30℃一番乗りは岩手、30分で12℃急落のアメダス小本

仲間はずれのアメダス普代

2022年4月11日は岩手が日最高気温の上位を独占しました。8位にもアメダス大船渡が入っています。30℃に達したのは岩手6地点です。

市町村観測所最高気温時分4月最高過去最高標高統計開始
1宮古市宮古31.0℃13:0732.1℃37.3℃43m1883年~
2山田町山田30.9℃13:5732.7℃37.5℃24m1976年~
3釜石市釜石30.3℃13:5031.3℃38.8℃5m1976年~
4岩泉町小本30.2℃11:5632.8℃35.6℃3m1977年~
5岩泉町岩泉30.0℃14:1731.9℃38.5℃105m1976年~
5久慈市久慈30.0℃12:2732.1℃36.0℃13m1976年~
普代村普代23.9℃32.2℃37.7℃8m1976年~
▲4月11日の日最高気温TOP6と普代

アメダス岩泉以外は沿岸部の観測所です。上位6地点を赤マーカーで示しました。こんな配置になります。

岩手沿岸部のアメダス
岩手沿岸部(地理院タイルを加工)

とりあえず、仲間はずれのアメダス普代がとても気になります。

小本は30分で10℃以上の急降下

上位6地点のうち内陸のアメダス岩泉を除き、アメダス普代を加えた沿岸部6地点について、4月11日午前10時から午後2時50分までの10分ごとの気温変化をグラフにしてみました。

10分ごとの気温推移

新たな謎が生まれました。小本の急落が目につきます。正午には29.6℃だったのに、12時半には17.7℃です。ゲリラ豪雨の越谷では40分で9.5℃下がったことがありましたが、小本は30分で12℃近く下がっています。

月平均気温の平年値を調べてみました。

岩手沿岸6地点の月平均気温

中南部の山田や釜石が低く、ほかの4地点の気温はさほど遜色はありません。普代だけ特別に低かった理由は何なのでしょうか。そして、小本の急落にはどんな理由があるのでしょうか。

フェーン現象

6地点の1時間ごとの日照時間を調べてみたところ、1.0時間のオンパレードです。釜石に至っては7時から17時まで10時間に渡って1.0時間です。普代も8時から16時まで1.0時間です。6地点の1.0時間だった時刻は次のとおりです。

久慈9:00-16:00
普代8:00-16:00
小本7:00-16:00
宮古8:00-15:00
山田7:00-16:00
釜石7:00-17:00
▲6地点の日照

早朝と夕方にはやや曇ったものの、日中は見事なまでの快晴だったわけです。普代だけ気温が上がらなかったのは日照の問題ではありません。

6地点の10分ごとの風向は次のとおりです。

久慈普代小本宮古山田釜石
10:00西北東北西東北東
10:10西北北東北西東南東
10:20西北東西北西
10:30西南西西南南西北西東南東
10:40西南西南西南南西北西
10:50南南東南西南西
11:00北北東南南西南西
11:10西南西南南西南南西
11:20西南南西南南西北北東
11:30西北西南西南南西北北西南西
11:40西南西南南西南西南西
11:50西南西南西南南西北西南西
12:00西南西西南南西北西南西
12:10西北北西南南西北西西南西
12:20西北西北北東北北東南南西北西南西
12:30西北西北東南南西西北西南西
12:40西北西北東南南西北西西南西
12:50南南西北東南南西北北西西南西
13:00南南東北東南南西北北西西南西
13:10北東南西南南西西南西
13:20南南東北東南西西南西西
13:30南東北東南南西南西西
13:40東北東北北東北東南南西西南西西南西
13:50北東北東南南西南南西西南西
14:00東北東北東南南西西
14:10北東東北東南南西南西西
14:20東北東北東南南西西
14:30東北東北北東東北東南南西南西西
14:40北東北東南南東南南西西南西
14:50北東北東南南東南南西西北西
▲6地点の10分ごとの風向

アメダス普代が仲間外れだったのは北風に終始したからです。アメダス小本の気温が正午過ぎから急降下したのは風向きが変わったからです。午前中の釜石が出遅れたもの海風だったからです。これはトンガ噴火の「空振」以来の感動です。

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