続報がほしい住職による笠間ボンネット走行事件

◆2021/12/19 「事件」から半年以上過ぎましたが、新たな報道が見つかりません。被害者と称する一方の当事者の主張だけが無駄に全国ニュースになった「事件」だとしか思えません。当日は交番が移転していたことが判明しましたので、再生できなくなったニュース動画を削除し追記のうえ改題しました。

追記 蛇行や急ブレーキはあったのか?

第1報では「女性はしがみついて難を逃れた」とか「蛇行や急ブレーキを繰り返して振り落とそうとした」と報道されていました。映像が出た第2報では少し受け止め方が異なります。

 防犯カメラは、犯行の決定的瞬間を捉えていた。
 茨城県笠間市泉にある国道と県道の交差点。信号待ちの間、白いセダン車の前に後ろから追いついた黒いジープが回り込む。セダン車がそれを振り切ろうとバックすると、ジープの助手席から降車する女性の姿が。
 数秒後、セダン車は進路に立ち塞がった女性をボンネットに乗せたまま、アクセルを踏み込んだのだ――。

週刊文春電子版>茨城ボンネット暴走住職は信者800人 人生相談のプロ(4/14)

防犯カメラの動画では女性はボンネットに座っていました。悠然と足を組んでいるようにも見えます。「しがみつく」から想像するのはフロントガラスを向いてボンネットを抱えるような姿ですが、真逆でした。蛇行も急ブレーキも映像にはありません。

文春の記事を注意深く読めばわかりますが、「蛇行」や「急ブレーキ」はあくまでも被害者と称する側がそう主張しているだけです。語っている捜査関係者が現認したものではありません。「被害者によれば」なのです。

並走したジープは逆走

住職が運転する乗用車がボンネットに人を乗せて1キロほど走行した事件は、2021年4月4日(日)12時半ごろ茨城県笠間市泉(旧・岩間町)で起きています。

笠間市泉の交差点

右上が「さんてす岩間店」です。日曜のお昼時ですのでコロナ禍とはいえ盛況のようです。左上は「セブンイレブン岩間泉店」です。ニュースで流されている動画は角度からしてセブンイレブンさんで撮影されたもののようです。この交差点は4方向すべて右折レーンが設けられていて、交差点では3車線です。

30歳歯科衛生士の女をボンネットに乗せた78歳住職の乗用車は国道355号線を北上します。同時に歯科衛生士の女がもともと乗っていた青と黒のジープはセンターライン側を並走しています。交差点の先の中央車線は反対方向の右折レーンです。

交差点の北は1車線

その先は車線減少で片側1車線となりますので、並走したジープは明らかに逆走していたことになるはずです。

交番前?で停車

住職は女をボンネットに乗せたまま約1キロ走行したそうです。誰かがストップウォッチで測っていたわけではないでしょうが、報道では「約3分」ということです。1キロ3分なら時速20キロです。1キロ2分だとしても時速30キロです。動画ではもっと速いようにも思えますが…。

実は1キロ先には岩間交番があります。

岩間交番

ジープの運転手の通報で警察車両が待機していたとも考えられる一方で、土地勘のある住職が最初から交番を目指していたという可能性もないわけではありません。状況から殺人未遂で現行犯逮捕というのは仕方のないことですが、足を組む余裕があるのですから女性は自らボンネットに座ったと考えたほうが自然です。

追記 交番は移転した直後

岩間交番は2021年4月1日より岩間駅東口に移転しており、4月4日の事件当日は交番としての機能を有していませんでした。交番と住職の寺は直線で2~3キロです。近所に住んでいるわけでもない住職は、交番が移転したことを把握していなかったと考えられます。

2021年3月撮影のストビューです。最古のストビューは2012年11月撮影ですので、少なくとも10年近くそこに交番があったわけです。ボンネットの女性を交番まで運んで助けを求めようとしたら、交番は店じまいしており、絶望しているところにパトカーが駆けつけたというストーリーだったかもしれません。

トラブルは常磐自動車道で起きていたようです。石岡小美玉SICの出口から問題の交差点までルート検索すると8キロ10分です。

小美玉SIC
ICから8キロ(地理院タイルを加工)

ジープの運転手はインターの出口で車から降りて「車間距離が短い」と指摘したそうです(どっちが前かはわかりません)。住職は車を発進させ、ジープの運転手は「足をひかれた」と警察に通報、追走しながら警察に現在地を実況し、さんてす岩間店とセブンイレブンの交差点で追いついたようです。

この時点で、警察としてはジープ側の言い分を聞くしかありません。運転できる程度にタイヤで踏まれたのかもしれませんし、踏まれそうになっただけかもしれませんし、重症だったかもしれません(怪我しているなら報道されているはずですが…)。

今は削除された映像では、ジープは信号待ちしている住職の車の前に出て通せんぼします。住職はバックして右折車線に出ようとしますが、そこに女性が出て来るわけです。女性がボンネットに座ったところはちょうど写っていません。愛宕神社の看板が邪魔になっているからです。

報道は逮捕→送検で終わっていて、起訴・不起訴の報道は見当たりません。実名報道されて必要以上に社会的制裁を受けた78歳の住職に失うものはないはずです。名誉回復のためにはむしろ起訴上等です。示談が成立して、その内容は非公表とする旨が含まれていたのかもしれません。

住職のお寺は特定されたはずなのに、珍しくGoogle Mapのクチコミが荒らされていません。いわゆるネット民のリテラシーは意外に健全だったりするようです。

日本三大火防とは?

動画で邪魔になっていた看板は愛宕神社のものです。2019年6月撮影のストビューを埋め込みました。

愛宕神社は火の用心・火除けで有名です。京都の五山送り火には鳥居の形があります。京都・愛宕神社の「一の鳥居」です。ただ、「日本三大火防」を名乗る神社は笠間・愛宕神社のほかには見つかりません。笠間観光協会のWebサイトには次のように記載されています。

愛宕山の山頂にある愛宕神社は、日本三大火防神社のひとつといわれており、創建が大同元年(806年)と伝えられている歴史ある神社です。

一般社団法人笠間観光協会>愛宕神社

三大火防のほかの2つはどことどこなのか、観光協会さんも答えようがないのかもしれません。Wikiなら「いわれており」「誰によって?」の注釈が付けられはずだと思ってWikiを確認してみました。

愛宕神社は、日本三大火防神社(日本火防三山)の一社としている。いわゆる「日本三大」であり、その他の社寺については詳らかでない。

Wikipedia>愛宕神社(笠間市)(2021/04/06閲覧)

そうなりますよね。

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