笠間市の「地図にない湖」はいつから湖になったのか?

「地図にない湖」とは

茨城県笠間市に「地図にない湖」があるようです。開店3日目の店舗でも掲載されるGoogle Mapには「地図にない湖(稲田石 前山採掘場)」として載っていますが、国土地理院の地図に載っていないことから「地図にない湖」だそうです。現地はJR水戸線の稲田駅から徒歩20分弱です。

地図にない湖
地図にない湖(地理院タイルを加工)

私有地であり、一般入場は大人300円(中学生以下無料)、要予約のプレミアムツアーが大人1,000円です。「地図にない湖」だけなら300円で見学することができます。いったい誰が「地図にない湖」と言い出したのでしょうか。外からは見えない私有地内なのですから、もっとも疑われるのは所有者自身です。300円なら十分に見る価値はありますけど…。

いつから湖になったのか?

地理院地図は航空写真に切り替えることができます。次の画像は2008年の撮影だと思われます。濃い緑の部分がありますので、すでに少しだけ水が溜まっているようです。

中野組石材工業
中野組石材工業(地理院タイルを加工)

2010年3月には「湖」の範囲が拡大しています。雨水が溜まっただけでなく地下水脈を掘り当ててしまったのかもしれません。

地図にない湖2010年3月

2か月後の2010年5月には「湖」が縮小して段差が見えています。

地図にない湖2010年5月

2011年3月の衛星写真では再び「湖」が拡大しています。

地図にない湖2011

2014年3月も同じような状況です。

地図にない湖2014

2016年には「堤防」が消滅しています。重機用の取付道路だったはずです。

地図にない湖2016

Google Mapで使われている最新(2021/04/04現在)の衛星写真は2018年5月撮影のものです。「湖」の範囲はさらに拡大しています。

湖とは?

それでは「湖」に定義はあるのでしょうか。水が流れているなら「川」です。底が浅ければ「沼」でしょうし、規模が小さいなら「池」になるはずです。湖沼水質保全特別措置法を調べてみましたが「湖沼」の定義はありませんでした。環境基本法を「湖」で検索してもヒットしません。Wikipediaには次のように記載されています。

日本では河川法によって、ほとんどの湖沼は「河川」として名称と範囲が指定されている。だが、実際の「湖沼」がどのようなものかについて、法令による定義はない

Wikipedia>湖沼

河川法を「湖」で検索してみましたが、やはり1件もヒットしません。人工の水溜りに過ぎなくても、湧水があって、ある程度永続的に水が溜まっていれば「湖」なり「池」なりと呼ぶのは差し支えないものと思われます。つまり、「地図にない湖」はその名前は別にして地理院地図に反映される可能性があるわけです。

そこに不安を感じたのか、すでに「茨城のグランドキャニオン」という別の惹句も用意されているようです。スケール感を無視すれば、そう呼んでも誇大とは言えないかもしれません。生身の人間からすれば、採石場は十分に広いものです。

なお、「石切山脈」もローカルな(あるいは特定コミュニティ内の)俗称であり、地理院地図には掲載されていません。オフィシャルのようつべ動画もありますが、音量注意ですので埋め込むのは控えておきます。管理しているのは株式会社想石さんです。こうした形で見学できるのは歓迎できます。

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