コロナで増えていた？自殺者が減少傾向

自殺者は日本でも諸外国でも男が多く、国や年代を問わず性差が存在しています。うつ病は女のほうが2倍ほど多いわけですので、意外な気もします。

いろいろ説明されていますが、私なりに納得できたのは、うつ病の多い女性は本人も周囲もそれなりに気を遣うため「最悪」を回避するけれども、いわば「抗体」を持たない男は歯止めが効かずに突っ走ってしまうという説です。それが正解なのかどうかはわかりませんが…。

1978年以降の日本の自殺者数は次のように推移しています。2021年については8月末の数値を1.5倍してグラフ化しました。総数としては顕著なコロナの影響は見られません。

ちなみに、跳ね上がった1998年は参議院選挙で負けた橋本龍太郎内閣が小渕恵三内閣に変わった年です。自民党単独政権時代になります。ピークの2003年は小泉純一郎内閣です。下がり始めた2010年は民主党政権の時代です。翌年の東日本大震災でも自殺者は増えていません。

年代別の比率では20代以下が増えています。

実数は次のとおりです。2019年と2020年の比較になりますが、しわ寄せは赤文字のところに来ているようです。

▲男女別・年代別自殺者数

月別の自殺者数です。「平均」は2016年以降の平均、右端の「1日」は1日当たりの自殺者数です（2月は28.3333で割りました）。赤文字は前年同月比でプラスの月です。

▲月別の自殺者数

2020年7月から12か月連続で前年同月比がプラスでしたのでコロナの影響と言われていたわけですが、今年の7月と8月は極端に少なくなっています。ひょっとすると、オリンピック効果と言えるのかもしれません。

なお、うつの症状は日光を浴びると改善すると言われることが多いように思われますが、冬に自殺が少ないこととの整合性がとれません。

人口10万人当たりの自殺者数が過去4年間に1度でも20人以上だったのは次の11県です。分子の自殺者数は発見地別であり居住地別ではありませんが、いわゆる「雪国うつ」は存在しそうです。

▲自殺率の高い県

発見地別ですので樹海を目指した結果として山梨が高くなっているという可能性はありますが、東尋坊の福井県はそれほどでもありません。北東北にいわゆる「名所」があるのか調べてみましたが、とくに見当たりませんでした。

岩手県については市町村別のデータが見つかりませんでした。秋田県の市町村別です（秋田県における自殺の現状）。こちらは居住地ベースです。