全長32キロの宇部伊佐専用道路、河口には私設の「興産大橋」

宇部興産専用道路

秋吉台に連なるカルスト台地の西側には住友大阪セメントの秋芳鉱山があり、日本海側の仙崎港にベルトコンベアが伸びています。一方、同じ美祢市(みね-し)の南側には伊佐鉱山があって、瀬戸内海側の宇部港まで「日本最長の私道」とも言われる「宇部興産専用道路」が通っています。

宇部興産専用道路
宇部伊佐専用道路(地理院タイルを加工)

「宇部興産専用道路」は全長31.94キロの片側2車線道路(トンネルなどは片側1車線の対面通行)です。私有地ですから平気で連結フルトレーラーが走っています。

フルトレーラー

宇部興産株式会社は2022年4月にUBE株式会社に商号変更し、セメント部門はUBE三菱セメント株式会社に分社化されています。

以前は「宇部興産専用道路」と称されていましたが、同社のWebサイトでは「宇部伊佐専用道路」と呼んでおり、Googleマップも「宇部伊佐専用道路」の呼称を採用しています。地理院地図は「宇部興産専用道路」です。

伊佐鉱山

伊佐石灰石鉱山は露天掘りです。このサイトでは見慣れた「地図にない湖」が出現しています。

伊佐鉱山

工場付近の標高は90m台、「湖」の岸辺?は20m台のようです。斜面の尾根(右上からの通路)は標高100m以上あります。

セメント工場の入口は伊佐川に架かる千代橋のようです。橋の手前に立入禁止看板があることから、この橋は市ではなく会社側の管理下にあるものと思われます。ストリートビュー・カーもここで撮影をやめています。専用道路の出発点(終点)は敷地内です。

工場入口の千代橋

国道2号線から見下ろせる

日本では滅多に見られない連結トレーラーは国道2号線など数か所の陸橋から覗き込むことができます(赤マーカー)。

見下ろせる陸橋
立体交差する陸橋(地理院タイルを加工)

次のストビュー画像に映っているのもトレーラーですが、この画角では連結かどうかはわかりません。結構な頻度で走っているはずです。

宇部伊佐専用道路

次のストビュー画像では右に見える陸橋が専用道路です。左手の敷地内から専用道路の上下線に接続しています。

県道30号

興産大橋と線路のない踏切

埋立地に入った宇部伊佐専用道路は厚東川(ことう-がわ)河口の興産大橋を渡ります。

興産大橋

社名変更後も「興産大橋」の名前は変わっていないようです。結構な勾配で、橋長は1020mということです。1982年の開通です。日本最長の私設橋だと思われます。

興産大橋
興産大橋(地理院タイルを加工)

一般道と平面交差する「線路のない踏切」は有名です。

線路のない踏切

コスト的にはベルトコンベアのほうが安上がりでしょうが、コンベアでは一方通行になります。この専用道路は1967年着工、1972年部分供用、1975年に興産大橋を除く全線開通です。中国自動車道の小郡IC-小月IC間が開通したのは1974年4月です。

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