八丈島空港は旧・大賀郷村八重見ヶ原(やえみがはら)

移転前からある測風塔

八丈島は西山(八丈富士)と東山(三原山)の2つの火山でできています。東山の最後の噴火は有史以前ですが、西山については17世紀あたりが最後の噴火のようです。町役場も八条支庁も警察署も病院も、島の主要施設は両者の接合部つまり瓢箪のくびれ部分にあります。空港も例外ではありません。

八丈島と八丈小島
八丈島と八丈小島(地理院タイルを加工)

八丈島には旧測候所の「八丈島特別地域気象観測所」と八丈島空港の「八丈島航空気象観測所」があります。両者は近接していますが、この位置関係はかなり複雑です。

八丈島測候所は1906年(明治39年)に上の地図の紫マーカーに開設されました。測候所は2003年に赤マーカーに移転するのですが、どうやら赤マーカーの場所には高層気象観測施設があったようです(1957年?)。移転前の測候所跡には測風塔だけが現存します。2013年8月撮影のストビューを埋め込みました。

風速と日照は今でも紫マーカーの測風塔で観測されているようです。標高74mで風速計の高さは18.1mです。

気温と降水量は移転後の施設内

気温と降水量については赤マーカーの新しい施設の奥に露場があります。標高は151mです。測風塔との距離は2キロほどです。

アメダス八丈島

測候所は2009年に無人化されていますが、ラジオゾンデによる観測を継続していることから施設としては維持されています。完全な無人というわけでもなさそうです。いくら自動放球装置を備えているといっても、無限に放出できるはずはありません。補充やメンテが必要になります。

なお、2013年8月のストビューで確認できる屋上の風向風速計は2019年7月のストビューでは撤去されています。純粋な移転でなく移転・統合だったものと思われます。赤マーカーと紫マーカーが観測所名としては「八丈島」です。

一方、標高92mの空港内の観測所は「八重見ヶ原」(やえみがはら)と名付けられています。空港内の観測施設を衛星写真とストビューだけで特定するのは困難です。2019年7月撮影のストビューです。紅白に塗色された塔のてっぺんには風速計らしい装置が2つ見えます。

ただ、八重見ヶ原の風速計の高さは8.8mとされていますので、この風速計の観測値が採用されているわけではありません。8.8mなら一般的な電柱より低く、私が怪しいと睨んでいるのは滑走路の南側ですが、確認できるストビューがありません。

2020年の観測値

位置関係は次のようになります。水色マーカーは紅白の塔です。空港の観測施設の正確な位置はわかりませんが、空港(八重見ヶ原)を新旧測候所跡(八丈島)がサンドイッチにしているわけです。

八丈島と八重見ヶ原
八丈島と八重見ヶ原(地理院タイルを加工)

八丈島と八重見ヶ原の2020年観測値は次のとおりです。両者の距離は1キロ程度のはずです。一般的には標高100m差で気温は0.6℃違うとされていますが、標高差は約60mですので0.3~0.4℃差なら理論値どおりです。平均気温の平年値(1991~2020年)は八丈島が18.0℃で八重見ヶ原が18.8℃ですので理論値の倍です。

八丈島八重見ヶ原
16位/1293地点4189.0ミリ年降水量3729.5ミリ25位
46位/922地点18.8℃年平均気温19.5℃39位
692位/922地点33.8℃年最高気温33.5℃722位
40位/922地点4.1℃年最低気温4.3℃38位
882位/922地点29.7℃年較差29.2℃884位
58位/921地点4.6m/s年平均風速5.4m/s23位
750位/841地点1432.8時間年日照時間
▲八丈島と八重見ヶ原の2020年観測値

風速に関しては、標高プラス風速計の高さで八丈島が92mで八重見ヶ原が101mですから、約10m差です。2020年観測値は0.8m/s差で、平年値でも4.8m/sと5.4m/sの0.6m/s差です。

八重見ヶ原

空港所在地は「八丈町大賀郷(おおかごう)」ですが、「八重見ヶ原」は小字的な位置づけのようです。

S42.4 八丈町大賀郷八重見ヶ原に養護老人ホーム「八丈老人ホーム」(定員50名)が認可される。

社会福祉法人養和会>施設紹介

もともと八丈島には5つの村がありました。大賀郷村は最後まで合併を渋った村です。

八丈支庁の自治体
八丈支庁の自治体

もとは海軍の飛行場だった八丈島空港は1954年に村営化されています。八丈村ではなく大賀郷村です。その際の所在地は大賀郷村八重見ヶ原だったものと思われます。滑走路は東西に延長され、今は2000mのジェット機対応ですので羽田から55分です。

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