伊達は「北の湘南」なのか?

2019年の降水量最少は声問の446.5ミリでしたが、この数値には多少なりとも疑問があります。2位は500ミリの伊達です。実質的には去年の最少降水量だったかもしれない伊達の観測地点は、市街地の外れにあります。伊達紋別駅から直線で1キロ弱です。

アメダス伊達
洞爺湖付近(地理院タイル

ストリートビューでは風向風速計が覗ける程度ですが、衛星写真を拡大すれば露場を確認することができます。年500ミリの降水量ということは、2019年10月12日の箱根より少ない数値です。台風19号時の箱根は朝9時からの12時間で700ミリ超でした。

箱根台風19号伊達2019年
9時51.5 ミリ1月10.0 ミリ
10時53.5 ミリ2月15.5 ミリ
11時74.5 ミリ3月9.5 ミリ
12時58.5 ミリ4月29.5 ミリ
13時78.5 ミリ5月47.0 ミリ
14時72.5 ミリ6月41.5 ミリ
15時47.0 ミリ7月54.0 ミリ
16時53.0 ミリ8月97.5 ミリ
17時44.5 ミリ9月41.5 ミリ
18時52.5 ミリ10月79.0 ミリ
19時76.5 ミリ11月30.0 ミリ
20時48.5 ミリ12月45.0 ミリ
半日711.0 ミリ年間500.0 ミリ

伊達の観測開始は1976年です。2007年12月19日11時前後の観測値が欠測になっています。この日を境に前後のデータが均質ではないことを示す赤線が気象庁Webサイトには示されています。おそらく観測地点の移転ではないかと思われます。

2014年の年間降水量も518ミリですので、2019年の500ミリはそれほどの異常値というわけでもなさそうです。伊達の観測地点には積雪計が設置されていません。移住を促す市のWebサイトには次のような記述があります。

冬は雪が少なく、屋根の雪おろしの心配がない

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さて、伊達市は2006年に大滝村を編入合併しています。横綱・北の湖の出身地である壮瞥(そうべつ)町を加えた3市町村の合併協議会は14回開かれましたが、壮瞥町は2004年12月に離脱します。住民投票が実施されたわけではありません。

伊達市と大滝区
伊達市(地理院タイル

3市町村の合併協議では、「旧市町村名を使わない」という縛りで新市名の公募を決めています。そのTOP6は「洞爺市」165票、「有珠市」151票、「北湘南市」89票、「湘南市」43票、「長流市」41票、「北の湘南市」29票でした。

洞爺市はもちろん洞爺湖にちなむのでしょうが、この時点では洞爺村がありました。洞爺村は2006年に虻田町と合併して洞爺湖町になっています。また、湘南が人気なのは、この地域が「北の湘南」をアピールしているからです。

市の中心部は噴火湾に面していて四季を通じて温暖で、冬でも積雪がほとんどありません。

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たしかに北海道では温暖な地域なのでしょう。念のために、2010年から2019年まで10年間の平均気温を比較してみます。

 日平均日最高日最低年最高年最低
函館9.713.75.831.8-12.8
札幌9.513.46.033.7-12.2
伊達8.912.84.830.6-13.6
小樽8.912.75.533.0-11.7
岩見沢8.212.64.032.5-17.6
苫小牧8.112.04.230.1-15.5
帯広7.613.12.735.2-21.5
旭川7.412.32.733.6-21.4
釧路7.111.03.229.8-18.4
北見6.612.21.135.3-23.4

意外にも伊達は小樽とほとんどイーブンで、苫小牧が岩見沢とイーブンです。低緯度の函館やヒートアイランドの札幌のほうが数字的には「温暖」です。伊達の観測地点は標高3mであり、高地に設けられた観測施設というわけではありません。

北海道にしては雪が少なく、四季(しき)を通じて温かい気候の場所です。
「北の湘南(しょうなん)」とよばれています。

伊達市こどもむけホームページ「だてキッズ」>伊達市の名前の由来や気候など

本当に呼ばれているのか?と突っ込みたくなります。「北の湘南」とは、あやかりたいだけの不動産業者がひねり出した惹句ではないかと想像したくなります。どうやら、もともとは地元の青年会議所が言い出したキャッチフレーズのようです。

なお、国土地理院の白地図で伊達市と壮瞥町の境界が一部切れているのは、境界未確定部分が忠実に反映されているせいです。

直径1mの回らないサインポール

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