旭川空港のアメダス東神楽と旭川気象台は直線12キロ

北海道の14空港

北海道には14の空港がありますが、そのうち11空港がアメダスの観測ポイントになっています。新千歳空港には気象測候所が、旭川など10空港には航空気象観測所が設けられています。冬季の降水量観測の有無を調べてみました。

空港所在地観測所名降水量観測
稚内空港声問村声問2017/11~
利尻空港利尻富士町本泊2017/11~
旭川空港東神楽町東神楽2017/11~
紋別空港紋別市紋別小向冬季なし
女満別空港大空町女満別冬季なし
中標津空港中標津町根室中標津2017/11~
釧路空港釧路市鶴丘2017/12~
帯広空港帯広市帯広泉2018/11~
新千歳空港千歳市千歳開所~
函館空港函館市高松開所~
奥尻空港奥尻町米岡開所~
礼文空港礼文町(幌泊)(休止)
丘珠空港札幌市(連絡室)
千歳飛行場千歳市(自衛隊)
▲北海道の14空港

道央・道南の3空港では2003年の開所当時から通年で降水量観測が行われています。一方、道北・道東の空港で冬季の降水量観測が始まったのはまだ最近のことです。

旭川空港はアメダス東神楽

旭川地方気象台と旭川空港は直線距離で12キロほど離れています。東京駅から自由が丘駅までが直線12キロで、大阪駅から甲子園球場が直線距離12.5キロです。

旭川気象台と旭川空港(地理院タイルを加工)

旭川空港の東神楽観測所では2018年の冬から降水量が通年観測に切り替えられています。気象台と空港の降水量を比較してみます。

旭川と東神楽の月降水量

冬季、とりわけ降雪がピークに達する1月や2月の乖離が激しく、夏場はほぼ近接した数値になっています。雨量計に降った雪が飛行機の往来で飛ばされてしまうとか、何らかの事情があってこの乖離が生じるのではないかという気もしなくはありませんが、ヒーター付きの雨量計のはずです。

冬季観測が避けられていた理由があまり想像できません。2019年の全国最少降水量は稚内空港の声問でしたが、これを異議なく受け入れることはできないのかもしれません。2020年のアメダス東神楽の観測値は次のとおりです。

年降水量752.5ミリ1249位/1293地点
年平均気温6.8℃852位/922地点
年最高気温33.1℃754位/922地点
年最低気温-28.5℃890位/922地点
年較差61.6℃29位/922地点
年平均風速3.3m/s152位/921地点
▲アメダス東神楽の2020年観測値

アメダス東神楽は標高211mとされています。2020年の年降水量は少ないほうから44位、年較差の61.6℃は大きいほうから全国29位でした。

旭川の年平均気温の推移

旭川地方気象台は2004年9月に庁舎移転しており、同年9月10日午前0時から新庁舎の観測値が使われています。

旭川の年平均気温
▲旭川の年平均気温の推移(気象庁

1910年代の平均気温は5.5℃ですが、2010年代は7.4℃に上昇しています。年最低気温の10年平均は1910年代には-29.9℃で、2010年代は-21.4℃です。旭川で-30℃が記録されたのは1954年が最後、-28℃は1979年が最後です。-25℃台は2008年が最後でしたが、2020年2月9日に-25.7℃が記録されました。→「21世紀2度目の氷点下36℃台は江丹別」

2020年の観測値は次のとおりです。やはり降水量は空港より多めです。

年降水量974.0ミリ1172位/1293地点
年平均気温7.9℃798位/922地点
年最高気温34.6℃613位/922地点
年最低気温-25.7℃871位/922地点
年較差60.3℃43位/922地点
年平均風速2.9m/s223位/921地点
年日照時間1610.9時間554位/841地点
▲旭川の2020年観測値

旭川地方気象台の標高は119.8mとされています。露場は駐車場側に設けられています。風速計の高さは46.4mとされていますので、風向風速計は7階?建ての庁舎の屋上です。

旭川地方気象台

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