区と江戸川区の全域が「葛西」ということになります。

葛西用水と南葛西用水
葛西用水(地理院タイルを加工)

埼玉・群馬県境の利根川沿いに葛西親水公園(ピンクの北端)があります。埼玉県羽生(はにゅう)市側です。利根川から水を引いて農業用水として活用しようとしたのは徳川家康ということです。葛西用水は葛飾郡杉戸町(ピンクの南端)の昌平高校付近で大落古利根川(おおおとし ふるとねがわ)に合流します。

越谷市相模町(紫の北端)で元荒川から八条用水とともに分水している水路も葛西用水の名称です。この灌漑用水は葛西清重館のある葛飾区四ツ木(紫の南端)で綾瀬川に合流するルートです。足立区では葛西用水桜通りとして名残を残していますが、常磐線より南の葛飾区では埋め立てられています。

明治初期の地図でも「葛西用水」の名前はあります。まだ葛西臨海公園が完全に海だった頃、かつての「葛西」の中心部に近い四ツ木まで水を引いたことで、葛西用水の名前になったのでしょう。

越谷・埼玉県道380号線の天神橋

レイクタウンの近くに天神橋があります。埼玉県道380号線の橋ですが、この天神橋がどの神社に由来するのかわかりません。

越谷市の天神橋

候補は4つです。位置関係からしてもっとも有力なのは紫の丸囲みですが、ここは伊原八幡神社です。境内社は稲荷神社と御嶽神社があるだけで、肝心の天神社が確認できません。八幡神社由来なら八幡橋になるはずです。

越谷市川柳町の
越谷市川柳町(地理院タイルを加工)

緑の丸囲みは伊原久伊豆神社です。「くいず」ではなく「ひさいず」神社です。境内社に天神社がありますが、橋とはかなり距離があります。ピンクの丸囲みは稲荷神社です。ストビュー画像を見る限り、境内社は見当たりません。オレンジの丸囲みは麦塚女体神社です。境内社だった天神社は本殿に合祀されているそうですが、やはり位置関係として無理があります。

葛西用水の西側には候補になるような神社はなく、そうなると久伊豆神社が怪しくなります。久伊豆神社の主祭神は大国主命で、総本社とされるのは加須市の玉敷神社です。

八潮・埼玉県道327号線の伊草天神橋

八潮の伊草天神橋

越谷から葛西用水を下ると草加を経て八潮に入ります。八潮市伊草の伊草天神橋は、すぐ近くに伊草天満宮があります。グーグルマップでは「天神社」と表記されます。鳥居の神額は単に「天満宮」で、東武バスのバス停は「伊草天満宮」です。天満宮ですので道真系です。

2018年7月撮影のストビューを埋め込みました

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